組合用語集

  
 
  
 

アースデイ
地球の日。環境汚染などが進む地球を見つめ直そうと70年にアメリカで始まった市民運動。4月22日に世界各地で環境保全・保護などの様々な統一行動が行われている。
ILO
国際労働機構の略称。第1次世界大戦後(1919年)、国際連盟の機関として設立。第2次世界大戦後(46年)、国際連合の専門機関となる。国連加盟国の労働条件、生活条件引き上げについての基準としてILOの条約を定め、条約を批准した国に対して勧告を行うことを任務としている。
ILO100号条約
同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約EqualRenumerationConvention(1967年条約15)ILO100号条約
ILO111号条約
雇用及び職業についての差別待遇に関する条約。2000年8月現在、143カ国が批准しているが日本は未批准。雇用差別全般を禁止した条約。
ILO144号条約
政府・労働者・使用者の三者構成による、条約批准や条約などの適用状況について協議(三者協議)することを定めた条約。1976年に採択された。同条約の批准に基づく三者協議は、公務に関する条約を含め、他の条約を批准する上で重要な役割を果たすため、自治労は全労働者の課題として早期批准を要求し、2002年6月14日に日本政府が批准した。発効は12カ月後の2003年6月14日。
ILO149号条約(看護職員条約)
看護労働者の労働基本権、専門職労働者としての位置づけを明らかにし、それに関連して教育、訓練水準、制度のあり方を明記した条約。さらに看護婦の労働条件の向上にむけて規制基準を明確にしている。1977年に成立したこの条約の背景は、世界的な看護婦不足が国民の健康と福祉の危機として認識されたことにある。
ILO151号条約
この条約は、団体権、団体交渉権、争議権および市民権利の4つの側面からなるものである。自治労は、自治体職員のストライキ権の獲得という労働基本権確立の最終目標に至る中期的目標として、「団体交渉による賃金・労働条件制度の確立」を目指すために、同条約の批准と国内法の改正に力を注いでいる。
ILO156号条約
156号条約は、正式名称「男女労働者特に家族的責任を有する労働者の機会均等及び均等待遇に関する条約」。男女が平等に家庭的責任を担う法制の整備を進め、職業能力を発揮する環境を整える事を目的としたもの。日本は95年に批准した。
ILO165号勧告
165号勧告は、上記条約に関わって、国の施策、雇用条件、保育・家族に関わるサービス及び施設、社会保障等について基準を定めたもの。条約、勧告とも81年成立。
ILO87号条約
団結権保障を詳細に規定したILOの基本的な条約。この条約では、団結権が与えられないのは軍隊と警察に限られている。日本は65年に批准したが、国内法の整備が不十分である。
ILO94号条約(公契約条約)
公的業務の賃金など労働条件の保護をねらいとする条約。公的機関を一方の当事者とする労働契約などの契約内容は、関係ある産業の同種の労働条件などに劣らないものとする条項を含まなければならない。条項の内容ならびに変更は、権限ある機関が労使団体と協議したうえで、国内事情に適した内容で定められる。
ICFTU・国際自由労連
1949年に結成された。世界136ヶ国、194加盟組織、1億2,651万人を組織。ナショナルセンター加盟方式なので、日本からは、連合が加盟。「全世界の自由にして民主的な労働組合に組織される労働者を結集し、思想・言論・結社の自由、個人の諸権利の確認、国家の完全な自由と自治、自由な労働と経済民主主義、差別待遇や従属状態の一掃、全体主義や侵略との闘争、抑圧政治体制下の働く人々との連帯」に向けての活動を展開している。
アイヌ新法
日本の中の少数民族であるアイヌ民族の自立、人権擁護などのために制定を求めている法律。アイヌ民族については明治政府が「北海道旧土人保護法」を制定。実態を失っているその法律が、土地売買、譲渡の私権制限を残して「旧土人」という蔑称をそのまま現存させている。88年3月北海道知事が私的諮問機関である「ウタリ(アイヌ語で同胞の意)問題懇話会」の答申を受けて「旧土人法」の廃止と「アイヌ民族に関する法律」(アイヌ新法)の制定を政府に要望した。アイヌを民族として初めて法的に位置づける「アイヌ文化振興法」が97年5月、衆院で全会一致で可決・成立した。アイヌ文化の振興は国と地方自治体の責務であることを明文化した。
アイヌ文化振興法
本法によって、アイヌ民族の「保護と同化」を目的に1899年に制定され、差別的な呼称も含めて批判を浴びてきた「北海道旧土人保護法」など二法が廃止され、アイヌ民族政策はひとつの転換点を迎えることになった。しかし、法の中身は文化政策にほぼ限定されており、アイヌ民族が求めてきた先住民族としての権利の保障は盛り込まれていない。また、日本人がアイヌ民族に対して行ってきた侵略と同化の歴史への言及もない。このため、この法律制定はアイヌ民族問題の出発点にすぎないことを認識し、今後も「先住権」など民族の権利を求めていく運動を行う必要がある。また、本法では地方自治体に対し、アイヌ文化継承者の育成、広報活動、調査研究の推進などの振興施策を進めるよう義務づけており、自治体での実効性ある施策が求められている。
アウトソーシング
業務の一部を他社に委託することであり、外部委託と訳している。
アカウンタビリティー
説明責任と訳される。活動内容や判断理由を説明し、釈明する義務・責務を負うこと。行政は市民に対して、企業は株主に対して情報を公開し、報告を行う責任があり、NGOやNPOもまた、被援助者に対して、あるいは寄付者に対して同等の責任を有している。
赤字国債
財政法の規定がなく、その発行には特別立法が必要となるため特別国債ともいう。歳入不足を補てんするため65年度補正予算で初めて発行された。その後、第1次石油危機、バブル崩壊後は景気対策のための歳出増加と不況による税収不足から赤字国債が発行されるようになった。
秋闘
人事院勧告・道人事委員会勧告時期から賃金決定(年末まで)の時期のたたかい・闘争をいう。例年道勧告は10月上旬に出され、12月の第4回定例道議会で給与条例が改正される。公務員職場においては、賃金確定闘争・確定期と同義語であるが、民間においては手当一時金(ボーナス)の要求から決定までの期間・たたかいをいう。
アサーティブトレーニング
自己主張・自己表現・コミュニケーションのトレーニング。最近各種集会に取り入れられてきている。
ASEAN(東南アジア諸国連合)
東南アジア発展途上国の地域協力機構。設立は67年。タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピンの外相が集まり結成。その後、ブルネイ、ベトナムが参加。将来ラオス、カンボジア、ミャンマーの加盟も予定され、計10ヶ国になる予定。事務局はジャカルタ。
ASEAN地域フォーラム
メンバーは、ASEAN加盟国に加え、対話国・機構。冷戦後のアジア太平洋地域の安全保障問題を論じる初の多国間協議枠組み。2000年7月、バンコクでの第6回会合では、朝鮮民主主義人民共和国が初めて正式メンバーとして参加した。
アダルト・チャイルド(AC)
アルコール依存症などアディクションのある家庭で育ったために心に病をもつ子どものこと。その家庭環境故に、幼児期から過度の緊張を強いられたり、親に十分甘えたりすることができないまま成長し、思春期になって家庭内暴力や摂食障害などといった症状になって現れたりすることがある。
アファーマティブアクション
積極的差別是正措置政策。日本やヨーロッパでは、ポジティブアクションという。過去に作られ、今までその影響が残っている差別によって不利益を受けているグループ(例えば女性や人種的マイノリティーなど)に対し、一定の範囲で特別な機会を提供することで、差別禁止、機会の平等から一歩進んである程度の結果の平等を保障すること。
安全衛生委員会
労働安全衛生法により設置が義務づけられている。労使の構成で職場の労働安全衛生について調査・審議する。月1回以上開催することが法的にも義務づけられた労使協議の場という側面も持つ。
安定型最終処分場
廃棄物の飛散や流出を防ぐ構造の処分場。性質が安定していて生活環境上影響を及ぼす恐れが少ないと考えられる安定型産業廃棄物(廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、建設廃材)のみが対象。
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EU
欧州連合。67年、フランス、西ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの6ヶ国で発足したEC(欧州共同体)が、73年にイギリス、デンマーク、アイルランド、81年ギリシア、86年スペイン、ポルトガルが加盟し、拡大ECは12ヶ国に。90年東欧の改革や冷戦の終結で世界の政治・経済的枠組が大きく変わる中、政治統合の機運が高まり、94年発効のマーストリヒト条約に従い、オーストリア、スウェーデン、フィンランドがさらに加盟し、拡大ECが15ヶ国の欧州連合となる。アメリカ圏、アジア圏に対抗する存在。
育児休暇
生後3年未満の生児を育てる職員が、育児に必要な時間を請求した場合、1日2回、各30分(単位30分、午前又は午後に)まとめて1時間取得することもできる。「生児」は実子及び養子をさし、「育児」は子供への授乳に限らず、保育所等への送迎等、子供のための一般的な世話を含む。事前に口頭で承認を得ることが必要だが、願いの提出は不必要。道では、1日2回合計120分。
育児休業法
