8月16日、札幌市・自治労会館で「戦争法案」を廃案へ!不戦の日!8.15北海道集会を開き、200人が参加した。
主催者を代表し北海道平和運動フォーラム・江本秀春共同代表は「戦後70年談話での安倍首相の発言は第三者的で、実に空虚。この国をどのようにしたいのか分からない言葉を並べているだけだ。また、彼が守ろうとする日本精神とは戦前の富国強兵と天皇崇拝を意味しているのではないか。安保法案と安倍政権に対し私たちが今後何をすべきか確認し合う集会にしよう」とあいさつした。
横路孝弘・衆議員議員は「日本国憲法と安全保障をめぐる情勢」と題し、講演した。
横路さんは日本国憲法が制定された経過について触れ「マッカーサー草案やGHQ草案、憲法草案があるが、(当時の日本の国家主義的な状況を考慮し)最終的には大きく『戦争放棄』『男女平等』『国会の二院制』『天皇の象徴制』が盛り込まれることになった。また、憲法9条においては(国際関係を考慮し)、軍事介入をしないことを盛り込んでいる。さらに日本の貧困状況から社会保障制度の根幹である生存権を25条に規定し、誰でも平等に教育を受ける権利として義務教育について明記された」と説明した。また、終戦当時からの問題点について「東京裁判では戦犯を確定したが、満州事変、特攻、人体実験など戦争で起きた問題について一切総括を行なっていないため、これらに関わった者が何ら裁きを受けていないことが問題だ。このため、こうした過去の問題を隠すように、表面化させない動きが全国的に見られること自体問題である」と指摘した。また、今回の安全保障関連法案について「安倍首相は戦争に巻き込まれることは絶対ないと言っているが、紛争地域に危険も安全もない。日本が他国の軍事行動に加担すれば間違いなく敵と見なされる。また、現在の日米同盟の強化と称して、この間の自衛隊の動向を考えると、明らかに日本は戦争の準備に入っている状況にある」と情勢について言及した。最後に「憲法9条が戦争しないための『抑止力』として果たしてきた役割は大きい。そのことは世界でも評価されているし、海外でも日本人は信頼されている。日本はやはり非軍事的な活動を続けるべきだ」と呼びかけた。
その後集会アピールを、北海道母と女性教職員の会連絡協議会・内藤久恵さんより提案し、平和と民主主義を求める労働者・市民との連帯を一層強め「戦争法案」の参議院段階での廃案をめざすことを全体で確認した。