民主党北海道は11月15日、札幌市・ホテルポールスター札幌で「シンポジウム『働く人を守るために』~ワーキングプアの実態と労働法制改悪法案の問題点」を開き、約100人が参加した。

はじめに、主催者を代表して、徳永エリ参議院議員が「大義なき解散総選挙の流れがつくられている。選挙になれば、アベノミクスの失敗を広く国民に訴えていく。今の政治を認めれば恐怖政治が継続される。労働者派遣法は来年にまた提出される。廃案になっても安心はできない。改めて思いを一つにして、生活者・働くもののための政治を構築するため奮闘する」と述べあいさつした。

 

 

 

 

その後、「ワーキングプア(非正規雇用)問題への取り組みと労働法制改悪法案の問題点」と題して、加藤敏幸・参議院議員(民主党非正規雇用ワーキングプア対策本部・副本部長、「働きがいのある人間らしい仕事」推進協議会座長)が講演した。

加藤参議は、民主党調査に基づく非正規雇用労働者の現状と課題、労働者派遣法の成立から規制緩和で正社員が派遣労働者に拡大してきた歴史、連合・労働福祉団体の取り組みと連携の必要性を述べ、「ディーセントワークの意味は人間らしく働くこと。それは労働条件が守られてはじめて実現する。自殺者が3万人いると言われているが、自殺のベース(原因)として雇用問題が大きく関係している」と述べた。また、「格差といってもさまざまな格差が存在している。非正規で多い課題が、セクハラやパワハラ。非正規にそれが集中している。正規だからといって人間らしいというわけではないが、非正規の問題は正規に通じる課題として認識すべき」と強調した。さらに、「労働福祉団体は困っている人を救済するのが原点。困っている人たちを救済するための制度を構築するべき。連合と民主党の間では、さまざまな課題はあるが、お互いを尊重し合って連携をはからなければ、国会で課題を議論するところまで行き着かない」と述べた。

その後、参加者との意見交換では、「年収15万円で働いている。生活ができない。最低賃金を東京都並みに引き上げてほしい」「ハローワークの能力開発機構は単にお金を出すだけ。実質的な就労支援にはほど遠い」「自治体の保育士は、正規と同じ働き方だが処遇が違う。最賃ラインを決めて、非正規でも正規並みの処遇を確保することが必要」「最低賃金は、単に生活保護との収入額を比較するのでは意味がない。収入と支出を比較しなければ、働くことで損をしてしまうという結果になる」といった意見が出され、課題を共有した。