4月26日、世界の原発史上で最悪となった旧ソ連のチェルノブイリ原発事故から29年、今年も、4月26日11時に、大通公園でチェルノブイリデー市民集会が開かれ300人が参加した。
主催者を代表し、船橋生活クラブ生活協同組合理事長が、「4.26チェルノブイリ集会が29年目を迎えた。チェルノブイリを二度と繰り返すな、原発の安全神話を見直して、エネルギー政策変えて行こうと訴え続けてきたが、日本はチェルノブイリを教訓とすることもなく、福島の事故を起こした。日本の子どもたちを守るため『原発ゼロ』の社会を実現しなければならない。チェルノブイリの29年間、住民はどんな苦しい思いをしてきたのか。ウクライナでは医師があらゆる病気が増えてきていると発表しているが、国際的期間はすべて無視している。これから日本の子どもたちに起こることをしっかり見極めていかなければならない」と述べ、「汚染の状況を住民に知らせることが4年後とすごく遅かった。そこから住民が反対運動に立ち上がり、今では、チェルノブイリ委員会をつくり、住民のさまざまな支援を行っている。医療費の完全無料化や雇用に対する補償などがとられている。しかし日本にはその姿勢がない。子どもたちを守るため、私たちの暮らしを守るため『原発ゼロ』を進めよう」と呼びかけた。
つづいて、泊原発状況報告について、三浦北海道平和運動フォーラム事務局次長が、「新規制に基づき安全規制委員会が安全審査を継続している状況だ。具体的に1点目は、2008年に起きた岩手・宮城での内陸地震これと同様の地震発生を想定すべきではないか。2点目は、積丹半島の西側にある地形の隆起です。安全規制委員会はこのことは地震の影響ではないかと指摘をしているが、北電は隆起については、波の浸食で地形が進化して隆起したものと反論して、議論が平行線になっている。3点目は、自身の最大の揺れを示す、基準値振動がまだ決まっていない。この3点で議論されているが、北電は3月24日に年内の再稼働は厳しいと表明している。現在日本では強行的に原発再稼働が進められている状況を考えると、今後の安全審査についても最終局面になり、専門家の判断による合格もあるということを念頭に置き、今後も運動を展開しなければならない」と訴え、「原発の再稼働については、自治体の同意ということがある。今年7月以降に再稼働するとなっている川内原発については、地元の鹿児島県、川内市だけが同意しているが、原発から30キロ圏内には同意をもとめていない。強行的に進めようとするのは間違いない。毎日新聞が全国世論調査を行った結果として30キロ圏内には同意を求めるべきだとの回答が圧倒的にあった。川内原発を泊原発に置き換えると、北海道と地元4町村が地元自治体となる。原発が強硬に進められる中で北海道平和運動フォーラムは、30キロ圏内の市町村に対して、原発を再稼働させない要請行動をし、同意を得る議会採択を求めていく。原発運動をより高めていくためにはみなさんの結集が必要。今年10月10日に西8丁目広場でさようなら原発北海道集会を5000人規模で行う。チェルノブイリも29年たっても終わっていないし、福島も4年たっても見通しが立っていない。これからが正念場だ。脱原発運動の推進運動を進める」と訴えた。
次に、泊防災報告について、深町地方自治を考える市民の会代表が、「泊原発の防災非難については、避難経路の不備、避難用バスの不備、弱者に対する不備、適切な使用体制の不備などさまざまな問題点が明らかにされていが、進歩していない。避難訓練も30キロ圏内には広がっていない。北海道の防災訓練も実効性、現実性のないものとなっている。多くの問題点を地元の民間団体や企業に依頼している。避難上の場所などは小樽、赤井川、札幌など上空の風向きに不適切な場所に設定されているなど実効性がない状況になっている。地方自治考える市民の会は、高橋知事に質問書、要望書を提出した。その結果、アンケート調査を行ったが、防災対策が置き去りにされている。また、大きな問題も明らかになった。事故が起これば、30キロ圏内の人たちは避難するのは時間がかかり不可能なことが明らかになってきた。国は解決していない防災対策はできていると言いくるめる形で、再稼働を進めようとしている。地域には防災対策に苦悩する担当者がいる。泊原発にも400トンの使用済み核燃料が蓄えられているいま、原発が稼働していなくても、事故が起こる可能性はゼロではない。地域の担当者を敵にしないよう防災対策を今後も充実させていくよう働きかけていく。事故危険性を下げるためには、再稼働はさせないように地域と知事に働きかえていく」と呼びかけた。
次に、幌延問題報告について、山内旭川大学学長は、「幌延問題を考え35年たった。日本中から出る高・中・低レベル、TRUを含めた核のゴミ処分場が幌延になったことではじまった。函館は大間原発に怯えなければならない。北海道の問題として原発新設、泊原発再稼働、核のごみ最終処分について反対していかなければならない。経過のなかで大きな問題がある。幌延問題では、日本中で手をあげたのは幌延だけだ。最も適さない場所に最終処分場と計画されてつくられてきた、本末転倒の原発政策最後の取り組みだった。幌延を国は絶対手放さない。いかに適さなくとも、道民が反対しても、更地にして返してくれるということは考えにくい。町長は、経済効果が高いのでやめないでほしいと発言している。反核のたたかいは忘れることはできない。福島原発事故もなかったことにしようとなってきている。核のゴミを幌延に持ってくるのか。旭川から豊富の方々と連帯しながら、みなさんと連帯し、泊、函館、幌延の問題とたたかっていく」と訴えた。
福嶋の現状報告について、みかみNPO法人みみをすますプロジェクト理事長が、「最近の福島は除染が進められている。福島市は市長が1年間で行うと宣言し、大変な除染作業を行っている。国税局の空き地にフレコンバックが多く積み込まれ、仮置き場の仮置き場となっている。フレコンバックの中には除染したものが入っている。そこがホットスポットとなり放射線が漏れている。伊達市に行くと田園地帯のあちこちに除染した袋が積まれていて、何年間も積まれたままになっている。近づくと線量計は大変な針の振れ方になる。重みで一番下の袋が破れていた。除染はしているが問題を解決できないまま、5年目の春が来た。2011年以降に生まれた子どもたちが公園などで遊ぶことができない状況だ。受け入れ全国協議会では、年に3回春、夏、冬休みの前に相談会を設けている。昨年11月と今年2月に行った。郡山市で300人以上、福島市で200人以上が来場した多くの人は、休みを利用して、親子で県外の安全な場所で保養したいといっていたが、現時点では貯金も切り崩してきており、お金を使わない保養を探している。そういう状況を国も県も汲み取った動きをしていない。支援法ができたのは数年前だが、被災した人たちには反映されていない。福島の人たちが苦しんでいる大きな理由の一つだ。震災直後から北海道には3000人以上の避難者が来たが、現在でも2500人の人たちが残っている。その人たちは帰還して安心に暮らせる状況ではないので、避難者生活を続けている。子どもたちが北海道で移住を視野に入れながら、安心・安定した生活が送れるように一緒に考えてほしい。5年も中途半端な避難者生活をこのまま続けさせることは罪だ。移住なら移住ということで落ち着いた生活を選択してもらいたい。原発は止めなければならない。被害を受けた人たちの人生を私たちの人生とつなぎ合わせて支援活動をしよう」と報告した。
最後に集会アピール(案)を奥田市民ネットワーク北海道代表委員が提案し、採択され集会が終了した。
その後、北海道電力前までデモ行進を行い「泊原発再稼働は許さない」などとアピールした。