長く働き続けるための条件づくりの1つとして当時の野党が協調して要求してきた民間労働者の育児期の休業制度。1992年4月から施行された。内容は、①3歳未満の子をもつ男女労働者が対象、②育休取得を理由とする解雇の禁止、③育休をしない者に勤務時間の短縮措置など。休業中の生活保障措置、不利益扱いの禁止や30人以下の事業所の3年間の適用猶予など問題も多い。公務員の場合、国家公務員、国会職員、地方公務員それぞれの法律が制定された。地方公務員は、自治体ごとに条例化されている。
ISO14001
生産・サービス・経営に際して環境に与える負担を最小限にするための計画・運用・点検、見直しといった環境管理・監査システムが整備されているかについて第3者機関(認証機関)が審査し、合格すればISO14001認証取付団体・企業として登録される制度。全国の自治体においても認証に向けた動きが活発である。
一時金
ボーナスのこと。一時金とは、期末手当および勤勉手当で構成され、生計費が一時的に増大する夏季、年末および年度末にその生計費を補充するために支給する手当で、民間の賞与・一時金等の特別給に相当する手当である。
一時金の傾斜配分(職務段階別加算制度)
人事院は90年の人事院勧告で一時金の新たな「職務職階別加算制度」の導入を勧告した。制度の内容は、民間においては、役職別、年齢層別に最高35%の格差をもって傾斜支給されているとし、「係長級以上の職員について、職務段階等に応じ、5%から最高20%の加算措置を行う」というもの。国においては、完全に職務ごとに区分されているが多くの自治体においては、この制度による賃金格差を少なくするために級区分による制度が導入された。
一部事務組合
地方自治法284条に法的基礎を置く、地方公共団体の事務の一部を共同で処理するために設置される特別地方公共団体。自治大臣または知事の許可を得て設けられる。消防、病院、清掃、し尿処理、社会福祉施設などに多い。職員は当然自治体職員である。
一般会計
組合では、組合費を基本的な収入とする収支会計をいう。その他闘争資金積立金や基金など一般会計から繰り入れし、運用する収支会計を特別会計という。
一般機構改革
現行の職場・部署の組織体制の基本はそのままに、制度改正や業務量の増減によって見直される人員配置に係る組織・機構・定数の改正。部署再編を伴う大規模な機構改正と区分することからこう呼ぶ。
一般職非常勤職員
定数内職員と同様の業務に従事するが、勤務時間は、その4分の3かつ1年以内の任用となる職員。繰り返し任用できるため、10年以上の長期にわたって雇用される者もおり、休暇や年金、退職金の問題など、正職員との格差が著しい事項の格差是正が求められるのはもちろん長年にわたる雇用習慣となることは、定数配置の必要性があることとして問題となっている。
イデオロギー
政治・社会思想。特定の政治的立場に立った主張。
インフォームドコンセント
医師と患者の関係は一方通行ではなく、少なくとも同意に基づいた平等な人間関係であるべきという前提のうえで、医師が患者に病状、治療内容などについて理解を求め、同意を得ること。
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ウーマンリブ
女性解放運動。1960年代後半にアメリカで始まり、世界的に広がった新しい女性解放運動。世界的な大学改革運動後、日本でもアメリカの動きに触発されて、70年代初め無名の女性小グループ連合体によって、各地で集会が開かれた。ウーマン・リブは私的・日常的次元での「性差別意識」を告発する。女性の状況そのものを根本的に問い直し、性抑圧からの解放を目標とする運動である。
ウルグアイ・ラウンド
ガット(GATT)非締約国を含め124の国とECの代表が参加し、86年9月以来、7年余りの歳月を費やしたガット多角的貿易交渉(ラウンド)。15の交渉分野対象。93年12月ウルグアイにおいて実質合意、新ラウンドとして最終文章案を採択。
運動方針
労働組合の運動(活動)の方向を指し示す1年もしくは2年を単位とする活動方針。自治労は97年の金沢大会で、それまで1年間であった年間方針を2年間の方針とした。
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APEC
アジア太平洋経済協力会議。日本、韓国、アメリカ、東南アジア諸国連合(ASEAN)6ヶ国など環太平洋18の国、地域が参加する経済協力のための閣僚会議。89年創設。95年、第7回会議が大阪で開催された。
エコシティ
環境への負荷を軽減し、地球にやさしい暮らしを実現するため始められている街づくり、住宅づくりのこと。
NPO・NGO
「NPO」は非営利団体の略称で営利を目的としない活動を行う民間団体を、「NGO」は非政府団体の略称で人権・環境・軍縮などに関する目的で活動する民間の国際協力団体を指す。どちらも、政府でも企業でもない民間市民団体を指すが、公共サービスの担い手が多様化するなかで、こうした市民団体の果たす役割が増大し、注目を集めている。米国では、非営利法人が法令で規定されており、税制上の優遇措置を受けるなどの特典が与えられている。日本では、98年3月、法人格を与えることも目的としたNPO法が成立し、98年12月1日より施行された。
NPT
核拡散防止条約。68年調印し、70年発効。核兵器保有国の増加防止を目的とし、核保有国から非核保有国への核兵器や核兵器生産技術の移転を禁止している。また非核保有国が平和目的の核物質を軍事転用していないことを明らかにするために、国際原子力機関(IAEA)と核査察受け入れを含む保障措置協定を結ぶことを非核保有国に義務づけている。日本は76年に加盟。翌年同協定を結んだ。
エンゲルの法則
「所得が低いほど、家計の支出に占める食費の割合が大きくなる」というのがエンゲルの法則。ドイツの統計学者エルソスト・エンゲルが、その著書「ベルギー労働者家族の生活費」(1895年)の中で導きだした法則。家計費のなかの実支出に対する食費の百分比を「エンゲル系数」とよび、現在も生計費調査や、生活給の要求算定に使われている。
エンゼルプラン
「子育て支援のための総合計画」の略称。厚生省により策定され95年度からスタートした。育児を社会的に支援することにより、少子化傾向に歯止めをかけようとするもの。計画の主な内容は今後10年間で3歳未満の保育所受入枠を現在の40万人から80万人に倍増、早朝や夜間の延長保育を2,200ヶ所から1.4万ヶ所に増やすことなどをうたっている。一方で、各自治体では地方行革の中で公営保育所を安上りな民間保育所に移行しようという動きがある。
エンパワーメント
「人や組織が(パワー)をつけること」をいう。自己決定能力といった個人的な力や、法的な力、経済的な力、政治的な力など、ひとりが力をつけることで別の人の力になり、グループ全体の力が高まっていくような能力のこと。自分のおかれた状況の中で問題を自覚し、その状況をもたらす社会構造に気づき、変革のために行動を起こすことが出発点となる。
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OECD
経済協力開発機構。先進国が世界的な立場から国際経済全般について協議するための機関。その目的は、高水準の経済成長の維持、開発途上国の経済発展の援助、世界貿易の拡大に貢献の三つ。61年発効。日本は64年に加盟。現在の加盟国は、旧OEEC(欧州経済協力機構)加盟国18ヶ国と7ヶ国の計25ヶ国。先進国のほとんどを網羅。本部はパリ。
OT・PT
OT〜occupationaltherapist〜作業療法士PT〜physicaltherapist〜理学療法士
ODA
政府開発援助。先進国から開発途上国または国際機関への資金の流れのうち、政府べースで贈与されるか、あるいは金利・返済期間などで緩やかな条件を付けられ、南の経済発展福祉充実をめざす資金をさす。OECDの開発援助委員会(DAC)の中で日本が2割近くを占め、アメリカを抜き第1位。しかし従来、日本のODAは経済偏重で「理念のない援助」との批判があり、また日本企業のトンネル資金となっている実態も指摘され、改善が求められている。
オゾン層破壊
地球環境問題の一つとして国際的な取り組みが必要となってきた問題。地球を取り巻く大気のうち、地上10〜50㎞が成層圏と呼ばれるが、そのうち地上20〜25㎞付近を中心に、約30億年以上もの歳月を経て形成されてきたのがオゾン層である。これによって太陽からの有害な紫外線の大部分が遮断され、地上の生物が保護されてきた。南極上空でオゾンが極端に少ない巨大なオゾンホールが出現していることが確認され、その後もこの規模は年々拡大をみせている。大気汚染など地球規模での環境保全への取り組みが必要である。
覚書
記憶のために書いて置く文書。メモ。他に国家間における情報伝達の一形式として使われることもある。労使間における約束事を文書でお互いに確認する方法としては、覚書の他に協定書や確認書などがあるが、それぞれの使い方はルール化されていない。
オリエンテーション
労働組合では主として新入組合員向けの講演会、講義や共同行動などの最初に、大体の実情を説明して大ざっぱな展望を与え、これからの勉強のしかたや行動のしかたについて方向を与えることをいう。
オルグ活動
オルグとはオルガナイズ(組織する)の略語。労働組合では、執行部が組合組織の強化のための指導に当たることをオルグ活動という。未組織労働者の組織化のための活動をいうこともある。
オルターナティブ
二者択一、代替、代案、もう一つの、代わりのなどと訳されるが、主流となっているものに対して、他の方法や物事などを用いて物事を行おうとするときなどに用いられる。(オルターナティブ・テクノロジーなど)また、現在の価値を認めた上で、新たな価値観を創造するという意味もある。女性問題解決のための行動は、男性の視点で社会を見つめていることが主流であったのに対して、女性の視点で見つめ直すという新たな方法であり、従来の価値観から新たな価値観を創造するオルターナティブなものといえる。
