本部情報
2009年01月20日【本部情報】第3回労使関係制度検討委員会
1月13日、国家公務員制度改革推進本部の労使関係制度検討委員会(座長:今野浩一郎・学習院大学教授)の第3回会議が、内閣府本府庁舎で開催された。委員会には、労働側委員として山本幸司連合副事務局長、福田精一国公連合委員長、金田文夫自治労書記長が参加した。
まず、事務局から「想定される便益及び費用の基本的視点」に関する資料説明がなされ、各委員による審議が行われた。
審議のなかで、金田委員は「『便益』は加筆されており、概ねこれで良い。『費用』については、「1.交渉コストの増大」「2.交渉不調の場合の調整のコストの発生」「4.交渉における参考指標としての調査コストの発生」が純増イメージになっているが、制度設計次第であり、必ずしも増えるとは限らない。特に「4」は、現在の精緻な官民比較方式に比べ、大幅なコスト減になる可能性が高い。現在の人事院勧告制度の下でも交渉コストや制度運営のためのコストは掛かっており、これと比べてどうかという相対的なものだ。また、「3.人件費の増大のおそれ」に「人件費の増加」が「生ずる可能性がある」とあるが、可能性としては増えることも減ることもあるので、「増加」だけを記しているのはバランスを欠くのではないか」などの考えを表明した。
また、山本委員や福田委員は、『費用』の注意書きにある「管理運営事項に関連して交渉のあり方によっては国の政策遂行に支障の生ずるおそれがある」との記述について、「労働基本権の議論の前段で、公務の特殊性を殊更に持ち出すのはどうか。これを前提条件に進めるのは議論の方向が狭められ、かなり制約されたなかでの議論になるのではないか」などの懸念を表明した。これら議論を受けて、座長は「事務局と再度検討したい」としてまとめた。
続いて、事務局から「協約締結権に関する主要な論点」に関する資料説明があり、各委員による審議が行われた。
審議のなかで、金田委員は「専門調査会の議論との関係をどうするのか。これを踏まえるとの認識をしていた。相当、専門調査会で集約されており、それを踏まえないと同じことをやることにならないか。認識を合わせておかないと齟齬が出てくる」との懸念を表明した。
この発言を受けて座長は「専門調査会は踏まえる。しかし、特定のテーマでは途中で止まっていたり、議事録の範囲ではだいぶ集約されているものなど多様である。専門調査会は踏まえるが、それに制約されるとこの委員会は何かとなるので「専門調査会を踏まえて」というのが良いかと思う」との意見を述べた。
また、山本委員や福田委員から、「1 基本的考え方」にある全農林警職法判決や、「2 協約締結権を付与する職員の範囲」にある公権力の行使や特定の職種の記載に関する異論が出された。これら意見を受けて、座長は「今日いただいた意見を事務局で整理してもらって、もう一度皆さんにおはかりしたい」としてまとめた。
最後に、事務局から「委員会におけるヒアリングの方針」についての説明があり、委員からヒアリング団体の選定方法を問う意見などが出され、座長は「自薦・他薦してもらえば良い。それを見させていただいた上で、何らかの基準で判断しておはかりしたい」と応じた。
次回以降の日程は、日程調整の上、開催日を各委員に知らせることとなった。
引き続き、自治労は、労働側委員と連携しつつ、協約締結権の付与を通じた交渉に基づく労働条件決定制度の確立と自律的労使関係制度の実現に向けて、取組みを強めていく。
以上
組合員専用ページのTOPへ