7月28日、福島市・福島県教育会館で「被爆68周年原水爆禁止世界大会・福島大会」が開かれ、約1,200人が参加した。
福島原発事故が抱える課題はさまざまであり、長期にわたる困難なたたかいが続いている。現地との連携を強化しながら、二度と福島原発事故を繰り返さないためにも、原水禁世界大会を通じて、脱原発運動の強化を確認した。また、原発事故の現状と現地の実態、今後の取り組みの方向性などが提起された。
はじめに主催者を代表し、川野浩一(大会実行委員長)が「永遠に続く事故処理。今回、原水禁、連合、核禁止(原発推進)が意見分裂し調整つかないバラバラ状態での被爆68周年原水爆禁止世界大会となった」と述べあいさつした。
地元挨拶では、福島平和フォーラム・五十嵐史郎代表は「未だ収束には程遠い状況。汚染水が海洋へ流出する危険性もある」と述べ、現状を報告しあいさつした。
大会基調提起は、藤本泰成・大会事務局長が行い「国民意識に事故の風化。原発再稼働を阻止し、政府に脱原発・エネルギー政策転換を促していきたい」と提起した。
フクシマ現地報告は、福島平和フォーラムの五十嵐敬さんが「住民への説明は事故前となんら変わらない。もう破綻している。今後に大きな不安が残っている」と述べた。
その後、講演1「フクシマが問うもの・問われるもの」と題して、高橋哲哉・東京大学教授が講演した。
高橋教授は「今も放射線量が高い。私がかつて住んでいたところも未だに高い放射線量がある。今後事故収束にむけて、さまざまな課題が山積している」と話した。
引き続き、講演2「フクシマとヒロシマ-核と人類は共存できない」と題して、森滝春子・広島核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表が講演した、
森滝代表は「広島の原爆被害者については内部被曝を受けた者は過少評価されている。被爆後、人権を無視した強制調査が実施された。しかし、その結果は被害者の医療に生かされていない。フクシマも同様のことが起こっている」と話した。
その後、大会アピールを行い、福島市内をデモ行進し、福島原発の早期収束と核も原発もない社会の実現を訴えた。