オンブズマン制度
市民の行政への苦情をもとに行政の実態を調査、監視し、是正措置を講じる制度。オンブズマンは従来の行政救済制度では十分確保できない措置を行うことで公正、適正な行政を実施し、国民の行政に対する信頼を確保することを任務とする。ヨーロッパでの歴史は古いが、日本での制度化は最近。90年7月川崎市のオンブズマン制度がスタート。同年10月には中野区で福祉サービスの適用にかかる区民の苦情を受け付ける福祉オンブズマン制度が導入された。また、官官接待の実態調査で市民運動である「市民オンブズマン」が注目された。
オンライン自治労三原則
コンピューター社会の到来によって、国と自治体、都道府県と市町村等をオンラインで結ぶことにより、業務量の軽減を図る動きが際立ってきたが、一方では、中央集権の拡大、住民のプライバシー侵害、労働環境の変化等による職員への合理化等の問題をはらんでいることから、自治労はオンライン導入にあたっての三原則を定め、その規制を図った。内容は、①自己処理による自治体責任の貫徹、②組合参加による職場民主主義の確立、③住民参加による自治体民主主義の確立となっている。
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解雇
本人の意思に反して、使用者が雇用契約を解約する意思表示をすること。労働基準法では、罰則つきで制約されている。使用者は、30日前に解雇を予告(告知)するか、または、30日分以上の平均賃金を支払わなければ解雇できない。解雇権の乱用は無効であり、解雇には正当な理由が必要とされる。
介護休暇
負傷、疾病又は老齢により、2週間以上の期間にわたり日常生活を営む支障があるものの介護をするため、勤務に服することができないとき、連続する3月の期間(1日又は1時間単位)取得できる休暇。3ヶ月経過後さらに必要な場合には看護休暇(届出欠勤)で対応。
外国人登録法
日本に住む外国人に対し登録を実施し、外国人の居住、身分関係を明確にする法律。この法律により日本に住む外国人登録証明書の交付を受けなければならない(5年ごと)。さらに永住者・特別永住者を除いて、16歳以上で日本に1年以上在住する外国人には指紋押捺が義務づけられている。92年5月に改訂がなされたが、法務省は指紋押捺制度・外国人登録証の常時携帯義務など引続き行うとしており、外国人を治安管理の対象とする基本的な考え方は変わっていない。
外国人の地方公務員任用
外国人の地方公務員への採用は法律上禁止されていないが、従来、多くの自治体では日本国籍を有することを受験資格としてきた。自治労は、すべての職種について「国籍条項」を撤廃するよう取り組みを行ってきた。現業職への採用に始まり、一般職の採用まで「国籍条項」を撤廃する自治体がしだいに増加してきた。
介護サービス計画(ケアプラン)
要介護または要支援と認定された被保険者の依頼に応じて、必要なサービス提供の計画を作成すること。大きくは、居宅介護サービス計画と施設介護サービス計画に分けられる。その手順は次のとおり、①介護支援専門員(→別項)が本人の心身の健康状態や介護状況、住環境などを評価して個別的なニーズを明らかにする課題分析(アセスメント)をする。②課題分析に基づき、また本人や介護する家族などの意見・要望を尊重した上で介護支援専門員が介護サービス計画の原案を作成する。③原案について、地域の保健・医療・福祉分野の多様なサービスの実務担当者から構成されるサービス担当者会議(ケアカンファレンス)等で検討し計画を決定する。
介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護保険制度において、①要介護・要支援の認定を受けた人に必要な介護サービス計画の作成、②そのための個別ニーズを評価する課題分析(アセスメント)、③サービス計画に即したサービス提供の実施、および④実施後のサービス提供の管理(モニタリング)とニーズの再評価などを担当する。欧米では、こうした専門的職務内容をケアマネジメントとよび、その専門職をケアマネジャーとよんでいるが、介護保険制度ではそれぞれ介護支援サービス、介護支援専門員と称している。在宅介護支援センターなどの指定居宅介護支援業者、および特別養護老人ホームなどの介護保険施設に配置される。当面4万人の確保をめざし、1998年秋に最初の資格試験が各都道府県で実施された。
介護福祉士
1989年、国は、介護労働の社会的位置づけを高めることとして「介護福祉士」の国家資格を定めた。自治労は、介護労働について、資格による業務独占とせず、名称独占とすること、賃金等で差別をしないことなどの基本的視野で対応してきた。また試験の受験資格、受験方法などは改善を求めてきている。
介護保険制度
1997年12月の国会で可決・成立。40歳以上の国民から保険料を徴収し、介護サービスを提供する介護保険法に基づく社会保障制度。市町村が運営主体となり、2000年度から保険料(初年度は平均月額2,500円)を徴収している。介護サービスを受けるのは65歳以上が原則だが、40歳以上65歳未満の人でも老化に伴う要介護状態のときには給付対象になる。市町村の介護認定審査会に申請すると、6段階の認定ランクに応じて介護サービスを受けられる。介護サービスは特別養護老人ホームなどへの施設入所と、ホームヘルプサービスなどの在宅サービスから成り立つ。しかし、介護認定が正しくできるのか、十分なサービスを提供できるのかなど、多くの問題について検証が必要。
介護保険法
当面の介護サービスの量的整備は、新ゴールドプランに基づき主として公的財源によって進められるが、サービス運営の財源や方法については、公的介護保険の導入という方針がとられ、1996年11月に介護保険法案が国会に提出された。同法案は一旦継続審議となったが、97年12月ようやく成立した。2000年4月施行されたが、要介護・要支援認定の基準と方法、介護支援専門員の養成、介護報酬およびサービス運営基準の設定などのほかにも、サービスの質の確保、地域の状況に即した公平で総合的なサービス供給システムの構築、権利擁護と不服・苦情への対応、低所得者対策などの充実が求められている。
限りなき躍進
自治労の組合歌。
拡大闘争委員会
執行委員、各地本委員長・専従者、職種評議会議長などで構成され、重要な闘争を推進するにあたって必要に応じ招集される。運動の指導・調整及び闘争戦術、闘争終結について協議する。
確定期(賃金確定期)
「秋闘」を参照。
確定闘争(賃金確定闘争)
人事委員会勧告から賃金決定までの時期のたたかいをいう。例えば、都道府県、政令指定都市の人事委員会が出す勧告に基づき労使で交渉し、決定した内容を条例などで決める。この勧告時期から早期決着・支払いをめざして賃金が決まるまでの間のたたかいをいう。
核搭載疑惑艦
「トマホーク」など核弾頭を装着できる洋上巡航ミサイルを装備した水上戦闘艦。各攻撃能力のある艦載機を配備した空母を含む。空母には約100発の核兵器を搭載していることが常識とされた。横須賀を母港とする空母や戦闘艦、佐世保や長崎に寄港する米艦艇にも核搭載能力艦が相次ぎ、「核は持ち込ませず」という日本の非核三原則との矛盾を常に指摘されたが、米国防総省は核搭載について「否定も肯定もせず」という見解をくり返し、日本政府も「事前協議がない以上核はないものと見なす」という姿勢を押し通した。92年2月、米政府は「すべての地上、海洋配備戦術核の米国本土への撤去を完了した」と発表し、建て前上は潜水艦搭載の戦略核以外の洋上核兵器は撤去されたものとされている。
確認書・協定書
労使交渉で決められた事項を文書で労使双方記名捺印する意味で使われているが、「たしかにそうだと認める」ことが確認という本来の意味からすれば、交渉決定事項は協定書というのが筋であるかも知れない。いずれにせよ、当局は労使関係に係る事項を文書で取りかわすことに大変神経質である。
核燃料サイクル
原子炉内で核燃料を燃やすために、天然ウランを濃縮ウランに変えなければならず、その工程が必要である。そして原子炉内で消費された使用済み核燃料からウラン、プルトニウムを回収、再び核燃料として利用し、残った放射能廃棄物を取り出す再処理過程がある。この核燃料の循環システムを核燃料サイクルという。
火災共済
自治労火災共済は自治労共済と全労済がタイアップして運用している制度で、住宅と家財を対象とした制度である。対象災害は、火災、消防破壊、消防冠水、破裂、爆発、落雷、航空機の墜落、車の飛込、他人の住宅からの水漏れ、土砂崩れ、風害、水害等であり、住宅、家財について被害に応じた給付金が支払われる。阪神大震災の際に、民間損保は、保険金の支払いを実行しなかったが、当共済は即時給付したことに見られるように、加入者の立場に立った運用がなされている。
ガット(GATT)
関税貿易一般協定。第二次世界大戦前の報復関税の相次ぐ引き上げ、世界経済の停滞の反省によって生まれた国際機関。44年に設立。関税その他の貿易障害を軽減し、通商の差別措置を撤廃することによって、各国における生活水準を高め、その発展を期するのが目的。本部ジュネーブ。128ヶ国加盟(95年8月)。ただ戦後の世界貿易の拡大の枠をつくってきたガット体制も95年1月から世界貿易機関(WTO)体制へ移行した。
活動家
単組や職場で労働運動の中心的な役割を担う人。
環境アセスメント
各種の開発行為や開発事業が環境に及ぼす諸影響を事前に予測・評価・公表し、他の代替案(開発の中止を含む)の検討も含め、必要な対策措置を考え、環境保全の観点からみて、よりよい意思決定のあり方を確保するための手続的な手法。
環境監査制度
