小雨が降りつづく中、第85回全道メーデー大会が5月1日、札幌市・大通西8丁目広場で開かれ、約5000人が参加して労働条件の改善や格差の是正を訴えた。
今年の労働者の祭典メーデー大会は、「戦争のできる国づくり」につきすすむ安倍政権の暴走、労働法制の改悪など、深刻かつ大きな課題が山積している中での開催となった。
連合北海道・工藤会長は、「春闘で4月25日までに妥結報告があった加盟組合のうち、104組合の平均賃上げ額は前年同期比353円増の月4884円になった。今後につながる一定の成果。今後も地場や中小に波及する取り組みを続ける」と述べた。また「労働者派遣法の改正案は、正社員との均等待遇原則が盛り込まれず、2012年の法改正で明確にされた労働者保護に逆行する『生涯ハケンで低賃金』の改悪法案であり認めることは出来ない」と述べた。さらに、政治課題への対応について「憲法の立憲主義と平和主義をはじめとする三原則を貫徹し、決して平和主義を揺るがす領域に入り込むような論議ではあってはならない。選挙で勝ちさえすれば、時々の政権が憲法解釈を自ら変更できると言う考えは誤りであり、言語道断。主権者である私たちに突きつけられた、挑戦だ」と述べた。最後に、「『STOP THE 格差社会! 暮らしの底上げ実現』の声を挙げ、『労働者保護ルールの改悪』と格差社会の進行にストップをかけ、暴走する政治に終止符を打つために、連合はすべての働く者の先頭に立ち、あらゆる不条理とたたかう運動を進め、社会的うねりを創り出していく決意だ」と強調した。
また、大会に駆けつけた上田札幌市長は、「デフレ脱却のかけ声の下に総理が企業に対して賃上げ呼びかけた。しかし、中小企業労働者の生活実態はまったく変わっていない。政治状況が寒くなる中で本当に連帯と平和な姿を堅持するたたかいの意志を固めよう。戦争を知らない世代の人口構造になっている。憲法を自分の都合の良いように解釈することは許されない。それをさせないと定めたのが憲法。自由気ままな権力の有りさまを阻止する。そのことを許さない仲間を増やすことが大事だ。人間は忘れることはあるが、忘れてはいけないことがある。憲法改正にむけた議論の矛盾を自らの存在をかけて語り合い、団結を強めて強め、諦めることなく頑張ろう」と訴えた。
横路衆議(民主党北海道代表)は「長時間労働が問題になっている中で、安倍首相は残業代ゼロ掲げた。何を考えているのか。戦後の日本社会の基本は憲法9条。安倍政権の積極的平和主義とは、自衛隊が軍事的役割を担うこと。富国強兵路線。大日本帝国に戻ろうとしている。武器に依存する国家は企業も戦争・紛争を望む国家になる。平和と民主主義がなくなっている。国家権力に対抗する力を強化していこう」と呼びかけた。
大会では、スローガンやメーデー宣言をはじめ、3本の決議案が採択された。大会後は、札幌市内をパレードした。
【パレードのようす】