安倍政権が進める、集団的自衛権の行使容認に反対する「戦争をさせない北海道委員会」は6月28日、札幌市・大通公園で「大集会」を開き、5500人が参加した。
主催者を代表して、結城・小樽商科大学名誉教授が「私たちはいま悲惨な戦争から得られた、唯一の遺産である憲法が一部の権力者によって脅かされようとしている。もし、解釈改憲が許されればどんな法律を作っても何の意味もなくなる」と述べた。また、「万が一集団的自衛権行使が容認されれば、自衛隊が外国に行き、何の恨みもない人を殺し、自分が戦死する危険を背負えと政府から命令されることになる。いかなる根拠に基づいて、その命令を下す資格があるのか。相手から攻撃受けてもまったく文句が言えない。安倍はどんな責任とるのか。国民に何を約束できるのか。戦争への道を開こうとする有力者は、自ら戦場に行くこともないし、強制されることもないと思っている。無責任者の言うなりはいけない。日本を戦前のような戦争国家にしてはならない」と述べた。最後に、「閣議決定したところで、憲法の意味が変わるはずもないし、憲法違反が合憲化されるわけではない。憲法改正の意味は変わらない。憲法に反することに服従義務がないことが立憲主義の基本。このことをしっかり心に止め、運動をすすめよう」と呼びかけた。
呼びかけ人を代表して、東京大学・高橋哲哉教授が「日本は戦後最大の曲がり角に立っている。政治の劣化が進んでいる。いま安倍政権がやろうとしていることは、もはや政治の劣化という言葉だけでは物足りない。底なしのモラルハザード。道義的な退廃と感じる」と述べた。さらに、「底なしの道義的退廃の真骨頂が集団的自衛権の行使容認。安倍は総選挙で憲法9条を変更し自衛隊国防軍創設や、96条改正を言い出したが、世論の反対があり、うまくいかなかった。最後に解釈改憲を出してきた。戦後最大の反則の中の反則だ」と批判したうえで、「これを見過ごせば、憲法が改正され。9条の意味がなくなる。集団的自衛権行使で人を殺し、殺される覚悟はあるのか。私はごめんだ」と述べた。最後に、「いまが最大の転換点。大きく力を結集して、安倍の企みを断念させよう」と述べた。
作家の雨宮処凜さんは、「集団的自衛権行使の容認に反対も賛成もしないと、賛成側にカウントされてしまう。日本国民は納得していないと国際社会にむけて発信していこう」と呼びかけた。
上田文雄札幌市長が「安倍政権は当初、憲法96条改正を掲げて取り組んだが、多くの国民の反対にあい、解釈変更方針に転換した。武力で国際紛争は解決できない。行動を阻止するために立ち上がらなければならない」と述べた。また、弁護士時代に自身が作曲したという曲に合わせて憲法9条の条文を謳い、会場を盛り上げた。
その後、札幌市内をデモ行進で、「戦争できる国づくり反対」「集団的自衛権行使容認反対」を訴えた。
◆デモ行進のようす