日常の事業活動での環境負荷に対する評価システム。アセスメントが開発事業への事前評価を意味するのに対し、環境監査は事後評価とその結果を次期の活動に反映させ継続的改善をはかることを特徴とする。
環境基本条例
公害対策と自然保護を柱とする従来の環境行政から、地球環境の視点をふまえた総合的な地域運営への転換をめざす条例。
環境基本法
日本の環境行政の基盤をなす基本法で93年に制定。「社会経済活動による環境負荷を可能な限り低減し、持続的に発展する社会が構築されることを旨とする」と、大量消費社会からの脱却を打ち出している。
環境自治体
自治労の自治研推進委員会が1991年10月にまとめた「環境自治体をめざして」と題する報告書で造られた言葉で、自治体の政策や活動についてエコロジカルな診断と改革を行うこと。環境委員会の新設など「自治体運営の環境10原則」が提案されている。企業を対象にした環境診断はこれまでも市民グループなどは行っているが、「自治体」版はこれが初めて。市民1人当たりのゴミ量や、エネルギー自給のための対策の有無など、およそ10〜20項目の環境度を測る指標が示されている。
完全失業率
失業者がどのくらいでているのかの度合いを示し、雇用と失業の情勢をみる上の重要な指標となる。一般には就業者数と失業者数の和で失業者数を割ったものの百分比で計算する。日本では毎月末に1週間、15歳以上を対象とした抽出調査を行っており、その1週間に1時間も仕事をしなかった人のうち求職活動をしたものを完全失業者として、完全失業率を算出している。
官民格差
国家公務員の賃金を決める際人事院は民間労働者の賃金実態を調査しその較差を勧告する。
官民比較方式
人事院が勧告を行う際、民間企業の給与と国家公務員の給与較差を埋めるために実施する調査方式をいう。民間会社で働く「企業規模100人以上かつ事業所規模50人以上の約7,600事業所を対象」の労働者と、国家公務員の給与実態調査それぞれ行い、較差を算出している。自治労は、国、都道府県、政令市等の組織に対応するものとしては、「企業規模1,000人以上かつ、事業所規模500人以上とすべき」と要求している。また、比較対象職種、比較給与の範囲、職種の対応級の設定、追加較差の算出等の改善も求めている。
管理運営事項
公務員労働者の労働条件はすべて団体交渉事項であると法律で定められているにもかかわらず、自治体当局は労働組合と協議せず一方的に合理化を強行してくるケースが多い。これは、提案内容が当局に決定権限があり、交渉事項ではない「管理運営事項」であるとの当局側の主張が強いことによるもので、組合と当局の力関係によって変わりえるものである。
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機関委任事務
地方自治体の長あるいは各種の行政委員会(教育、選挙、農業など)が、国からの委任を受けて実施する事務。機関委任による事務処理を通じて自治体は、事実上中央省庁の下部機関化する。97年7月の分権勧告で自治事務6割、法定受託事務4割に区分する方針が示され、2000年4月から施行された。
機関会議
労組の大会や中央委員会、代表者会議、執行機関としての執行委員会、などを言う。
企業別組合
企業別組合は、企業内組合とも呼ばれ、わが国の労働組合の組織形態の特徴である。本工(本属の労働者)を中心として、企業や事業所別に組織されている。このため、独立性が弱く、会社側に癒着、従属しやすく、団体交渉が弱い、という指摘もある。一方、組織率は高く、財政的に安定している。職種、業種の相違した労働者を組織していることから、まとまり難い点も併せもっている。
議事運営委員長
「ぎうん」と呼ばれる。決議機関を民主的かつスムーズに進行するために置かれる大会役員のひとつ。会議では、限られた時間の中で多くの発言を保障しつつ、すべての議案を確認することが求められる。議長がその進行の責任と権限を持つが、「ぎうん」は議事日程を検討提案し議長を補佐する。
犠牲者救援特別会計
組合活動によって被害(負傷・死亡・訴訟・・・)を被った組合員に金銭を含めて援助するための基金。規約に基づく犠牲者救援規定を参照。
基礎年金番号
従来、公的年金制度の加入者記録は、国民年金、厚生年金、各種共済組合ごとに管理していたが、1997年1月に基礎年金番号が導入され、公的年金制の全加入期間を通じて、同一の番号で記録の管理や手続き、照会等ができる体制づくりがすすめられている。
議長
集会、大会などで議事を進行する権限と義務をもつ人の意味と、**評議会、**共闘などの代表者をさす場合の2つがある。前者の場合は、大会の始まるときに選ばれ、大会が終われば解任される。後者の場合はその団体の決めた任期を務める。
議長団
定期大会の代議員から選出され、大会の議事進行や決定においての最終判断を行う役目を担う。一般的には、壇上での複数の司会役に見えるが、大会中において議長団の判断は絶対である。
喫煙問題
組合として、職場の分煙の早期実現を要求している。当局としては、各職場毎に「喫煙対策実施方針」を策定しており、2002年度までに執務室禁煙を実現することとしている。
基本組織
組合は、本部・支部・分会などの組織構成により運営されるが、これを青年部や女性部、各業種別評議会などの補助機関と区別するときに基本組織という。親組織ともいう。
基本的人権
人間が生まれながらに平等に持っている基本的権利のこと。その内容は、生命・財産・思想・信仰・言論・出版・結社の自由などの権利である。近代自然法思想にもとづく市民革命のなかで確立した。イギリスの権利章典、アメリカの独立宣言、フランスの人権宣言などで法文化され、その後の労働者のたたかいのなかで団結権、ストライキ権、労働権、生存権も基本的人権に加えられた。しかし、これらの権利がどれだけ保証されるかは、それを要求する労働者のたたかいにかかっている。
救援
「救援」とは、組合機関の決定に基づく労働組合活動に起因して被害を被った組合員に対して金銭を含めた援助を行うこと。争訟救援、弾圧救援、死亡救援等がある。自治労では、そうした人を助けるために救援資金を組合員から集めている。
休暇
一般に週休日のほかに休める日のこと。年次有給休暇・特別休暇・病気休暇・介護休暇の4つを定めている自治体が多い。年次有給休暇は、年間で一定の日数につき、有給で休める日。労働基準法第39条では、6ヶ月間継続勤務をし、全労働日の8割以上出勤した者に1O労働日の有給休暇、以降継続勤務年数1年ごとに1労働日を加算し、総日数が20労働日まで有給休暇を与えなければならないとしている。また、特別休暇としては多くの自治体では、労基法で定められた生理休暇、産前産後の休暇のほか、忌引休暇、結婚休暇、育児休暇、配偶者の出産休暇、夏季休暇、年始年末休暇、天災休暇、公民権の行使に必要な時間、ボランティア休暇などを定めている。
休憩時間
労働基準法第34条に規定が設けられている。使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
休日
労働義務がなく、使用者の拘束をうけない日。1919年のベルサイユ条約で、「日曜日をなるべく含み、24時間を下らざる毎週1回の休息を与える制度」として週休制度を規定した。労基法第35条では、使用者は労働者に対して、毎週1回の休日を与えなければならないこと、また4週間を通じ4日以上の休日を与えることを規定している。労基法では、休日労働も認められているが、その場合、94年4月1日から3割5分以上の割増賃金を支払うことが定められている。
休息時間
所定の勤務時間のうちに、4時間につき15分の休息時間を置くよう定めている。この休息時間は、勤務時間に含まれ給与支給の対象となっている。
教育勅語
1889年(明治22年)の「大日本帝国憲法」の発布により、天皇を中心とした国家統治の大綱が示され、翌23年には、その精神を教育に反映した「教育勅語(教育に関する勅語)」が下付された。以降、第2次世界大戦後の1945年までこの勅語を奉じ、尊皇愛国を理念とした教育体制が続き、教育のみならず国民生活全般にわたって統制が図られた。
行政改革大綱
公務員制度改革の流れは、第2臨調(臨時行政調査会)から始まり、公務員制度調査会に至るが、その流れとは全く異質の議論が突如2000年10月の自民党野中広務氏の講演をきっかけに浮上し、自民党主導で同年12月に「行政改革大綱」が閣議決定された。2005年までを目途に各般の行政改革を集中的・計画的に実施することとしており、内閣総理大臣を本部長とする新たな行政改革推進本部とその事務局が内閣に設置された。その後、この大綱に基づき2001年3月「公務員制度改革の大枠」を公表、同年6月には「公務員制度改革の基本設計」公表、そして同年12月を目途として、「公務員制度改革大綱(仮称)」を策定することとしている。
教宣(教育宣伝)
労働組合用語のひとつで、「教育」と「宣伝」を略したもの。組合によってはこの両者の担当を分けているところもある。現在では、広報的な意味が強い。
共闘
「共同闘争」の略。2つ以上の組織が共同して闘争すること。自治労も種々の課題の解決のために他の団体と共にたたかっている。公務員共闘などがある。道段階では、地公三者共闘(全道庁・自治労道本部、北教祖)など。
協働
従来の労働者と使用者といった金銭による雇用関係ではない全く新しい労働関係。例えば、主婦の持つ技術を提供しあい有効に使える場所をつくろうとする生協運動などがある。
緊急避難権
労働者の安全・衛生を確保するためには、「参加する権利」「知る権利」「緊急避難する権利」の3つの権利が労働者に与えられていることが重要とされている。ILO161号条約にはいずれの権利も明確に規定されているが、日本はこの条約を批准していない。近年「知る権利」は広く知られているが、緊急避難権については、あまり議論になることはない。今後、参加する権利・知る権利とともに法制度の整備を求めていく必要がある。
