4月5日、札幌市・自治労会館で、札幌市公契約条例の制定を求める会が主催し「公契約条例集会」が開かれ、およそ300人が参加した。
開会あいさつの後、労働、報道、学者の、それぞれの立場から、この1年間の公契約条例の取り組みや、なぜ公契約条例が再び継続審議になったのか報告があった。
札幌地区連合の平野事務局長は、市や議会の動きなどを報告し、「札幌市が総がかりで条例制定にむかっていたか、と言われれば疑問が残る。何より、市や議会が業界対策に捉われ、現場の労働者の声を取り上げる体制ができていなかったのが問題だ」と述べた。
【札幌地区連合・平野事務局長】
北海道新聞社の長谷川さんは、すでに条例が制定された全国の都市と札幌市について比較し、「条例案をつくる過程でも、審議の過程でも、議論がほとんどなかったのが問題。業界団体の対応などはあるだろうが、市民に開かれたところで議論されなかったので、市民の関心が希薄なものになってしまった」と、札幌市の問題点を指摘した。
【北海道新聞社・長谷川さん】
北海学園大学の川村准教授は、この1年間の活動の総括と分析を述べ、「官製ワーキングプアということが取り沙汰されている昨今、発注者として市の職員は何を感じてきたのか?議会は現場労働者のための議論をしてきたのか?マスコミは市民が興味をもつような報道をしてきたのか?さまざま疑問は残る。しかし公契約条例が必要であるという状況は何ら変わっていないのであり、『あらためて、みんなでつくろう、公契約条例』という気持ちで今後も取り組みたい」と結んだ。
【北海学園大学・川村准教授】
その後、3つの組合から、現場の訴えがあり、最後に札幌市公契約条例の制定を求める会代表の伊藤弁護士は、「また継続審議となってしまい、皆さんの意識も遠のいてしまったかと思ったが、そうではなかった。会派や業界などさまざまな意向はあるだろうが、市民の総意となるような世論を喚起しなければならない」と、集会を総括した。