7月30日、ポールスター札幌で北海道平和運動フォーラム主催の「第9回憲法問題連続講座」が開かれた。
元陸上自衛官の末延隆成さんと清末愛砂・室蘭工業大学准教授が「安保法制と自衛隊の実態」をテーマに対談した。
末延さんは、「自衛隊のほとんどの隊員は、戦争をするために入隊した訳ではないが、安保法や集団的自衛権など、安倍首相や政府の言うことがおかしいと思っても、言葉にはできず逆らうことはできない」と述べたうえで、集団的自衛権について、「後方支援活動とは、物資や弾薬などを補給すること。補給部隊は戦場では格好の標的となる。武器も少なく車両整備もされていない。なにがどう安全なのかと疑問視している」と述べた。
また、安保法制について「現職の自衛隊員で賛成している者は一部の上官だけ。命を落とすような事態が想定されると、声は上げられないが当然反対している」と述べた。
さらに、「自衛隊は海外から見れば軍隊とみられている。自衛隊では人の殺し方を教わるが、捕虜を捉えた場合の対処法を教えてくれない。日本はジュネーブ条約を守る気はない。日本人が捕虜になった場合も命は守られない」としたうえで、「安倍首相は徴兵制はないとしているが、十分にあり得る。自衛隊には女性も多く入隊している。ハイテクの時代で昔と違い女性でも操作できる武器や装備が増えている。だから、1日教育すれば、性別・年齢を問わず戦場送る兵士をつくることができる。安倍首相は嘘を並べるのが得意。徴兵制は十分にあり得ると認識すべき」と強調した。
最後に「緊急事態条項を発動し、デモ隊や集会を鎮圧させるために、自衛隊の戦車には、デモの鎮圧、民衆に対する鎮圧をするための弾薬が搭載されている。戦争をする国づくりにむけて自衛隊の現場でも着実に準備が進められてきている」と警鐘を鳴らした。