2012年02月18日
原発をなくすには生活のくふうと覚悟が必要=さようなら原発1000万人アクションIN北海道
集会後のデモ行進。左から、鎌田慧さん、倉本聰さん、宍戸隆子さん、麻田信二さん(クリックすると大きく表示されます)
2月18日、札幌市・かでる2.7で「全国一斉・さようなら原発1000万人アクションIN北海道」が開かれ、市民団体・労働組合などから会場に入りきれないほど脱原発を願う人々が集まった。
はじめに、同アクションの呼びかけ人である、小野有吾(北海道大学名誉教授)、麻田信二(北海道生活共同組合連合会会長理事)、倉本聰(脚本家・劇作家・演出家)が発言した。
小野名誉教授は地震・断層の研究をしていた見知から「日本は4つのプレートがぶつかっており、原発を開発した諸外国とは違う。原発は人がコントロールできないものだ。事故が起きないうちに廃炉にしなければならない」と述べ、幌延など放射性物質を持ち込ませない運動の展開を訴えた。
つづく、麻田信二北海道生活協同組合連合会会長理事は、「私たちは科学技術がすべてを解決してくれると勘違いして、『安全神話』が作り上げられ、地震大国日本に原発がつくられてしまった」と述べ、「北海道には、太陽光・風力・水力・バイオマスなど無限に資源がある。子ども達のために持続可能なエネルギーをつくることが大切。食料の問題、環境の問題は国民一人ひとりが考えること。私たちの生活そのものを考えなければならない」と強調した。
また、「今年は、世界協同組合年。その理念である一人は万人のため、万人は一人のための協同組合主義が大事だ。脱原発を訴えるのは、核兵器廃絶・国際平和につながると思う」と述べた。
作家・倉本聰さんからは、「太陽の核融合を真似ればエネルギーをとれるのではないか?という議論が独り歩きし、ある意味、神の領域に入ってしまった」とこれまでの経過を話した。また、「グローバル資本主義のなか。経済優先ですすめられている現在、景気に振り回されているうちは原発をなくすことはできない」「『さようなら原発』を言うには、自分の生活のくふうでエネルギー消費を縮小しなければならない」と述べ、「企業や、北電、国をせめるだけではだめだ。原発をなくすには自身の覚悟が必要だ」と強調した。
「さようなら原発1000万人アクション」の呼びかけ人である鎌田慧さんは、「いま、原発を維持しようとする人と原発を嫌だと思う人の対立点がハッキリと見える。嫌なモノを押しつけるため、ホッペタを札束で叩いて原発を作ってきた」と述べ、「戦艦大和」が天皇のために命をかけたことを引き合いにだし、「福島の人が被曝した。何の為の犠牲かを私たちはしっかりと考えていかなくてはならない」と訴えた。
また、「人の少ない所に原発をつくり、電力を東京に持ってくる。無駄なことを考えているが、国の政策で多額の金が投入されたからできるもの。自民党政治が押しすすめたものを民主党でも残念ながら引き継いでいる」とし、「原発は核武装の基盤であり安保体制を維持するためのもの」と原発の不効率と当時の政府の目論みを話した。
「人が死んでも関係ないという経済優先の社会はおかしい。これまで本気で反対してこれなかったことを反省し、いま、本気でやっている。署名も400万しか集まっていない。現在多くの団体に呼びかけを行っている。今後の予定として10万人集会を代々木公園で開催する。労働組合の動員じゃなく、一人一人が原発を止めようと立ち上がることが必要。1000万人署名とあわせて成功させる。みなさん一緒にがんばりましょう」と訴えた。
現地報告では一年前の状況として、飯舘村・愛澤卓見さんから「地元では情報もなく、沿岸部のマチの心配をしていた位だが、15日にテレビをみてから、自分が被曝をしていたことを認識した。現地には情報がまったくなかった」と当時の状況を語った。その上で「もし、泊原発で事故が起きたら、札幌も大きな被害がでる。その時適切に動くことができると思いますか?しっかりした指示がどこからかあると思いますか」と参加者に問いかけた。さらに、「この1年間、原発事故の保障もないなかで暮らしているのが現実だ」と訴えた。
また、事故直後から子どもと札幌に避難している福島県伊達市の宍戸隆子さんは、「私たちの心にはいつも被ばく恐怖、不安がある」と述べ、「いつまでこの状態なのか、いつ福島に帰ることができるのかと、悩み苦しんでいる」と話した。その上で、「泊原発事故が北海道で起きれば同じような体験をすることになる。もし、泊なら?と考えたことがありますか?」と呼びかけ「明日は我が身だと考え、泊をとめてほしい」と強く訴えた。
集会後には、札幌市内を参加者約1000人がデモ行進し、「日本に原発はいらない」「原発がなくなるまでがんばろう」とシュプレヒコールを行った。