本部情報

2009年02月23日

【本部情報】工程表に基づく作業で1回目の交渉・協議

級別定数、定年延長等の取扱い等で工程表の考えには反対であることを主張

※この交渉情報は、単組のホームページやチラシ等には掲載せず、組織内の意思統一用として取り扱ってください。

公務労協は、2月20日、13日に行った国家公務員制度改革推進本部事務局への申入れ(自治労発第29号/2009年2月17日参照)を踏まえ、工程表に基づく法案作成作業等に関わる1回目の実務レベルの交渉・協議を実施した。

交渉は、13時30分から行われ、公務労協側から岩岬副事務局長ほかの実務交渉メンバーが参加し、公務員事務局側は淵上・古賀両審議官らが対応した。

冒頭、公務員事務局の両審議官が現時点の検討状況について次の通り説明した。

(1) 法案の準備作業については、条文で法制局と詰めており、骨子、要綱について各府省に対してもお示しできる状況になっていない。準備ができた段階で示すこととしたい。

(2) 内閣人事・行政管理局の設置については、人事院が工程表そのものについて納得しておらず、公務員事務局としては甘利大臣の指示に基づいて工程表どおり検討しているところであり、人事院とは話し合っているが、溝が埋まってきたとは言えない状況だ。級別定数の扱いについては皆さんからも意見を頂いているが、大臣は、府省を超えた組織管理、人事管理を行うために級別定数を内閣人事・行政管理局に持ってくることが基本との考えである。移すにしても、何らかの形で人事院の関与(意見の申出、事後チェック)は必要と考え、法制局と相談している。人事院は、給与制度と一体不可分であり、労働基本権の結論が出るまでは人事院が担わなければならないという考えだ。

(3) 試験、研修についても内閣人事・行政管理局が企画立案をすることにしているが、人事院は中立公正性を維持するため人事院が担わなければならないという考えであり、政府としてやりたいことがあるのであれば勝手にやったらいいという主張だ。

(4) 本日、人事院に対し、別紙の「幹部職員賞与を勤務実績に応じて増減額するための給与制度の改正に関する勧告の要請」を行った。平成22年度から幹部職員の新たな人事管理制度が始まるのでそれに合わせて賞与のあり方を人事評価に基づく物に変えて欲しいという趣旨である。

(5) 「定年まで勤務できる環境の整備、定年延長等」の諸課題について政府内で検討する体制をできるだけ早く設置したいと考えている。高齢職員が増えるため、定員査定、仕事の進め方、組織のあり方、給与構造・カーブ、定年延長を判断する条件などについて、制度官庁、各府省人事当局が集まって検討することとしたい。

(6) 幹部職員の任用弾力化については、法制局、人事院と最終的な詰めを行っているが、成績主義の原則の下で行うものであり、極めて難度の高い調整になっている。人事評価に基づき、相対評価で判断する方向である。

(7) 今後のスケジュールとしては、極めてタイトであるが、3月10日をめざして、引き続き努力していく。

以上の説明に対し、公務労協側は、「引き続き、誠意を持って交渉・協議していくことにしたにもかかわらず、作業の全体像に関わる資料を示さないのは問題だ。早急に示して頂きたい」と要望した上で、次の通り公務員事務局の見解を質した。

(1) 法案改正は具体的にどうなるのか。

(2) 幹部職員及び管理職員の定義はなにか。労使関係制度検討委員会で協約締結権の付与の結論が出ないうちに、管理職員の範囲を政府の側が決めるのは問題だ。

(3) 級別定数は、給与制度であり、勤務条件そのものとして交渉を行っている。基本権制約の下で、人事院から内閣人事・行政管理局に移すのは反対であり、法制化は認められない。
(4) 幹部職員の任用弾力化は、相対評価で降任するということだが、あらかじめ降任枠を決めるのか。降任する場合の審査委員会が必要ではないか。

(5) 幹部職員の賞与の増減は、これから始まる人事評価が二段階(事務次官)または三段階(事務次官以外)であることから、無理があるのではないか。評価の仕組みに影響を与えないようにしてもらいたい。

