自治労本部=病院づくり・地域保健・精神保健セミナー分科会
2009年度病院づくり・地域保健・精神保健セミナー(1月15日~18日・徳島県で開催)
各分科会まとめ
病院運営分散会
公立病院改革の渦中で、医療機能強化を前提とし持続可能な地域医療提供体制の確立のために私たちは何を行動しなければならないのか、労働組合として地域の医療、雇用、賃金、労働条件を守るためにはどのような運動の構築が必要なのか、これまで以上に踏み込んだ内容の病院運営分散会であったと考えます。これまでの労働組合の取り組みは、公共サービス職場としての住民へのアピールが不足していた。また、医療職場として最前線で地域医療を守っているという自信を持った対応ができていなかったということが明らかになった。
これまでの組合運動は医療従事者(組合)だけの運動であり、住民などには伝えられ切れない実態が明らかになった。住民との協働を前提とした取り組みが重要な位置づけとなる。また、医療従事者として自信を持った取り組みを実践していくことが極めて重要であること、また、社会保障の根幹をなす地域医療を守るためには、単一自治体、自治体病院を持つ・持たないにかかわらず、地域全体の問題としてとらえ、広域で地域医療を支える視点でのとりくみが必要であること、病院の財政状況を把握した対策強化が重要であることなど議論された。
これらの議論を通して、これまでからも提起してきました、「チーム医療の推進」し、自治体(公)立病院の付加価値を高める運動構築が、地域から信頼され、地域にたいするアピールにつながること、そして、自治体(公)立病院を守るための大変重要な要素であると考えます。また、地域医療確保に向けた政策転換と財源確保にむけた対策の強化が重要であると考えます。そのために、選挙闘争は重要な取り組みのひとつであると考えます。私たちと共に考え、私たちが理想とする社会保障政策実現に向け協働する議員を、一人でも多く国会・地方議会・首長へ送り出すことが重要。
運営形態指針についてですが、安全・安心・安定・平等な地域医療提供体制を守るために、地域医療提供体制を守るために欠かせない、直営の自治体立病院守るために、「運営形態変更・公立病院の再編・ネットワーク化に係る取組み指針」を活用して、自治体立病院・組合員・地域医療を守る対策強化を、地域事情も取り入れて図っていく必要がある。
地域保健分科会
地域保健、公衆衛生、精神保健それぞれの課題は連鎖する課題であると捉え、原点に立ち返り健康課題をトータルで見つめ直すことで、職場課題の整理と解決に向けた職場づくりと運動の強化・構築をと提起しました。保健現場でうまくいかないこと、また、うまくいっていることを課題として議論する中で、本来目指すべき目的が見失われ、手段が目的化していることにいかに気づくかという課題を共有し、決して数値目標が目的ではなく、住民が地域で健康に生活することこそが大切であり、その達成のために私たちがやらなければならないこと、守らなければならないこと、現場に持ち帰り実践するものを確認した。
住民の生命と健康を守ること、そこへ私たちは立ち帰り、衛生医療運動展開を行うことが重要であると考えます。参加者全員で決意し確認したことを、持ち帰って実践してください。 住民とともに地域全体で健康を守るため、職場・単組において、働きやすい職場作りと、職場からの運動づくりが重要である。
また、各自治体における公衆衛生行政の優先順位の向上と、公衆衛生分野や健康危機管理体制の自治体間での格差が生じることのないよう、評議会総体で運動展開を図ってまいりたいと考えておりますし、「住民の命と健康を守る」ということを最優先に考える態勢づくりを現場から発信し続けることが重要であり、現場で実践をお願います。
精神科病院分科会
今回の省令改正によって、法の趣旨そのものが破綻したといわざるを得ない、「心神喪失者等医療観察法」における指定入院医療機関(病床)について、法そのものにたいしては、これまで同様「凍結」を基本としながら、法の対象者の人権と権利を守り処遇を改善するとりくみについて、運動展開を行わなければならないことを議論し、また、運動展開にあたって、人員確保や夜勤体制の整備などに取り組まなければならないことを確認しました。法の対象者を「守る」取り組みの強化が、法の「凍結」にむけた取り組みの強化につながるものと考える。
私たちはいかなる処遇においても、精神障害者の人権と権利を守るため、「精神保健・医療・福祉」に関する自治労の取り組み指針を職場段階で実践し、これまで積み上げた精神分野での運動を、さらに強化・発展させなければならない。
看護分散会
長時間労働・職場と闘争から見えるもの・人材確保策・労働条件・職場・職制の民主化の課題について、職場に持ち帰れるものを議論しました。
過酷な看護職場において、はたらきやすい職場づくり、生き生き元気な職場づくりと、看護職員一人ひとりが元気になるよう、今回のセミナーで学んだことを職場で実践し、これまで以上に、人員確保・離職防止対策に向けた対策強化を図ることが必要。そのためにも、職場・単組において声をあげ、アピールしてください。私たちの運動によって、看護現場で巻き起こっている悪循環を断ち切り、二度と不幸な過労死を出さないために、現場の悲鳴が元気な声に変わるよう、地域で運動展開を必要です。
私たちが、元気に働きつづけられる職場づくりを行うことこそが、地域の医療を守ることである。
まとめ
慢性的な人員不足や厳しい現場実態に加え、この間の制度政策の変更などにより、さらに衛生医療職場は危機的な状況である。
それは国民の命と健康を直接脅かしているものであるが、そういった状況においても、押し流されることなく、私たちは住民の命と健康を守るために、地域の保健医療を守るために、さらなる運動展開と強化が必要であることを参加者全員で認識した。
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