東日本大震災から2年目の3月11日(月)、道南地域平和運動フォーラムは、全国の1000万人集会に連鎖した取り組みとして、福島県双葉郡の医療を良くする住民の会代表・遠藤陽子さんを講師に招き、『「原発事故が起きたとき、住民はどう行動したのか」~現在、そして課題は~』と題した講演会を開き、平日の夜で悪天候にも関わらず会員・一般市民約300人が参加した。
講師の遠藤さんは,震災当時,警戒区域で帰宅困難区域の双葉町に居住しており、原発事故が発生してから情報が隠蔽されながらの避難をはじめ、当時のようすを刻々と語った。 また、原発事故後、報道されていない事実として避難先の仮設住宅での孤独死が多発していることや実施中の健康調査の中で発見された子どもの甲状腺がんについて、『原発事故とがん発生の因果関係はない』との見解を示すように県が主導し検討委員会の委員に秘密裏に持ちかけていたことなど、東電の補償に対する対応も含め、原発を巡っては依然として閉鎖的で様々な利権が渦巻いてる実態を語った。また、「民主党政権だったからなんとか避難できたのではないか。自民党政権だったのならば放射能の影響はないとして避難することなく、閉じ込められて、口封じのために殺されていたのではないか」と述べた。
政権交代で,原発推進に再度舵が切られようとしている。民主党政権下で行ってきた2年間の脱原発運動だが、この2年の運動は追い風の中での運動だった。この運動を総括の上、確実に脱原発社会の実現にむけるためには、新たな視点からの運動を展開する必要があるのではと考えさせられる講演会だった。