戦争をさせない北海道委員会は6月20日、札幌市・大通公園西8丁目広場で「戦争をさせない北海道大集会」を開き、市民ら約5500人が参加した。オープニングにはシンガーソングライターの辻正仁さんによるアコースティックライブが行われ、その後の集会では、戦争をさせない北海道委員会の「呼びかけ人」が舞台上で発言し、「戦争関連法案反対」を訴えた。
岩本一郎・北星学園大学教授は「今、人類に必要なのは、戦争による暴力ではなく、世界中の人々と友人になることだ。『隣人が優しい』という小さな気づきを積み上げ、手を取り合い、平和を生みだそう」と述べた。
麻田信二・北海道生活協同組合連合会会長理事は「憲法は『自分だけ良ければいい』という考えを抑制するものだ。米国に追随し、武力行使しようとする今回の戦争法案は、この平和憲法の存立を脅かすもの。平和のための戦争などない。廃案に追い込むため、ともに頑張ろう」と呼びかけた。
山口二郎・法政大学教授は「戦争関連法案に関して安倍首相からのまともな説明もなく、もはや議会政治は崩壊している。安倍首相は憲法解釈を変更し、平気で1+1を3にも4にもしようとしている。しかし、200人以上の学者が『戦争関連法案の違憲性』を主張し、世論が大きく動いた。世論がさらに動けば野党を動かし、それがメディアを活気づかせ、与党にまでも影響を与えることができる。『岸信介の恨みを晴らすような暴挙』は返り討ちにしよう」と主張した。
作家・活動家の雨宮処凛さんは「このまま戦争する日本になれば『経済的徴兵制』もリアリティを帯びてくる。文科省主催の『学生への経済的支援の在り方に関する検討会』で出席者から、奨学金延滞者を警察庁・消防庁・防衛省などで1-2年のインターンをさせる提言も出ている。『貧困の先に戦争がある』ということを痛感している。」
結城洋一郎・小樽商科大学名誉教授は「今回の戦争関連法案を廃案に追い込み、平和な社会をこれからの世代に引き継ごう。そのためにも、われわれは努力することをあきらめてはいけない」と述べた。
さらに、ゲストとして半田滋・東京新聞編集委員が参加し、「世界中でテロが起きているが、戦争関連法案がとおれば日本もテロの危険にさらされる。また、安倍首相は『自衛隊員のリスクなど増えない』というが、活動範囲の拡大は間違いなくリスク増につながる。イラク派兵の際も自衛隊員の安全配慮義務など果たされておらず、事実、イラク派兵後の隊員のうち26人が自殺した」と現実的な危機感を示した。
その後、参加者は、赤と青のボードを交互に掲げながら「戦争はさせない」「憲法違反は許さない」などと声を上げメッセージボードアピールを行い、札幌市内中心部から中島公園までの約2キロをデモ行進した。
【デモ行進のようす】