連合北海道は10月29~30日、札幌市内で第26回定期大会を開き、向こう2年間の運動方針を決定し、工藤和男会長をはじめとする新たな執行体制を確立した。

自治労からは、引き続き事務局長に出村良平さん、執行委員として組織労働局長に永田重人さん、青年委員会に瀧口和成さんが選任された。

大会には、連合本部から木村副事務局長、行政からは、山谷北海道副知事、上田札幌市長、政党からは、民主党北海道・勝部幹事長、社民党道連・道林代表、道議会議員・国会議員秘書、北海道農民連盟・山居書記長、北海道労働者福祉協議会・髙柳理事長をはじめ労働福祉事業団体、高齢・退職者団体連合、各友誼・友好団体や顧問らが駆けつけあいさつした。

 

 

 

 工藤会長は、「東日本大震災から、2年半が経過した。道内には被災県から2787名(10/10日現在)の方々が避難されている。大震災のことの甚大さ、そして被災者の生活再建と被災地の復興・再生の道のりは、まだまだ遠いことを改めて認識せざるを得ない。震災を決して風化させないよう、震災を忘れない、被災地・被災者の心の声に耳を傾けることを繰り返すことで、私たち一人ひとりの思いが大きな力になっていく。引き続き、被災地の地方連合会および連合本部と連携し支えていく取り組みを進める」と強調した。また、「JR北海道の事故に関する所見について、JR北海道および当該の労働組合に対し、①労使一体での再発防止、②運行体制の見直しと安全・保安対策実施、③安全投資に努められたいと三点の申し入れを行い、鉄道の安全確立に向けた取り組みを一層強化され、一日も早く信頼を回復されることを期待する」と述べた。

その後、2つの考えについて述べた。

1つは、働く者の置かれた状況と地域からの運動について「道内の状況はではアベノミクスによる金融・経済政策は数値的には上昇傾向を示しているものの、実態経済として道民や働く者に波及していない状況にある。

また、政権・与党は「解雇の金銭解決制度」・「労働時間規制の見直し」の検討など、労働者保護ルールのあり方に関する論議を再び活発している。こうした動きを阻止するために、5月に「ストップ・ザ・格差社会 暮らしの底上げ実現」キャラバンを全道展開しきた。明日、特別決議で提案いたしますように、本定期大会を起点として、「キャンペーン第2弾」の取り組みをスタートさせる。

来年の春季生活圏闘争では、底上げにこだわり、月例賃金にこだわる取り組みを展開する。定昇・賃金カーブ維持相当分(約2%)の確保はもとより、賃上げ1%以上(過年度物価上昇+α)に加えて、格差是正分(配分の歪みの是正・1%を目安)を積極的に求めるとする、2014春季生活闘争方針案を確定し、すべての構成組織の取り組みとする」と訴えた。

2つめは、政治情勢と課題について

「民主党が、昨年末の総選挙、7月の参議院議員選挙で歴史的な敗北を喫した。民主党に対する信頼が回復していないこと、失った信頼は容易に回復出来ないことを明らかにした。民主党には改めて危機感を共有し一致結束して、相当な覚悟と努力で党の再生に全力で取り組んでほしい。

政府与党は「集団的自衛権の行使」「国家安全保障会議の設置」「特定機密保護法案」など、憲法の立憲主義と平和主義、主権在民、基本的人権の尊重という憲法の原則を根底から揺るがす動きを強めている。

また、連合本部ではエネルギー政策の見直しが行われ、昨年9月、「新たなエネルギー政策」を策定した。連合北海道も、原子力エネルギーに依存しない社会をめざすための課題と共通認識の拡大を図るため、エネルギー・環境政策委員会のもとで、2011年10月から論議を行ってきたが、本大会では「第Ⅰ期のまとめ」として整理したこの間の取り組みの到達点と第Ⅱ期に向けた課題について報告する。最終的に、原子力エネルギーに依存しない社会を目指し、将来的な「脱原発」を実現するために、引き続き第Ⅱ期の取り組みに向けた産別・地協の協力をお願いする。

連合の政策実現に向け、民主党を主軸に、中長期の展望を持って、生活者や働く者の目線に立つ勢力による政治勢力の再構築を図り、二大政党的体制を目指していくことが必要だ。今一度、労働組合の政治闘争の意義について、職場第一線における組合活動を通じて、理解を得る活動を行う。

知事選挙を頂点とする、道政奪還に向けた統一自治体選挙は三連敗している。敗因の一つでもある「候補者選考作業の遅れ」などの総括を踏まえ、北海道政権戦略会議において、道政の転換、道議会過半数獲得、上田札幌市政の継承発展、市町村議会での議席拡大、道政運営検証チームの設置などを中心とする「基本戦略」について確認した。  

現在の政治体制や民主党を取り巻く厳しい情勢の中で、多くの道民と向き合う中で、幅広い協働・連携を強化し「21世紀をどう生き抜いていくのか、夢と希望の持てる北海道の確立」に向けて、連合は内外の関係組織と連携の下、諸準備を加速していく。構成組織および各界の皆さんのご協力をお願いする。

最後に、「取り巻く環境は決して予断を許さないものがあり、今後とも様々な課題に直面しますが「ストップ・ザ・格差社会! すべての働く者の連帯で『安心社会』を切り開く」ことに思いを込め、新たな運動をスタートする大会と位置づけ、その決意を固め合う大会としよう」と呼びかけた。

 

来賓の上田市長は、「上田市政の誕生から10年、これまでご理解いただいていることにお礼申し上げる。厳しい情勢のなかで、声をあげられる組織を持ったみなさまが社会を変えていけることに誇りを持っていただきたい。『集団的自衛権を認める』ということに、対抗する議論がしきれていないことに大変もどかしい気持ちだ。憲法9条がなくなってしまったら、いったい憲法に何が残るのでしょうか?戦後わたしたちが守ってきた憲法。9条がなくなってしまったら何の中身もないものになってしまう。発言できる人、発言のできる能力のある集団が必要になってきている。意義を述べる・正義を語るという力をつけ発言していくことが大事だと思っている。 『正義は我にあり』と私は信じている。ぜひ、みなさまのお力をちょうだいしたい。労働運動だけではなく、平和運動にも連合は取り組んでいる。私たちがゆたかに生活できる社会に、平和に暮らせる日本にしていくために取り組んでいく」と訴えた。

 

 

また、連合北海道国会議員団会議 小川会長は、 「あつい厳しい夏のたたかい、全道のみなさまのおかげで国会に戻ることができました。民主党、本当に厳しい衆参のたたかいでした。民主党は大きな役割を果たしていかなければならない。2007年からねじれ国会、与党を経験した民主党だからこそできることがある。安倍政権のやろうとしていることに、背筋が寒くなる思いです。少なくなったがまだ議席はある。働くみなさんとともにたたかっていく決意です。しっかりとたましいを持ってたたかいを進めていく議員団です。1年半後の統一自治体選挙、連合のみなさんのお力添えをお願いする」と呼びかけた。