勤務評定
国家公務員の勤務成績の評定については、国家公務員法第72条の規定にもとづくものがある。「勤務評定」とは、課長などの評定者が課員の「仕事に対する態度」や「仕事の結果」「部下に対する統率の仕方」を評価し、職員をA、B、Cにランク付けることである。これは、一見「科学的」な手法にみえるが、「観察基準」にみられるように、評定者すなわち当局側が思いのまま恣意的に「評価」できるものになっている。すなわち当局は、特別昇給・勤勉手当をはじめ、昇任・人事異動・研修・出張・仕事の配分など賃金・人事管理に至るまで「勤務評定」による差別を持ち込み職場・労働者を支配しようとしていることである。また、勤務評定の結果を給与や人事などに結びつけることによって、労働者同士をお互いに競争させ、労働者としての自覚を弱め、自ら進んで「成績」をあげようと働くようにしむける「成績主義の導入」と一体となっており、これを通して労働組合の弱体化、変質を狙うものである。
金融自由化
大量国債の発行と金融の国際化という状況下の84年5月、「日米、円ドル委員会報告書」、大蔵省「金融の自由化及び円の国際化についての現状と展望」で、わが国は金融自由化を内外に宣言した。金融自由化の核心は金利自由化と業務自由化である。金利自由化とは金利の決定を資金の受給に委ねることであり、業務自由化とは業務規制を撤廃して参入の自由を認めることである。自由な金利という新時代で金融機関間の熾烈な競争が始まった。
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クオーター制
不平等是正のための方策の一つで、「割り当て制度」などという。選挙の立候補者や国の審議会の人数などで、男女の比率を偏りがないように定める方法。結果の平等をめざしたアファーマティブアクションの一つ。
組合費
組合員が賃金に応じて支払う費用。組合の運営・闘争は、組合費によって賄われる。
グループホーム
知的障害のある人が世話をする人とともに、数人で暮らす住宅。地域の中で暮らす場をつくることを目指す。
グローバル
全世界的な、世界的規模の。
グローバルスタンダード
事業活動が国境を越え、多国籍企業というよりも無国籍企業といえる企業形態が発生し、また世界の金融市場はコンピューターで接続され、投資家は巨大な資金を地球規模で運用する。この市場原理最優先の世界的企業経営形態をいう。
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経常収支比率
この比率は、地方税などの経常一般財源収入のうち、人件費や借金の元利償還金(公債費)などの経常支出にどれだけ使われたかを示す。勤労者で言えば、年俸のうち生活費やローンの返済などにどれだけ振り向けたかという指標に似ている。この比率が1OOを超えると、経常収入では経常支出をまかなえず、臨時収入を当てにしなければならない。これは極めて不安定な財政状態で、いつ赤字団体に転落しても不思議ではない。1996年度、北海道が87.6(1998年度は94.0)大阪府が102.8、神奈川県が101.3、愛知県が97.1。大都市平均が87.0、都市の平均85.0、町村が77.7。第二は起債制限比率。この比率は、経常的な一般財源のうち公債費に充てた比率だが、この計算の対象となる元利償還金は、地方交付税の計算に用いる基準財政需要額に算入されたものを除く。この比率が20%を超えると起債の一部が認められない一種の財政再建団体となる。
経団連
経済団体連合会の略称。日経連が、労働問題に関して資本家側の団結をはかる使用者団体であるのに対し、経団連は経済問題について財界全体の意見をまとめ、政府や国会に建議する事業団体。1945年設立。
月刊「自治研」
自治研中央推進委員会の発行している政策理論情報誌。自治体職員や研究者向け。自治研助言者の寄本早稲田大教授らの編集で評価は高い。毎月1回、5日発行。A5版。
現業
各自治体の清掃、学校用務員、給食調理員、運転技能員、土木作業員などの技能労務職員のこと。非現業(事務)職員と違い、「地方公営企業労働関係法」により「労働組合法」が適用されている。
現業活性化
現業職(一人一職種)の原則を一部見直し、複合した職を担当できるようにしようというもの。全国の現業職員は、このままでは減員に歯止めがかけられないという危倶感から現業職員の法的不満の整備や将来に向けてのあり方などを内容とした論議を展開している。現在の業務を洗い直し、各事業所毎、職種毎に出来る業務を模索している。
現業公企労働者
公企=公営企業とは、水道、下水道、ガス、県職公企(発電や工業用水供給など。道においては企業局)事業を行っている企業。現業と同様、「地方公営企業労働関係法」による「労働組合法」が適用され、あわせて、こう呼ばれる。
現業統一闘争
自治体の現業職員の賃金・労働条件の改善、住民サービスの充実を基本に直営堅持を求める等を要求項目にした自治労全国一斉の闘争取り組み。例年、賃金確定闘争と歩調を合わせて全国一斉に要求書の提出し、全国統一総決起集会などを展開する。
原子力安全委員会
原子力開発が多大な危険を伴うことから、「原子力基本法」や「原子炉等規制法」などの法律で、安全確保などの「厳格な規制」が行われており、その執行のために「原子力安全委員会」が原子力委員会から独立して設置されている。建前としては原子炉の安全審査が「ダブルチェック」の体制をとっていることになるが、安全規制を担当している原子力安全委員会には原子炉運転への監視機能はない。また、体制についても原子力安全委員会は5人の委員のうち常勤は3人にすぎず、その下にある100人ほどの専門審査委員は全員非常勤である。アメリカでは原子力推進組織から独立した機関として「原子力規制委員会」が設置されており、2,OOO人のスタッフを抱えている。原子力発電の安全性確保のため、日本においても「原子力安全委員会」の独立・強化が求められている。
原子力災害対策基本法
原子力防災については、「災害対策基本法」に沿って、原発の立地県・周辺市町村には「原子力防災計画」がつくられ、対策がとられることとなっているが、この間の原子力関連施設における事故によって、「連絡情報体制」の不備や、防災対策が原発から8キロから1Oキロの範囲に限定されていることなど「事故が起きない」ことが前提となった法体系になっていることが明らかになった。原子力災害に対して、より実効性のある法整備が求められている。
原水爆禁止運動
日本の原水爆禁止運動が本格化したのは、1954年3月の第五福竜丸事件以降である。東京・杉並の主婦グループが始めた原水爆禁止の署名運動が全国各地に波及し、同年8月、原水爆禁止署名運動全国協議会が結成された。そしてヘルシンキ世界平和集会(55年6月)への参加と、広島での第1回原水爆禁止世界大会(同年8月)開催の成果を踏まえ、55年9月、原水爆禁止日本協議会(原水協)が発足した。しかし国民の広範な運動が組織に先行していた初期の運動は、次第に分裂・低迷へと向かった。58年秋から表面化した日米安保条約改定問題で原水協が改定阻止の方針を明確にしたことから、保守系の人々が運動から離脱。さらに民社党・全日本労働組合会議系の団体は、61年11月に、核兵器禁止平和建設国民会議(核禁会議)を結成した。原水協内部では「いかなる国の原水爆にも反対」と主張する社会党・総評など13団体と、それに反対する共産党との間に対立が深まり、65年2月、社会党・総評などを中心に原水爆禁止日本国民会議(原水禁)が結成された。日本の原水爆禁止運動はこうして三つのグループに分裂し、互いに激しく対立する時代が続いたが、77年中立的な市民団体の協力のもとに、原水協、原水禁による統一世界大会の開催が実現した。しかし86年に運動は再び分裂し、以来、原水協、原水禁、核禁会議、日本生協連などの市民団体がそれぞれ独自に運動を展開する状態が続いている。
憲法調査会
1997年5月に結成された「憲法調査会設置推進議員連盟」が推進した議員立法による国会法改正により2000年1月20日、衆参両院に設置された。憲法9条改正を目指すものと疑念されている。
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広域連合
都道府県・市町村及び特別区が議会の議決を経て、協議により規約を定めて設立する特別地方公共団体。中核市と同様に第2次行革審、第23次地方制度調査会の答申により創設が提唱されたもので、94年6月の地方自治法改正で制度化された。広域連合は、国または都道府県からの直接の権限委譲、広域計画に関する広域連合の長の構成団体への勧告等がその権能として規定された。一部事務組合と異なり、長や議員を直接選挙することも可能となり条例の制定改廃、規約の変更等についての直接請求制度も制度化されている。
公開ヒアリング
地元住民から意見を聞く制度。例として、原発を設置するに当たって電源開発調整審議会の前に通産省が主催して、電力会社が説明する一次ヒアリングと、通産省の安全審査後に原子力安全委員会が主催、通産省が説明する二次ヒアリングとがある。いずれも「設置を前提としたセレモニーだ」と、反対派からボイコットされるケースが多い。
合計特殊出生率
「15歳から49歳までの女性の年齢別出生率の合計数値」を指し、一人の女性が一生のうちに産む子どもの平均の数をあらわす。この数値が日本では多少の波はあるものの年々減少傾向にある。
合成洗剤
石けん以外の人工的に合成された洗浄剤を言う。その有毒性については、マウスの実験による妊娠への悪影響、肝臓障害、アユの臭覚のマヒ、殺精子作用、環境破壊などが報告されているが、国内では年間100万トンが生産されている。
高速増殖炉
