8月27日、札幌市・自治労会館で「北海道平和運動フォーラム第3回憲法問題連続講座」が開かれ、市民ら約150人が参加した。
はじめに、主催者を代表し、北海道平和運動フォーラム中村代表が「安倍総理大臣は改憲議論を一時封印し、集団的自衛権の行使について解釈改憲と言い出したが、何としても止めなければならない。」と述べあいさつした。
講演は早稲田大学法学学術院・水島朝穂教授が「安倍政権の暴走を止めるために―『憲法96条先行改正』から『潜行改正』へ―」と題し講演した。
水島教授は5月2日の第1回憲法講座でも講師を務めており、主にその後118日間で起こった憲法改正議論に関する変化について話した。
水島教授は、「現行の選挙制度では、自民党が圧勝したように見えるが、得票率などの視点から見れば、そこに合法性はあっても正当性はない。そういう視点で見ると、改憲勢力が3分の2議席に届かなかったことの意味は大きい。選挙の結果で、安倍総理は改憲を思いとどまるに至った」と、今回の参議院議員選挙の結果と意味を解説した。
また、日本国憲法の平和主義について「戦力不保持の現行憲法下では、仮にどこかの国が日本を攻めようとしても、平和主義である日本を攻めるな、という国民の声が『平和のエンジンブレーキ』をかけてくれる。しかし、軍隊を持つことで対抗する『フットブレーキ』では、北海道の雪道のように止めることができず、戦禍は免れない」と、軍隊と平和に関する持論を展開した。
さらに、「内閣法制局の職人(=官僚)は、安倍総理に反発する行動を始めている。また、アベノミクスも近い将来崩壊する。TPPはアメリカの言いなりになってしまい、外部からの批判も噴出する。今、正に内外から、安倍内閣の暴走に対抗する力学が働きつつある。安倍政権の終わりが始まった。安倍政権の暴走を止めるチャンスはまだある」と結んだ。
次回の講座は10月に開かれる予定。