安倍政権が、「集団自衛権行使容認」を閣議決定したことに対し、北海道平和運動フォーラムは7月1日、札幌市・大通西3丁目で「緊急街頭抗議行動」を開き多くの市民らが参加した。
はじめに、参加者全員で、「安倍内閣は集団的自衛権行使容認を撤回しろ」と怒りのシュプレヒコールを上げた。
中村代表は「歴史的な暴挙に安倍政権が及んだ。断固糾弾しなければならない。菅官房長官が国民の理解を得ていると発言。完全に国民を馬鹿にしている」と痛烈に批判した。さらに、「閣議決定されたからといって終わりではない。法的に何の根拠もない。この抗議集会を『安倍の暴挙を絶対に許さない』と国民が決意した日にしよう。安倍政権は『権力』はあるが、私たちには『権利』がある。彼らを今後、国政から地方から引きずり降ろすため、行動を始めよう。私たちと心を同じくする仲間と手をつないで、絶対にあきらめないでたたかおう」と呼びかけた。
小川勝也・民主党北海道副代表は「閣議決定は、決して許されるものではない。どれだけの国民が重大性や内容理解しているか甚だ疑問。安倍首相は、衆参の数の力を背景に、自分が考えたことはなんでも現実に移していいという錯覚に陥っている」と批判した。また、「この国は法治国家。法律的な成り立ちと憲法の大切さと価値を知友人に伝えてほしい。憲法は間違いなく国民のためのもの。選挙で選んだ内閣を間違った方向に逸脱させないために定めたのが憲法。集団的自衛権行使容認は明らかに憲法違反。民主主義にとって重大な転機だ。この時を忘れてはならない。悪い内閣は選挙で変えるしかない。選挙でしか奪い返せないことを共通認識に立とう」と呼びかけた。
最後に、「安倍首相は既に内閣総理大臣失格。憲法を守らない内閣総理大臣は失格。今日は安倍首相が憲法遵守義務違反をたかだかに宣言した日。一日も早く安倍首相を倒すことを誓い合った日にしよう」と訴えた。
北星学園・岩本教授は「もう一度憲法の条文をかみしめてほしい。98条で『憲法に違反する、国務に関する一切の行為は無効』と定めている。天皇の公式の言葉すら無効になる。いち内閣の閣議決定などは当然無効になって当たり前。いち内閣の意見表明であって法的効力はない。国防義務、海外派兵も閣議決定のみで根拠づけられることはない。しかし、いまの日本は戦後ファシズムに近づいている。ファシズムとは『ウソとごまかしと詭弁』によってある人間を追い詰め、最後には死に追いやるという体制のこと。自分に都合の良いように社会を導こうとする。それがナチスだった。日本もそれに近づいていることを実感しなければならない」と強調した。
さらに、「憲法前文と13条が集団的自衛権の根拠になるわけはない。国際法は集団的自衛権行使の根拠になるということが言われているが、まったく理解できないが、これは集団的自衛権の全面解禁に向かうための鍵がある。しかし、国際法は国内法がなければ意味がない。安倍が閣議決定したところで、自衛隊一つ動かすことは出来ない。今後この閣議決定の法整備をやってくるだろう。ここで踏ん張れるか、私たちの覚悟が問われる」と述べた。
最後に、「憲法が制定され67年間、私たちはいくつかの困難がありながらも、9条を守ってきた誇りがある。守ることが出来ると確信している。一緒に9条と平和主義を守ろう」と呼びかけた。
その後、札幌市内をデモ行進した。
◆デモ行進のようす