ウランやプルトニウムなどの原子核と中性子を反応させて核分裂の連鎖反応を起こさせ、それを持続的に制御する装置が原子炉である。ウランやプルトニウムは中性子を吸収すると核分裂するが、衝突する中性子が遅いほどよく吸収がおこる。そこで現在利用されている発電用原子炉は中性子を減速するために水などの減速材を使用する。高速炉は減速材を使わず高速中性子を高速のまま別の原子核にぶつけて核分裂反応を連鎖的に続けさせようと設立された原子炉。減速材を使わず核分裂の連鎖反応を持続させるにはウラン235よりはるかに核分裂を起こしやすいプルトニウム239が使用される。増殖炉の炉心の内部はウラン238で包まれる。プルトニウム239を燃やせばそこからとび出した中性子がウラン238に衝突し次々にプルトニウム239に変えて行く。使ったよりも大量の燃料を生みだす「夢の原子炉」と言われた。ただし冷却材として使うナトリウムの危険性や、開発中に多発した事故等により日本以外の国々では開発をやめたり縮小したりしている。日本の原型炉もんじゅも94年臨界に達したが、95年12月ナトリウムもれ事故を起し開発計画の抜本的な見直しを迫られており、自治労や反原発団体はプルトニウム政策の転換を求めている。
公的年金制度
国民年金制度・厚生年金制度を中心とする国によって制度化された年金制度。
公務員共闘
現在は「連合官公部門連絡会」のことを指すことが多い。参照。
公務員連絡会
連合官公労部門の組織整備として、92年1月連合官公部門連絡会が発足し、国営企業部会(現業)と公務員部会(非現業)を置き、公務員部会は統一交渉団体として公務員連絡会を設置した。公務員部会および公務員連絡会構成団体は、自治労、国公総連、都市交、国税労組、税関労連など。
合理化
一般には、すべての目的を達するために最善の状態にすることであるが、労働問題では、合理化生産、産業合理化という意をもつ。1925年ごろドイツに始まりアメリカに入っている。資本がその活動として、利潤を増やし生産を上げようとするのは本能であるが、このため、オートメーション化、事務の刷新、労務管理強化などを進める。その結果は、労働者の疲労の増加、賃金、労働時間、人事、雇用に影響をもたらさないではおかない。労働者のうける被害を最小に止める闘争、時間短縮、休日増、公害除去など積極的取り組みが必要となる。
綱領
政党や労働組合の基本的な立場、目的、計画、運動方針などを要約し規定した文書。文書の性格により基本綱領、行動綱領、賃金綱領集などと呼ばれる。
高齢社会
文字どおり高齢化しつつある社会である高齢化社会に対し、高齢社会は高齢化が進行して高齢人口の比率が10数%以上の高い水準に達しそれが持続する社会である。総務庁発表の推計(1995年9月現在)によると、日本の高齢人口(65歳以上)は、1,821万人で全人口の14.5%を占め、国民の約7人に一人が高齢者となり、日本も高齢社会に突入したと言える。
高齢者再任用
年金制度改正により、2002年度退職者から共済年金の満額支給年齢が段階的に65歳に引き上げられることに伴う所得保障の面と少子・高齢社会の対応としての定年延長を視野に入れた高齢者の能力活用策の二面性がある。ちなみに年金のすべてが完全65歳支給体制に移行するのは、2026年から(女性は5年遅れで実施)
ゴールドプラン
高齢者保健福祉推進10ヶ年戦略のこと。2000年までの10年間に在宅のホームヘルパー、ショートステイ、デイサービス・在宅介護支援センター、特別養護老人ホーム、ケアハウスなどについて目標量を設定するとともに、寝たきり老人ゼロ作戦の展開や長寿社会福祉基金などが謳われている。政府は各自治体の老人保健福祉計画を踏まえ、95年予算編成で新ゴールドプランを決定し、サービスの供給充実をめざすこととした。具体的には10万人の目標だったホームヘルパーを新プランでは17万人にすることや、1日プランになかったホームヘルパーステーションを1万ヶ所つくるなどそれぞれの分野で旧プランを見直し、拡充を図っている。問題はプランと各自治体の実態のかい離であり、その実現を疑問視する見方が多い。
国際司法裁判所(ICJ)
司法裁判のための一般的な常設裁判所で、所在地は、オランダのバーグ。裁判所の組織・任務は、1945年の国際司法裁判所規定が定める。9年任期の15人の裁判官により構成され、裁判官は、各国の指名する候補者の名簿から国連の総会と安全保障理事会がそれぞれ別個に選挙し、双方で絶対多数を得た者が選出される。裁判所における訴訟当事者能力は国家に限られ、国際機関・個人には認められない。ただし、国際機関の場合はその要請により法律問題につき勧告的意見を表明することができる。
国際連帯活動
世界には労働組合運動に参加しただけで暴行を受けたり命をねらわれたりする国が数多くある。しかし、この困難な状況にもかかわらず、人権、労働組合権の確立のためにたたかっている人たちがいる。労働組合をつくることが認められないところには人権侵害も多い。この意味から労働組合権=人権の確立を求めて、ILO条約の批准とその遵守を求めることを基本とするさまざまな国際活動に参加することをいう。
国際連帯救援カンパ
NGO(非政府組織)などと協力し、人権・環境・平和などをキーワードに、自治労の国際連帯協力活動の発展継続をめざすため、毎年行われるカンパ。連合が取り組んでいる「愛のカンパ」基金への拠出、自治労結成40周年事業「アジア子どもの家」プロジェクト資金、NGOと協力した自治労の国際協力プロジェクトの基金などに使われている。
国際労働財団(JILAF)
労働分野における国際的な交流と協力を推進するための機関として、1989年5月、連合によって設立された。事業の目的は開発途上国の労働組合関係者を日本に招いて研修の機会を提供したり、それらの国の労働組合が現地で行う教育活動や社会開発活動に協力することによって、民主的かつ自主的な労働運動と労使関係の発展に助力し、途上国の健全な経済社会の発展に貢献していくことである。このため、海外からの招聘事業や、現地での教育活動、社会開発活動に関するプロジェクト、パソコン、コピー機などの機材供与や人材育成のための財政的支援を行っている。
国費評議会
地方社会保険事務局及び社会保険事務所、地方労働局及び職業安定所の労働者で構成する。労働組合の構成者のうち課題別集合体の一つ。
国費労働者
2000年3月まで続いた地方事務官制度で、都道府県の知事に行政上の指揮監督を受けながら任命権(人事権)や予算(会計)の権限は中央省庁に属し、また定員は地方自治法で決められ、賃金は国家公務員の枠扱いとされていた。予算が国費で支出されたことから「国費職員(労働者)」と呼ばれていた。
国民春闘
1950年代、企業を超えた連帯の中、全体のベースアップを勝ち取る方式として春闘方式が定着し、次いで賃金のみならず、労働条件、物価、減税、社会保障、安保、沖縄問題等を含めた全国民的視点での生活闘争、制度闘争が加わることにより1974年から国民春闘といわれた。現在、連合では、「春季総合生活改善闘争」とも呼んでいる。
国民総背番号制
番号制度は住民基本台帳を基にするとされ、生まれたばかりの赤ん坊に一つの番号を付け、それが一生その人を識別する番号になるというもの。1億2,000万人の国民の全てが対象で、国家が全国民を番号で管理する発想。自治省は氏名、住所、性別、生年月日の4項目の個人情報に限定するとしているが、全国民についての情報管理システムの基盤が整備されれば、その応用範囲拡大に歯止めがかかる保証はなく、プライバシー、国による国民管理の在り方など大いに問題がある。自治省行政局長の私的諮問機関で、学識経験者などでつくる研究会が95年3月「すべての住民を対象とした統一的な背番号制度を設ける」との中間報告をまとめた。
国民負担率
国民負担率とは、国・地方の租税負担に社会保障負担(国・地方の行う年金や医療保険のための社会保険料)を加えた合計額の国民所得に対する比率であり、国民がどの程度財政経費の負担をしているかの指標である。
国連憲章
国連の憲法にあたる条約で58年12月に発効した。国連の目的・原則、機関、総会、紛争の平和的解決、平和の破壊・侵略行為に関する行動などを定める。二度の世界大戦の経験から、基本的人権、国際法の尊重、共同の利益の場合を除く武力の不行使などをうたっている。
55年体制
55年2月に行われた総選挙の結果は、日本民主党185、自由党112、左派社会党89、右派社会党67、その他であった。保守分裂の状況下では社会党政権実現の可能性もあり、かねて進行していた両社会党合同の動きは急進展し10月合同した。両社合同は保守合同を触発し、翌11月自由民主党が新発足した。東西冷戦を背景に80年代中盤まで続いた自民2対社会1の二大政党時代の政治構造を55年体制という。なお同年から春闘(私鉄、炭労など民間8単産共闘)がスタート。一方で企業の全面的現代合理化を目的として日本生産性本部が発足、総労働対総資本の本格的な対決開始の年でもある。
国旗・国歌法
1999年3月、卒業式での君が代斉唱をめぐって教育委員会と教師との板挟みとなった広島県の公立高校校長が自殺した事件を契機に、自民党は、これまで文部省の学習指導要領以外に根拠がなかった国旗国歌の法制化に踏み切った。教員・公務員の処罰根拠となることへの問題や諸外国・市民の反発にも関わらず同年8月法案が成立した。
子どもの権利条約
1989年国連総会において採択され、翌90年発効。18歳未満の全ての子どもに適用され、「生きる権利」「親と同居し、その保護を受ける権利」「教育を受ける権利」等のほか、「意見表明権」「集会、結社の自由」等の市民的権利を規定しており、子どもの人権を尊重し、権利の主体としてとらえている。日本では1994年3月に国会で可決され、同年5月から発効。世界で158番目の批准。
ゴミ固形燃料(RDF)
