連合北海道・食みどり水を守る道民の会は3月26日、札幌市・ポールスター札幌で「連合北海道TPP問題学習会」が開かれ、約100人が参加した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岡島・連合北海道副事務局長

主催者を代表して、岡島・連合北海道副事務局長は「春闘の中間報告について、今季はベアアップを目標に取り組んでいるが、昨年比260~470円増という状況。日本政府はTPPが労働分野に及ぼす影響は『まったく無いので心配ない』『ILO基準にも準拠している』とアピールしている。また移民に対する規制緩和も打ち出している。TPPの労働分野に及ぼす影響は本当に無いのか、この学習会をとおして感じてほしい」と述べあいさつした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食みどり水を守る道民の会・村上副会長(全農林)

食みどり水を守る道民の会・村上副会長(全農林)は「TPPについては、各国の利害が対立しており、平行線のまま先送り状態にある。日本政府は『交渉内容は守秘義務』を楯に取って内容を見せない。TPPは農業分野だけでないことをこの学習会をつうじて感じてほしい」と述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杉島幸生・弁護士

その後、「TPP問題と労働」と題して、杉島幸生・弁護士(大阪弁護士会)が講演した。

杉島弁護士は、「安倍内閣は企業が最も活動しやすい国をつくるため、解雇規制緩和、残業代ゼロ、派遣法緩和、限定正社員、解雇の金銭解決など、雇用維持から労働異動型にしようとしている。TPPは、こうした流れの一環として議論されている。日本の財界は、外圧としてTPPを利用するだろう」と述べた。TPPによる労働市場への影響について「北海道では農業減退し、農業関連分野での失業(17万人)。これを吸収できる分野はあるかが課題。公共事業はすべて公開入札で地元企業優先は許されない。地方自治体による地域振興も多国籍企業の利益を阻害するものは許されない。労働者共済事業も多国籍企業の利益を阻害するものは許されないだろう」と述べたうえで、「TPPは国内法よりも優先され、TPPに違反する法律・条例・規制は制定できない。TPP発効後4年間は交渉内容は公表できないし、多国籍企業の利益確保に都合の悪い情報は公表されない」と述べた。

最後に、「TPP問題について、全国的に労働組合は非常に消極的だが、連合北海道のような取り組みは重要であり、引き続き課題を分析してさまざまな取り組みを実践することが重要だ」と問題提起した。