2012年03月21日
公契約条例って何?制定を突破口に第1歩を踏み出そう!
現在、札幌市議会で審議されている「公契約条例」について3月13日、札幌市公契約条例の制定を求める会が自治労会館で「札幌市公契約条例を考える市民集会」を開いた。
集会には市民ら300人が参加し、公契約条例って何なのか?いまなぜ公契約条例が必要なのかを学び議論を深めた。
集会にあたり、上田市長が、「公契約条例の制定は地域経済の循環・活性化に結びつく、活発な議論で条例の意義を広く訴えていただきたい」とするメッセージがあった。
公契約条例について正しい理解と関心を持ってもらうため、制定を求める会の事務局長の亀田茂春弁護士は、基調報告で『公契約条例ってなに?』と題し、「札幌市の一般会計建設事業費が10年間で50%に減少、低価格入札で事業者の経営を圧迫し、人件費の削減、賃金の低下により、官製ワーキングプアを生みだしている」と述べ、入札制度の改革や公契約条例の制定で、公共事業や委託業務、指定管理者などの公共サービスで働く人たちの賃金の下限額を設定し、札幌市の公契約条例(案)第1条のとおり、誰もが安心して働き、暮らすことができる地域社会の実現を訴えた。
また、『今、なぜ、公契条例か?』と題して、コーディネーターに弁護士の渡部達生さん。パネリストに、北海学園大学経済学部の准教授の川村政則さん、札幌地区連合事務局長の平野博宣さん、全印総連札幌地区連書記長の川原烈夫さんの3人がパネルディスカッションをした。
川原さんは、「印刷業界は91年をピークに売り上げが減少、近年のネット激安でさらに業績が悪化し、人員の削減や賃金抑制、さらに、以前にはなかったクレーム対応で業務が増えた。公契約条例の制定で風穴を開け、働くルールを確立させる経営者の努力が社会に反映されることも必要だ」と話した。
平野さんは、「公契約条例の制定は2002年から札幌市へ要求している。上田市長の公約でもあるが、企業側が適正な運営ができるようにするものでもある。『安ければよい』と言う感覚を変える必要がある」と強調した。
川村さんは、「出発点は確認し共有すること。条例の制定にがんばりたい理由は、条例が地域におけるルールを設定することにあるからで、札幌から貧困をなくそうと思えばできるからだ。公契約条例は求めていくが、それだけでなく、地元企業に受注を受けさせ、地域経済の循環も含めて考えなくてはならない」と訴えた。
参加者からは、「児童会館では、大変な労働条件で働いている、事態を深刻に受け止めてほしい」。
また、市役所で警備員業務していた方は、「毎年入札のため、グビが切られる心配からいい仕事が出るわけがない」など、意見や感想があった。
最後に、伊藤代表は、「公契約条例は特効薬ではないが1つの有効な手段だ。公契約条例を制定を突破口に、札幌は問題の取り組みを開始したことを全国に発信し、第1歩を踏み出そう」と呼びかけた。