9月7日、豊富町・町民センターで「NO!核のゴミ 幌延の最終処分地を許さない北海道集会」が開かれ、全道から450人が参加した。
「幌延深地層研究センター」をめぐっては、①国による最終処分地の候補地選びの第1段階である「文献調査」の申し入れが本格化すること、②文部科学省が地層処分を研究している幌延深地層研究センターと瑞浪超深地層研究所(岐阜県)のどちらかの施設を廃止する方針を示したこと、③幌延において来年度、廃棄物に模した熱源を地下坑道に埋設するという実際の処分に近い研究が始まることから、幌延がなし崩し的に処分地とされることが危惧され、道平和フォーラムは、幌延を核のゴミの最終処分場とさせないために、標記集会が開かれた。
はじめに、主催者を代表し、長田秀樹・北海道平和運動フォーラム事務局長があいさつした。
その後、「行きづまった原発政策の終焉」と題して、ジャーナリスト・鎌田慧さんが講演した。
鎌田さんは「フクシマ原発事故のあと、すぐにドイツは原発廃止を決めた。米国を含め、すでに世界各国は原子力技術を廃止する方向に決めているが、日本は未練がましくまだしがみついている」と述べたうえで、「日本国内でも原発立地に対して、『原爆と原子力技術は同じもの』という認識で原発反対運動が起きてきたが、それがかなえられることは稀だった。おカネで敗北していったケースが多い。米国下院議会では『原爆と原子力技術は同じ』という日本国民の認識を変えようと、『原発と原爆は違う』ことをアピールするため、広島・長崎に原発立地が議論されたが、議論のすえ中止になり、スリーマイル事故以降、米国では原発は低迷した」と述べた。
また「日本では1954年、中曽根康弘衆院議員らが原子力関連予算案を提出 。関連研究費は国策として大盤振舞の投資を行った。発電はそもそも原子力に依存する必要はないことがデータから見ても明らか。なぜ、原発推進したいのか考えてみよう」と問題提起をしたうえで、「日本は技術立国と言っているが、フクシマ事故の対応では外国の技術に依存していることが明らかになり、さらに対策が遅々として進まず、日本の対策は海外各国からの不安も大きい。崩壊過程にある日本の原子力産業(三菱=アレバ、東芝=WH、日立=GE、日鋼)をどうたたんでいくかがこれからの課題だ」と強調した。
最後に、「『もんじゅ』も『六ヶ所』も稼働できる状態にはなっていない。核廃棄物の直接処分の可能性が大きくなってきた。日本政府は幌延は例外にはならないという考え方で可能性はある。全国さよなら原発1000万人アクションの署名は、現在850万筆ほど集まっている。原発ゼロ社会をめざしともにたたかおう」と呼びかけた。
その後、幌延深地層研究センターの「研究計画」の中止を求めるとともに、幌延を高レベル核廃棄物の最終処分場とさせず、最終処分地の候補地選びの「文献調査」を受け入れないことを求め、豊富町内をデモパレードした。