2010年08月16日
戦争のない時代を築くために撮る=不戦の日 8・15北海道集会
8月15日、札幌市・かでる2・7で、北海道平和運動フォーラムと戦後60年・北海道行動実行委員会主催する不戦の日8・15北海道集会が開かれ、一般市民など150人が参加した。今年は、戦後65年を迎える節目の年でもある。
主催団体あいさつで、江本北海道平和運動フォーラム代表は、「65年も経つと戦争の恐怖とか戦争を体験した方々が減ってきている。戦争そのもの、あるいは恐怖そのものが風化しているのではないかとも考えている。その意味でこの集会を継続して持つということは重要なことだ」とあいさつした。また、「テレビで見た、『昭和史』を書いた作家の半藤一利さんのインタビューの中で新鮮に残った言葉がある」と紹介した。
半藤さんは、太平洋戦争はなぜ起こったか?について「確かに、多くは軍部の暴走だと言われているが、決してそれだけではない。軍部の暴走を止めきれなかった政府・政治家にも責任がある。それよりも何よりも一番大きいのはいわゆるマスコミだと。マスコミの報道に駆られて太平洋戦争の道に選択していった世論、それこそが大きかった」と話していた。「“なるほど”と思う。そんなことをかみしめながら今後の運動を展開していきたいと思う」と述べた。
講師には、「辺野古を考える-戦争のない時代を築くために撮る-」と題し、藤本幸久さん(ドキュメンタリー映画監督)と影山あさ子さん(ジャーナリスト・映画プロデューサー)を迎え行われた。二人は、ジュゴンとヤンバルクイナがデザインされたシャツを着て登場した。
藤本幸久さんは、あいさつで、「65年前の戦争以降、日本とアメリカは違った道を歩んできた。日本は戦争をしない国、アメリカは必要な戦争は行う国。今も、イラク、アフガニスタンで戦争を行っている。そのため、毎年15万人の高校をでたくらいの若者が兵士として送られている。軍隊に入れば大学に行ったり、さまざまな教育が受けられると、貧乏な若者がターゲットにされている」と指摘した。
講演は、「海兵隊、沖縄、辺野古」をテーマに、海兵隊の訓練状況や北海道・矢臼別・韓国での訓練、戦場の記憶としてのインタビュービデオや、辺野古での住民の基地建設反対運動など、ドキュメンタリービデオを上映しながら、状況を説明した。
説明の中で、藤本幸久さんは、「海兵隊は、毎日人を殺す訓練をしている。アメリカ、矢臼別、韓国など、世界中どこでも戦争ができるようにだ。また、アメリカと自衛隊が一体化していることをよく考えてほしい。辺野古の新基地ができ、アメリカの出撃拠点として機能強化がされることで、日本の若者が戦争に行くことがないように、沖縄の、おじぃ・おばぁは、、長年反対運動を続けている」と話した。
また、影山あさ子さんは、元海兵隊員で、日本で1000回以上、戦争の悲惨さを証言し、日本に骨を埋めたアレンさんの思いを語り、声をつまらせた。
山田北海道平和運動フォーラム代表は、「8月15日は、日本で終戦記念日だが、韓国では日本から解放された日だとしている。世界で、日本だけが発展すれば良いのではなく、全世界が平和で、発展しなければならない。言い尽くされた言葉かも知れないが、『抵抗なくして平和なし、平和なくしてくらしなし』、さらに、憲法前文9条を世界に広げていかなければならない」とあいさつした。
※藤本幸久さんは、8月~12月まで「辺野古を考える」全国上映キャラバンで、自主上映を行う団体の募集もしている。


