1月29日13時、東京都・TOC有明で「自治労第148回中央委員会」がはじまった。
はじめに、氏家委員長は、自治労本部を代表して当面する重点課題について考えを述べあいさつした。
1点目に、2015春闘の課題について「アベノミクスで企業の内部留保が増える一方で、労働者の実質賃金は17ヵ月連続で低下している。デフレから脱却し、経済の好循環をつくるには、労働者の賃金引き上げをはかるしかない」と賃金『底上げ・底支え』、『格差是正』に取り組む決意を述べた。
また、「『給与制度の総合的見直し』は、地域の民間労働者の賃金への悪影響などが懸念される。2014自治体確定闘争以降、約半数の自治体で現在も交渉を継続している。2015春闘の前段の、2月6日に『総合的見直し』に関する第三次統一行動を設定し取り組みを進める。地方財政の確保にむけ、政府・総務省
への対策を強化する」と述べた。
2点目に、臨時・非常勤等職員処遇改善について「1月31日に初の試みとして開催する『自治体に働く非正規問題を考える連合古賀会長との対話集会』を皮切りに、全国の仲間とともに街頭でのアピール行動を展開する」と決意を述べた。
3点目に、労働者保護ルールに改悪について「政府は通常国会で、二度廃案となった労働者派遣法改悪を目論んでいるが、『女性の活躍推進』という政府のスローガンとも矛盾するものと言わざるを得まない」と批判し、「『格差拡大』につながる労働者保護ルール改悪の阻止にむけ、連合に結集し取り組みを進める」と述べた。
4点目に、2015年度政府予算案について、「自治労が求めてきた一般財源総額を増額したことや、『まち・ひと・しごと創生事業費』が新設され、地方創生の経費が計上されたことは一定評価できる」としたうえで、「しかしながら、将来にわたる安定的な財源とは言えず、地方創生の成果に応じて各自治体に配分するとされており、政府の政策誘導=中央集権的な地方創生になりかねない」と述べた。
また、「安倍総理は地方創生を政権の重要政策の一つに掲げたが、春の統一自治体選挙対策に終わらせてはならない。地方創生に関する政府、自治体の動向を注視し、中長期的な予算確保にも取り組む」と述べた。
さらに、「政府は財政再建が国際公約とされる中、安倍政権延命のため、消費税10%への引き上げを1年半先送りし、復興特別法人税の廃止に加えて、法人実効税率の引き下げを先行する一方で、歳出構造の見直し対象として、医療・介護をはじめ社会保障費と、地方公務員の人件費を挙げている。地方公務員給与削減圧力について、最大限警戒を高め、対政府・省庁対策・国会対策を強力に進める」と強調した。
5点目に、国の政策動向について「春にも再稼働すると言われている川内原発の問題、統一自治体選挙後には集団的自衛権行使の閣議決定に基づく法案整備、日米防衛ガイドライン改定など、国民の声を無視した政策が強硬に推し進められようとしている。こうした流れに歯止めをかけるべく、戦争をさせない1000人委員会や平和フォーラムに結集し、世論喚起も含めた運動を強力に進めよう」と呼びかけた。
6点目に、政治闘争について「昨年末の総選挙は与党で引き続き議席の3分の2を超えるという厳しい結果となったが、自治労組織内候補2人、政策協力候補9人の当選を果たしたことは、重要な成果だった」と述べた。
また、「春の統一自治体選挙、来年の参議院選挙は極めて重要であり、組織一丸となって取り組まなければならない。、自治労として、『えさきたかし』参議院議員を比例代表選挙の組織内候補として擁立し、勝利にむけた取り組みを進める」と述べた。
最後に、「東日本大震災から間もなく4年が経過し、被災地も徐々に落ち着きを取り戻しつつある。しかし、依然として職員の時間外労働が減っていない実態などが明らかになっている。特に福島では、東京電力福島第1原発事故がいまだ収束しておらず、他に比して原発周辺自治体の職員のストレス度が高いという結果も出ている。今後も中長期的なサポートを、自治労として行う」と決意を述べた。
この中央委員会は、春闘方針、当面の闘争方針などを決定し、明日1月30日に終了する予定。