3月21日午前、安倍政権は、共謀罪を要件とする「テロ等準備罪」を新設する法案の閣議決定を強行した。「戦争をさせない北海道委員会」は、この安倍政権の暴走に抗議するために、同日に共謀罪に反対する緊急の総がかり行動を開催した。

 札幌市・大通西4丁目で行われた「総がかり緊急行動」で、北海道平和運動フォーラムの長田代表は「この共謀罪は、人権侵害・監視社会につながるものであり、断じて容認できるものではない。慢心の怒りを持って強く抗議し、直ちに撤回を求めようではありませんか!」と集会に集まった約250人の市民を前に訴え、「共謀罪は、捜査機関の裁量で拡大解釈され、一般の市民・団体も対象となりかねない危険性を含んでいる。かつて、戦前・戦中に猛威を振るった治安維持法は、一般市民とは関係ない法律として制定された。しかし、運用段階で対象が瞬く間に拡大され、一般市民も対象となり、国民の自由を奪い、戦争に反対する思想や意見を封じ込めたことを繰り返すことにつながる。2013年の秘密保護法、2015年の戦争法、そしてこの共謀罪ができれば、反権力、とりわけ安倍政権がすすめる憲法改悪・原発再稼働、辺野古新基地建設などの反対運動に対し萎縮が生まれる。この言論封じこそが、安倍政権の狙いだ」と述べた。

 また、「ユニキタ」の宮内さんからは「テロ対策はいまある法律で十分対応できる。この共謀罪は、考えただけで、計画しただけで罪になる。この法案の一番の目的はテロ対策ではないと思う。今の政権がやっていることに反対する人たちを、押さえつけて『NO』と言わせないためにこの法律は作られるのだと思う。この法律は、捜査機関が怪しいと思えば、私たち個人の通信履歴やメールやLINEのやりとりが勝手に見られることになる。私の知らないところで、私の知らない人が、私のLINEの履歴を見ている。すごく気持ち悪くないですか?私や他の人たちのプライバシーを踏みにじり、憲法の保障する人権を踏みにじる最悪の法律だと思う。閣議決定すれば、全て自分達の思い通りになると思ったら大間違いです。絶対に共謀罪を廃案に追い込みましょう。私は反対の声を止めるつもりはありません」と若者の立場からの発言をした。
 最後に、北海道平和運動フォーラムの清末代表が決意を表明し本集会を終えた。集会後は、大通西4丁目から札幌駅前通りを「共謀罪」の危険性を訴えながらデモ行進をおこなった。

 なお、3月24日(金)18時から、「戦争をさせない北海道委員会」と北海道平和運動フォーラム主催の憲法問題連続講座(共謀罪)が開催される。詳しくは、北海道平和運動フォーラムのホームページをご覧ください。

 あわせて、「フォーラム平和・人権・環境」から「共謀罪の閣議決定に対する抗議声明」が発出されましたのご案内します。→「組織犯罪処罰法改正案」いわゆる「共謀罪」の閣議決定に対する抗議声明