7月25日、札幌市・北海道教育会館で「ゆたかな教育をめざす全道集会-競争主義にもとづく差別・選別の教育を排し、すべての子どもに教育の権利を保障しようー」が開かれ、約人が参加した。

 

 

 

 

 

はじめに、主催者を代表し、結城洋一郎・道民会議をすすめる道民連合会長が「道教委は先月あらたな公立高校配置計画案を策定し3年間で23校25学級という大幅な削減を公表した。道教委の方針は、遠距離通学や進学を断念してしまうことにつながる。また、道教委は君が代強制など、教育現場へのさまざまな介入をしてきている。北海道でも課題が山積している。衆参での自民党の大勝は、教育のみならず、国民全体に危機的状況。国民全体が人間らしい生活をするためには市民が連帯することが必要。今日の集会で学習を深めてほしい」と述べあいさつした。

 

 

 

続いて、出村良平・連合北海道事務局長が「小川参議4選に感謝。比例は6人の当選3人落選。結果にめげずこの厳しい状況を拡大させないために連合も奮闘する。本日の執行委員会で豊かな教育をめざす全道キャラバンの取り組みを確認した。ストップ格差拡大のキャラバンを展開したが、さらに格差拡大は広がってしまう可能性が高い。格差拡大は子どもの貧困につながる。厳しい状況だが、みなさんの声をしっかり世論に広めていく運動を展開する。通報制度が弁護士会の勧告があるにも関わらず、未だに存続しているのは言語道断であり許されない。引き続き、取り組みを強化していく」と述べあいさつした。

 

 

 

その後、リレートークを行った。

はじめに、「地域の高校を守る運動」と題して、浦西孝浩・北見市議会議員は「常呂高校のキャンパス校存続には生徒20人が条件。人口減少に伴い、高校存続をどうして行くかが課題だ。長万部、寿都の事例を視察した。『熊石高校存続を求める会』とも連携し、常呂・まちを語る集い(住民主体懇談会)を利用して状況・提言周知を行った。オホーツク管内の1学級所在地の8自治体連携を模索しているが、オホーツク圏活性化期成会会長が北見市長。代表としてやっていけるか不安視されている現状だ」と話した。

 

 

 

 

次に、「高校無償制度への所得制限導入と朝鮮学校の除外を許さない運動」と題して、成田 恭子・日教組高校センター事務局長が、自民党が進めた所得制限の問題点について、自民党はバラマキと言って所得制限をしたが、国際人権規約に觝触する行為だ。人権尊重のOECD34カ国中31カ国では高校授業料は無償。人権重視し学ぶ意思のあるすべての子どもに就学保障の前提を持っているなら朝鮮学校除外は不適。所得制限などは人権侵害を進める政策だ。安倍首相は『世界で通用する子どもの教育』というフレーズを使っているが、実際にやっていることは『世界で通用しない教育』をすすめようとしている、これは人権侵害だ」と痛烈に批判した。

 

 

最後に、「学力問題とは何か~ゆたかな学びを保障する教育とは~」と題して、鈴木 敏正・北海道大学名誉教授が、「学力低下の原因は子どもの貧困による学ぶ意欲低下。所得格差で排除された結果として見える形が学力の低下。学習からの排除。学力テストで点数を上げる政策は、まったく対応政策になっていない。『世界で通用する人材創り』にも貢献しない。教師を評価するツールとしての学力テストは本末転倒だ」と述べた。

その後、行動提起、集会アピールを採択した。