(6) 工程表は定年延長を先送りするものであり反対であるが、「定年まで勤務できる環境の整備、定年延長等」の検討については、われわれと十分意見交換をしていただきたい。また、人事院の研究会が本年夏に報告し、来年勧告する意向とも聞いているので齟齬のないようにして頂きたい。

これらに対し公務員事務局側は、「分かりやすい説明資料については、次回、示せるようにしたい」と述べた上で、次の通り答えた。

(1) 内閣法改正(人事・行政管理局及び同局長の設置、国家戦略スタッフ・政務スタッフを置くこと等)、国家公務員法改正(人事院の機能、人事院規則・政令事項の仕分け、幹部職員の一元管理<適格性審査、候補者名簿等>、幹部職員の任用弾力化等)、一般職給与法(級別定数等)、その他の関連法を検討している。

(2) 幹部職員は、一元管理に関わるものに限定しており、すべての指定職ではなく、地方出先機関や研究所等の付属機関は含まないが特別職である在外公館の長は含むことを考えている。管理職員は室長・企画官級以上で指定職未満を考えている。なお、ここでいう管理職員と、協約締結権付与の範囲の問題は連動・直結するものではないが、整理する必要はある。

(3) 級別定数は、勤務条件性はあるとしても、基本的にはポストの重要性を決める話であり組織管理の問題と考えている。

(4) あらかじめ降任の枠を決めることは考えていない。審査のための委員会を設けることについてはワーキンググループでも議論があったところ。

(5) 評価段階を変えなくても所見の記述で対応できるのではないかと思っている。仮に幹部職員の人事評価の仕組みを変えることになったとしても、一般の職員の評価に影響を与えることはない。なお、賞与の増減については人事院が判断する話であるが、地方支分部局の指定職も含まれることになるのではないか。

(6) 定年延長等の課題については、一定のまとまりができた段階で、皆さんとも適時適切に意見交換を行うこととする。人事院は来年勧告するということであり、重いものと考えているが、われわれの方では、現実的に着地するためのステップを考えるということであり、人事院の考えとぴったり同じにはならないのではないか。

最後に公務労協側が「次回は全体像が分かる資料を用意して説明して頂きたい」と要請したのに対し、公務員事務局側が「できるだけ早く行えるようにしたい」と答えたことから、1回目の交渉・協議を終えた。

政府が工程表に基づき幹部職員賞与の傾斜配分の勧告を要請

20日政府は、人事院に対し、別紙のとおり、幹部職員賞与を勤務実績に応じて増減額するための給与制度の改正に関する勧告の要請を行った。具体的には、公務員制度改革に関する工程表の具体化の第一弾となるもので、現在、減額・不支給のみがある幹部職員の「期末特別手当」について、勤務実績によって増減する仕組みに変えるための給与法改正勧告を要請している。

(別紙)
平成21年2月20日

人事院総裁
  谷   公 士 殿

   
                           公務員制度改革担当大臣
                           (国家公務員制度改革推進副本部長)
                                          甘 利  明


幹部職員賞与を勤務実績に応じて増減額するための給与制度の改正に関する勧告の要請

国家公務員制度改革に係る「工程表」(平成21年2月3日国家公務員制度改革推進本部決定)において、幹部職員賞与の傾斜配分化を実施するため、平成21年中の可能な限り早期に一般職給与法の改正を行うことを目指すこととしているところであります。

国家公務員制度改革基本法第5条第2項第1号の幹部職員の賞与は、幹部職員が内閣の重要政策の企画立案や重要な業務の管理責任を担っていること及び既に勤務実績に応じた賞与の増減額が行われている管理職員、一般職員に比してより高度な業務遂行上の責任を課せられていることを踏まえたふさわしい方法により勤務実績に応じて相当の範囲内で増減額する必要があると考えますので、所要の一般職給与法の改正について、速やかに御検討の上、必要な勧告を行うよう要請します。

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