規模が小さく、ゴミ発電に適さない約1,500ヶ所の処理施設では、ゴミを固めて暖房や発電の燃料として使うゴミ固形燃料化が盛んになってきた。RDF発電は、ゴミをそのまま燃やすより安定的に発電でき、ダイオキシンや焼却灰の減量にもつながる。通産省の補助事業になり、プラントメーカーの研究開発も盛んになった。固形燃料化の方法は、ゴミを選別・粉砕した後に乾燥させ、圧力を加えて固める。発電量は1kg当たり約4,000〜5,000kcalで石灰に近い。プラスチック油化などに比べ施設建設費が安い。1997年6月には、RDF全国自治体会議が設立され、98年7月現在20以上の自治体がRDF製造設備を建設または計画している。東京都では99年4月に古紙をRDFに活用する実証試験を始めた。
コミュニケ
本来は外交用語で、会議の内容を示す声明のことだが、最近は一般に公式の会議でその経過を発表する声明書をコミュニケという。
コミュニティユニオン
個人加盟の地域合同労組。地域内の未組織労働者を結集し、雇用、賃金、労働条件の維持改善のみならず相互扶助活動をも行っている。労働組合に結集するのが難しかった労働者を結集しうる活動として注目されている。
雇用流動化
解雇、配転、出向、転籍や転職などが頻繁に行われることをいう。学校卒業後、企業に就職し、定年まで務めあげる終身雇用制と対極にある概念だ。景気後退期になると論議されることが多い。
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サービス超勤
時間外労働をしても、時間外命令簿に記載しないただ働きのこと。勤務時間以外の労働に対しては必ず命令簿に記載し、正当な手当を受ける職場の雰囲気作りが必要である。
災害補償の法定外給付制度
地方公務員災害補償法にもとづいて支給される補償金とは別に、各自治体が上乗せして支給する給付金のことで、民間企業でいう「企業内補償」のこと。「見舞金」と呼ぶ自治体も多い。自治労がめざす最高額3,000万円は、民間企業の企業内補償でも一般的な額である。
最高裁判所裁判官国民審査
内閣によって任命された最高裁判所の裁判官は、任命後初の総選挙のときに国民審査され、その後は10年ごとに総選挙のときに再審査される。職務に適切な人物かどうか国民が直接意思表示する制度。過半数の否認で罷免される。
再雇用制度
結婚・出産・育児・看介護などの理由で退職した女性をもとの職場で再雇用する制度。「女子雇用管理基本調査」(1998年)によれば、16.6%の事業所で導入されている。企業は経験豊かな女性労働力を確保するとともに女性社員のモラルアップに活用し、女性は子育て後に経験を生かせる職場に復帰できるなど双方にメリットがある一方、性的役割分担を固定化する制度だという批判もある。
財政構造改革会議
財政構造改革の着実な実現に向けて、政府・与党が一体となって歳出の改革と縮減の具体的な方策を早急に検討するため、1997年1月に首相、蔵相経験者からなる財政構造改革会議が設置された。この会議の方針にそって、政府は同年3月18日に、財政構造改革5原則を明らかにした。①財政構造改革の当面の目標は、2003年とする。②今世紀中の3年間を「集中改革期間」とする。③当面の平成10年度予算においては、政策的経費である一般歳出を対9年度比マイナスとする。④あらゆる長期計画(公共投資基本計画など)について、その大幅な削減を行う。歳出に伴う新たな長期計画は作成しない。⑤国民負担率(財政赤字を含む)が50%を超えない財政運営を行う。・・・であり、これを受けて同年6月3日には、財政構造改革会議において「財政構造改革の推進方策」が決定され、同日、閣議決定された。
財政力指数
自治体の財政力を判断する指標。地方交付税の算定に用いる基準財政収入額を基準財政需要額で除したもので、過去3ヶ年度の平均値を用いている。この数値が高い自治体ほど財政力が高いとみられ、1を超えるのが地方交付税の不交付自治体。自治省は自治体に各種の財政援助をするさいの有力な指標としてこれを用いている。
在調(在職者調整の略語)
初任給のアップ、昇格制度の改善など給与制度の改正があった場合、新たな制度の適用を受ける職員と、そうでない職員に年齢や採用年を限定し、逆転防止等の措置(昇給短縮)を行うことをいう。また、民間等の経歴を有し採用された職員は、学卒後直ぐ採用された職員に比較すると賃金が低い実態にある。そこで、在職者調整措置として、昇給期間の短縮をしたりしている。
最賃
最低賃金の略語。
36協定
労働基準法36条に基づく超過勤務に関する労使間の協定。使用者による一方的な労働時間の延長に対し、労働組合との協定という形で一定の規制を与えたもの。ただ、この規定には延長することができる時間の上限がなく、日本の長時間労働の一因となってしまったのは皮肉な結果である。そのため、1983年以降、行政指導で延長することができる時間の規制が加えられている。
サマータイム
日照時間が長い季節に、時計の針を1時間進める制度。戦後一時的に導入されたが、残業時間延長といった不評から廃止された。政府の地球温暖化対策推進大綱に盛り込まれたが、法案成立は見送られている。省エネ効果の真偽、導入コストと社会的不便、労働強化問題など議論が多い。
三者協議
ILOの基準設定活動を、それぞれの加盟国内においてより実効的なものにする目的で、政・労・使の三者協議制度を確立しようとするもの。1976年にILO第144号条約として採択。日本においても、本条約を批准し、三者協議を確立し、未批准条約の批准や批准条約・勧告の国内への完全な適用を確保することが重要である。
産前・産後休暇
女性労働者の母性保護の目的で定められた休暇で、産前・産後ともに就業させてはならない強制休業期間がある。〈産前休暇〉8週間以内に出産する予定の女性職員が請求した場合(多胎出産のときは、14週間以内)与えなければならない。休暇日数は請求の日から出産の日まで(単位は1日)。〈産後休暇>出産した女性職員に対して請求がなくても与えなければいけない休暇。(出産〜妊娠85日以上の分娩をいう。早産、死産、流産及び人工妊娠中絶を含む)休暇日数は出産の翌日から8週間(単位1日)。
産別(産業別組合の略語)
企業別組合が組織ごと加入する産業別の連合体組織。自治労は各単組が組織ごと加盟している自治体職員組合の連合体。ただ、本来の意味の産別とは、同一産業で働く労働者を職種の別なく組織する労働組合のことをいう。現在日本の産別には自治労以外に鉄鋼労連、自動車総連などがある。
三役
通常、労働組合で三役といえば、委員長、副委員長、書記長の三ポスト。
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①組織体の”自分らしさの主張”を鮮明にし、その個性をアピールして、外部に対してはイメージアップを、組織内部においては自己改革を図ろうとするもの。②ちょっとオシャレな語呂合わせで、「チョット・イメチェン」、「SEA・愛」、「こぼれる・IDEA」などの造語がある。
GDP/GNP
どちらも一国の経済活動の大きさを表す代表的な国民所得指標。大半の国でGDPを主要指標にしている。GDPは国内総生産、GNPは国民総生産。前者は「一定の期間に日本の領土内で生産されたすべての財・サービスの付加価値の合計」。後者は「一定期間に日本人によって生産されたすべての財・サービスの付加価値の合計」。従って両者の関係は、GDP=GNP−(海外からの雇用者所得や投資収益の受け取り)+(海外への雇用者所得や投資収益の支払い)。
JCO核燃料加工工場臨界事故
1999年9月30日茨城県東海村の原発用燃料工場JCOで国内初の臨界被曝事故が発生し、3人の従業員が大量被曝、うち2人が死亡した。国内原発事故で初めての犠牲者である。事故後は、現場から半径10㎞以内の住民約31万人が屋内退避するなどの措置がとられたが多数の被爆者を出した。
シェルター
避難所、駆け込み寺。夫婦間暴力など女性への暴力などから避難する女性や、困窮する在日外国人女性などのための緊急避難所、一時保護施設のこと。公設施設としての母子寮や、売春防止法に基づく更生保護施設のほか、民間シェルターも増えている。
ジェンダー
文化的・社会的につくられた性差。一般の辞書にはただ「性」とあるが、解剖学的な分類による従来の男性、女性といった性別とは無関係である。
時間外勤務手当
正規の勤務時間以外に勤務した場合支給される手当。労働基準法の割り増し賃金に当たる。指定職員及び管理職手当受給職員には支給されない。あらかじめ割り振られた1日の勤務時間を超える勤務及び勤務を要しない日(通常の場合日曜日、土曜日)の勤務、休憩時間中の勤務は時間外勤務となる。
自主福祉事業
労働組合のスケールメリットを生かし、組合員のニーズと議論によって自らのために作り上げた非営利の各種共済制度をいう。自治労自動車共済など。
自然エネルギー
環境破壊を起こさないエネルギー源として、太陽光・熱、風力、地熱、小水力発電などの自然エネルギーが、21世紀に向けた新たなエネルギー源として注目されている。このうち「太陽光発電」は、太陽電池を使って光を電気に変える発電方式であり、電池は半導体の結晶で、現在はシリコンが主流だ。通産省は94年度から「住宅用太陽光発電システムモニター事業」を始め、個人住宅などの設置費の一部を補助している。また、「風力発電」は風車でタービンを回して発電する発電方式であり、風向き、風速の変化に影響を受けるため、大気の乱れや台風の多い国内ではコストに見合う立地場所が限定される欠点がある。現在青森県竜飛と沖縄県宮古島などに風力発電システムが試験的に導入されている。
自治研(地方自治研究活動)
地方自治や地域の問題などを、労働組合の立場から研究し、関わっていこうとする自治労の政策闘争。2年ごとに全国自治研究集会が開催される。
自治研全国集会
自治研活動(地方自治研究活動)の全国規模の集会。現在は2年に1回の割合で行われている。
自治事務
