5月28日13時、岩手県盛岡市・盛岡グランドホテルで自治労第149回中央委員会がはじまった。

氏家委員長は、はじめに、東日本大震災の復興についてふれ「震災から4年以上が経過しているが、なお20万人以上が避難生活を強いられている。復興に向けた行財政運営に支障をきたすことのないよう、政府・政党などに求めていく」と述べたうえで、「被災自治体が抱える課題を内外に発信し、支援・連帯を続けると決意を述べた。

その後、当面する重点課題にふれあいさつした。

1点目に、大阪市の廃止と特別区設置の是非を問う住民投票について「地方自治を守る戦いと位置づけ、『大阪都構想』を阻止に追い込んだことは、大阪府本部をはじめ自治労の総力をあげた取り組みの成果だった」と強調した。

2点目に、民間の賃金・雇用と公務員給与をめぐる情勢について「2015春闘では、2年連続でベア・一時金などで前進回答が得られている。しかし、労働者全体の実質賃金は23カ月連続で減少し、円安による輸入材の高騰なども加わって、国民・労働者の多くは景気回復を実感できていない。全体の底上げをはかっていくためにも、2016春闘以降の地場・中小の賃上げを勝ち取っていかなければならない」と述べた。

3点目に、雇用情勢について、「政府は『成長戦略』と称して労働者保護ルールの解体を推し進めようとしている。連合が進める国会前座り込みや街頭アピール、国会傍聴・議員要請など改悪阻止に向け、中央・地方から積極的に参画していく」と決意を述べた。

4点目に、公務員給与について「昨年人事院が勧告した「給与制度の総合的見直し」は、国公では4月から実施されている。単組では73%が見直しをすることになった。しかし、多くの単組で引き下げ幅の圧縮や現給保障期間の延長などの緩和措置を獲得したことは、全国統一闘争の設定や、粘り強い交渉の結果である」としたうえで、「見直しを行っていない府県・政令市へ総務省から圧力をかけてくることが予想される。政府に対して、自治体の自己決定を尊重するよう強く求めていく」と述べた。さらに、「今年の人事院勧告およびその取扱いに関して、強く警戒しながら、人事院・総務省対策、人事委員会・都道府県等の対策を強化する」と述べた。

5点目に、集団的自衛権行使を含む安全保障関連法案について「安倍首相・防衛大臣は『米国の戦争に巻き込まれることはない』と明言しているが、国民を欺瞞するものであり、無責任と言わざるを得ない」と批判した。また、「今回の法案はまさに立憲主義、国民主権をないがしろにするものだ。各種世論調査が示す通り、国民の多くが集団的自衛権の行使、そして今国会での法案成立に反対している。戦後安保政策の大転換である法案をこの国会で強行することは断じて許されない。多様な世論を中央・地方で巻き込み、安倍政権の暴挙に対して反対の声を結集し、法案の阻止をめざそう」と呼びかけた。

最後に、政治課題について、「法と立憲主義を無視する、安倍政権の暴走に歯止めをかけるためには、運動と政治の再構築をはかっていかなければならない」と述べたうえで「昨年の大会で決定した『新たな政治対応方針』に基づき、『中道』『リベラル』結集の取り組みを進めなければならない。その具体的な取り組みが4月の統一自治体選挙、来年の参議院選挙だ」と強調した

また、「統一自治体選挙では、自治労は組織内・政策協力候補合わせて263人の当選を勝ち取った。しかし、「一強多弱」の政治は打破するには、自治労は何としても、次期参議院選挙で結果を出さなければならない。組織が一丸となって、自治労の代表として「えさきたかし」必勝を勝ち取ろう」と述べた。

この中央委員会は、「当面の闘争方針」などを決定し、明日5月29日に終了する予定。