本部情報
2009年01月20日【本部情報】公務労協が公務員制度改革本部事務局長と交渉・協議
―公務員制度改革をめぐる交渉・協議のルールを再確認―
公務労協は、1月19日、国家公務員制度改革推進本部事務局長との交渉・協議を実施した。
この交渉は、昨年末から進めてきた公務員制度改革の工程表等に関わる交渉・協議において、公務員事務局が内容上の交渉・協議を一切経ないまま15日の顧問会議に「工程表(案)」を提示するなどの信頼関係を損ねる対応をしたことから、改めて交渉・協議の位置づけやルールを明確にさせるため実施したものである。
交渉には、公務労協側から吉澤事務局長、各構成組織書記長が参加し、公務員事務局は立花事務局長、淵上審議官らが対応した。
冒頭、吉澤事務局長が「公務員制度改革に当たっては、「誠心誠意、交渉・協議を行う」との約束にもとづき進めてきたが、勤務条件に関わる事項について公務労協との内容上の議論を行わないまま15日の顧問会議に工程表(案)を提出したことは極めて遺憾である。
本日は、事務局のトップである立花事務局長から考えを伺い、今後の交渉・協議のあり方についての認識を統一させていただきたい」と、立花局長から直接考えを示すよう求めたのに対して、局長は次の通り答えた。
(1) 今、厳しい指摘をいただいた。これまで説明してきた事項を具体的に成文化した工程表の事務局案を皆さんにお示しするのが前後したことについて問題であるとの指摘はもっともだと思っている。結果として意見交換に混乱を来したとすれば遺憾であると思う。事務局として皆さんとの意見交換を軽視する意図はなく、引き続き誠実に意見交換を続けていくという姿勢には変わりはなく、ご理解をいただきたい。
なお、この工程表の事務局案は、皆さんのほか、制度官庁、関係府省等と、現在、協議中であり、その結果、必要な修正があり得るという性格のものである。
(2) 工程表のうち、勤務条件に関わりのある部分について、説明申し上げる。
まず、任用・給与制度関係については、3の「公募・官民人材交流」のうち、②及び③には、官民人材交流を推進するための措置について、所要の検討することとしております。
次に、4の「能力・実績主義の徹底」の(2)「幹部職員、管理職員の任用・給与の弾力化」のうち、幹部職員の任用の弾力化については、内閣人事局の行う幹部職員の人事管理の一元化のために必要不可欠であり、この通常国会に提出する内閣人事局設置関連法案に盛り込むこととしている。その具体的な内容は、目下、内閣法制局、人事院と調整中である。
その他の幹部職員、管理職員の任用・給与その他の処遇のあり方全般については、2010年中に所要の法制上の措置を講ずることとしている。
次に、5の「定年まで勤務できる環境の整備、定年延長等の検討」については、まず天下りの背景となっている早期勧奨退職慣行の是正を進め、定年まで勤務できる環境を整備していくための所要の措置を講ずることとしている。
また、60歳以降の問題に関連して、特に雇用と年金の接続は、重要な課題であり、民間にも何らかの措置を義務付けたこともあり、公務員についても、今後真剣に検討すべき課題であると考えている。そこで、(2)の再任用の原則化を先行して実施し、(3)の定年延長については、導入の前提となる条件等について2011年中には、一定の結論を得ることとしたいと考えている。なお、定年延長の具体的な導入時期については、民間において実施している定年延長を含めた様々な措置の状況、民間の雇用情勢を含めた社会経済情勢等を見極める必要があると考えている。
これらについては、人事院においても検討が進められているが、政府部内においても、幅広い観点から総合的に検討を進める必要があると考えており、政府内の検討体制を整備し、具体的な検討を進めて行きたいと考えている。
(3) 以上の措置を講ずるに当たって必要な事項については、人事院に勧告、意見の申出等に関する要請を適時に行いたいと考えている。
工程表(案)にはペンディング(P)となっている事項が3つあるが、そのうちの1つが機能移管であり、顧問会議報告を尊重するというのが甘利大臣の政治的決断であり、級別定数を含む人事院の権限の内閣人事局への移管及び労働基本権に関する工程表の書き振りについては、現在人事院と折衝中であり、ペンディング(P)としている。高度の調整を要する事項であり、場合によっては大臣会見において最終的に整理することもあり得ることを、ご理解いただきたい。
これに対し、吉澤事務局長が「今、事務局長から「遺憾」との考えを伺ったので、これをきちんと受け止めたい。工程表(案)の内容については、われわれとの交渉・協議の結果、変わりうるものとして確認していいか」として公務員事務局側の見解を求めたのに対し、公務員事務局側は「そのとおりである」としてこれを確認した。
この確認を踏まえ、最後に吉澤事務局長が「今後、改めて誠心誠意交渉・協議を行い、最終的には大臣との間で決着を図ることとしたい」として、公務員事務局側が誠心誠意対応することを前提に、交渉・協議を行っていくことを表明し、本日の交渉を締めくくった。
公務労協としては、1月末とされる工程表の閣議決定に向け、実務レベルの交渉を積み上げ、最終的には甘利担当大臣との交渉で労働基本権付与の明確化、給与制度見直し内容等の合意などを求めることにしている。
以上
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