2011年01月20日
教育に自由な考えをつくろう=教職員に誇りと勇気を
教育シンポジウム「いま教育で何がおこっているのか。教育に自由な討論をよびかける―教職員に誇りと勇気を―」が、1月19日、札幌市内のホテルで開かれ、約300人が結集した。
コーディネーターに、北海道教育大学札幌校教授・宮田和保さん、パネラーに関西学院大学教授 野田正彰さん、東京大学教授 高橋哲哉さん小樽商大教授 結城洋一郎さんが、「なぜ国からの締め付けが厳しい実態が起きているのか」や、「教育現場に何が今必要なのか」といった現在の教育現場の実態が語られた。
はじめに、30人が名を連ねる「教育界に自由な討論をよびかける会」について説明した。
学校教育現場では、日の丸、君が代をを強要する実態や、北海道教育委員会が行う服務規律調査で教職員の管理が強化されている。
これは、「監視すること、処罰すること=監獄の誕生」にするものだとして、「教職員の自由な発言を聞き、教育に自由な風を送り、国家や行政機関ではなく、市民が責任を持つ教育をつくろう」と訴えた。
宮田コーディネーターが、「今、学校教育現場では、教職員が人格的に生徒と触れ合う機会や、教職員同士の話し合う機会まで締め付けられ、精神疾患・うつ状態により昨年度は全国で約5400人の休職者を出す事態になっている」と問題提起した。
パネラーの野田教授は、「地域で対話をつくることが重要、先生たちが働きやすい環境をつくらないければならない」と強調した。高橋教授は、「1999年の国旗・国歌法の制定から精神疾患の職員が一気に増えた」と指摘した。また、結城教授は、「多くの人と語ることを通じ教育を考えることが重要だ」と意見を述べた。
道教育委員会の調査について、コーディネーターが、「言論・思想の自由など憲法を無視した調査。ILOユネスコ勧告でも多くの指摘がされている」と問題提起した。
パネラーから、「教員同士話し合うことも一切ない。教育はコミニュケーションから生まれるものだ」や、「全体主義(ナチズム体制、スターリン体制の思想性)を教育現場に持ち込もうとしている。権力をすみずみまで行きわたらせるため、日の丸・君が代の強制だ」などの意見があった。
最後に、「教育に自由な考えをつくろう。地域との連携を強めていくことが鍵だ」と、まとめ集会を終えた。