自治体の責任で処理する事務。自治事務は国の関与を廃し、原則として条例に基づいて執行されるが、法令に定めのある自治事務については法令の範囲内で条例を定めることになる。
自治省準則
地方自治法第52条4項は、「管理職員等の範囲については人事委員会規則または公平委員会規則で定める」こととしているが、自治省は昭和40年7月9日付の通知(自治公第50号)で都道府県、市、町村の別に、どの部局のどの職を有する者が管理職員等にあたるかの準則(参考例)を示している。
自治体運営の10原則
自治体の事業活動の中で環境面からの管理、資源内エネルギーの使用削減、職員の環境意識の定着をめざすもの。1O原則は、①推進体制の確立、②環境にかかわる自主基準の設定、③環境配慮指針の制定と事前評価、④環境資源の把握と年次報告の作成、⑤環境監査の実施、⑥自治体活動に伴う環境悪化の改善と損害賠償、⑦環境に配慮した業者、委託先の選定、⑧情報公開、⑨環境意識の普及、⑩国際間の協力と連携、となっている。
自治体ODA
地域に最も近い政府である自治体が主体となって、援助を必要とする諸国の人々が自立する基盤を提供するために行う国際協力のこと。世界の地域住民が直面する生活上の課題に関して、地球規模で処方箋を書くことをめざす。1995年9月には、オランダのハーグ市で国際自治体連合(IULA)第32回総会が開催され、100ヶ国、1,500人を超える世界の自治体からの参加があった。総会では地球が自治体国際活動の時代に入ったことが高らかに宣言され、自治体レベルの国際協力の必要性が確認された。
自治体労働安全衛生研究会
公務災害、職業病の防止、快適な職場づくりをめざす自治体労働者と全国の医師・研究者によるネットワークで、88年に設立された。調査・研究、助言、講師派遣、職場改善事例集や職場改善チェックリストの発行などを主な活動としている。個人会員と維持会員(団体会員)からなり、自治労本部・安全衛生対策室に事務局をおいている。
支庁制度検討委員会
1999年1月に設置された支庁区域や支庁の機能に関して調査・検討し、道へ提言することを目的とする有識者会議。北大法学部神原勝教授を委員長とし、ほか15名で構成。2001年3月「支庁改革に関する試案」を公表。事務局は総合企画部構造改革推進室。
自治労(全日本自治団体労働組合の略語)
54年1月結成。都道府県庁、市役所、町村役場の自治体や一部事務組合、民間公共サービス事業所などの組合単組で組織している全国最大規模の単産。99年現在47県本部1直属支部3214単組1,020,536人が加入している。
自治労共済
自治労はそのスケールメリットを生かして消費生活協同組合法による共済事業を展開している。内容は民間の生保や損保と同様で、保険を共済、支払金を給付金と呼ぶ。現在、基本型、団結、長期、学資、火災、交通災害、自動車等の共済を行っており、自治体職員の加入率は高い。
自治労綱領三原則
自治労運動を進める基本精神、行動の指針。①我々は、生活の向上と労働条件の改善のため、組織を強化し、一切の反動勢力とたたかう。①我々は、自治体労働者の階級的使命に徹し、もって地方自治の民主的確立のためにたたかう。①我々は、すべての民主的勢力と固く連携し、日本の平和と独立のためにたたかい、もって世界の恒久平和に貢献する。
自治労青年女性春闘討論集会
毎年12月から翌1月にかけて全国9地域で開催される、青年部の春闘方針を討論する場。自治労本部青年部大会から半年近く経過することもあり、今後の闘争についての機関会議的意味合いも持つ。
自治労通信
自治労中央本部の発行する機関誌(月刊)。
自治労連(自治体労働組合連合の略語)
自治労の連合加盟に反対して結成された、共産党系の労働組合。
執行機関
大会で決定された事項を、実際に施行する機関。通常、執行委員会をさす。
実質賃金
労働者がその労働の対価として受け取る報酬である賃金をその時点での物価水準で除した実際の購買力を示す賃金。
児童労働の即時禁止
児童売春や債務労働など最もひどい形態の児童労働を即時禁止するため、ILOで条約設定の議論が進んでいる。また、インド、パキスタン、ネパールで、児童労働による生産物でないことを示すために「ラグマーク」をカーペットにつける運動が展開されている。これを受けて、世界各国の労働組合で、「ラグマーク」がついた商品を優先的に購入する運動が行われるなど、世界的な規模で児童労働の即時禁止に向けた取り組みが進められている。
資本主義体制の矛盾
「体制的合理化・体制的危機」を参照
指名解雇
労働者の意志とは関係なく、使用者が対象者を公表して、一方的に解雇すること。退職優遇制度によって希望退職を募集して退職に追いこむ方法と一応区別されているが、後者も、組合の団結が弱いときは名指しで説得され、実績は指名解雇と変わらない場合が多い。
指紋押捺制度
外国人登録法では1年以上日本に滞在する16歳以上の外国人に指紋押捺を義務づけている。1987年に指紋押捺は5年ごとから最初の1回限りとなった。また、92年には、永住権を持つ外国人に限定して指紋押捺制度を廃止するとしたが、依然として指紋押捺と登録証常時携帯を義務づけている。
社会的共通資本
道路、港湾、上下水道などこれまで公共事業の対象とされてきた社会資本に、大気、森林、水、土壌などの自然資本、福祉、医療、教育などの制度資本を加えたものをいう。これら市民生活を営むのに欠かすことのできないものは限りがあると同時に不均衡、不公正となることが許されないことから、市場経済に委ねるべきではないと考えられている。
社会的セーフティネット
社会生活を送る上で、困難な状態に陥った場合に援助したり、そうした状態になることを防止する仕組み。具体的には、社会保障制度、失業対策などの雇用政策、社会福祉サービスなどを指す。これらが存在することにより、いきいきとした生活を送ることができ、ひいては社会全体の活力につながっていくとされる。
社会的入院
医療の必要性よりも、家庭環境や経済的理由(社会的理由)を主たる理由として医療機関に入院すること。この場合、積極的な医療は必要とせず、入院期間は長期化する。福祉・保護施設への移管や在宅福祉・在宅医療の充実により社会的入院を減らす必要がある。
社会福祉労働者
パート、非常勤の職員が多く、法体制の不整備から労働環境が大きな問題となっている。自治労では労働組合への組織化を進めている。
周辺事態法
1999年5月に成立した新ガイドライン関連法案の1つ。有事にあって米軍の後方支援などを自衛隊が行い、自治体・民間の協力を要請できるというもの。「周辺事態」の解釈や有事の際に一般市民生活が危険にさらされるなどの問題をはらんでいる。
住民基本台帳ネットワーク
氏名、住所、性別、生年月日の4情報と住民基本台帳コードを転送するコンピュータを各市町村に設置し、これと都道府県センター及び全国単位センターとを専用回線で結ぶ構想(96年3月研究会報告)。高度情報化社会や高齢社会、地方分権の進展に対応していくために検討されたもので、住民基本台帳事務のほか、行政機関における本人確認事務、納税者番号制度などへの利用が想定されている。
住民基本台帳法改正
市町村ごとに個別に電算化されてきた住民基本台帳を全国でネットワーク化するための改正。情報は都道府県のコンピューターに集約され、他の都道府県、一定の国の機関、市区町村などが利用できるようになった。住民は、居住地以外でも住民票の交付が受けられ、転出転入手続きが簡素化されるなど、負担が軽減されるが、一方でその誤用・悪用によるプライバシーの侵害が懸念されている。
住民投票
地方自治体における住民の直接参加制度の一つ。現行制度上は、代表民主制の欠陥を補い住民自治の趣旨を活かす目的のものと、特定地域の住民の利害に深く係わる重要事項について当該住民の意志で決定するために行われるものとがある。前者に属するものは、議会解散請求(76条)、議員、首長の解職請求(80条、81条)などに伴う住民投票であり、後者に属するものとして、憲法に規定される地方自治特別法の制定に必要とされる住民投票である。重要な政策の決定を住民全体の直接投票に委ねることは、直接民主主義の伝統の強いアメリカやスイスの地方自治でしばしば行われてきた。例えば、1996年11月のアメリカ大統領選挙の際には、全米20州で合計90の住民投票が行われた。このように住民投票は、世界的な参加民主主義の潮流の中で、日本でも実施される段階に入ったことを示している。
住民投票条例
自治体の重要政策決定に住民の意思を反映させる目的で賛否の投票を実施することを定めた条例。地方自治法上の制度ではないが、条例制定権を根拠として独自に制定する自治体が増えている。96年8月に新潟県巻町で原発建設問題で初の住民投票が実施され、同年9月には県レベルで沖縄の米軍基地の存続で県民投票が実施された。
シュプレヒコール
元の意味は、古代ギリシア劇の合唱に模して音楽合唱の形式でする科白の合唱・朗読。転じて、デモの時などで、一斉にスローガンを合唱する意味になった。シュプレヒコールは元気良くやらないとシラけてしまう。
主婦論争
昭和30年代、日本の経済復興から高度経済成長の時代にかけて、マスコミで行われた専業主婦という存在をめぐる一連の論争のこと。その内容から前期と後期に分けられ、前期は専業主婦の擁護、否定、あるいは主婦の就業、社会参加などさまざまな論が出された。後期は家事労働の経済的価値の有無に関する論争が主だった。
障害者の法定雇用率
障害者雇用促進法にもとづき義務づけられている、民間事業主や国、地方自治体等の障害者雇用率。地方自治体は同法第11条により、「1OO分の2」を下回らない雇用率を達成するよう、身体障害者の採用に関する計画を作成しなければならないとされている。なお97年、同法と関係政令の改正により雇用率が引き上げられ、98年10月から地方自治体、特殊法人の雇用率は2.1パーセントとなった。また雇用すべき障害者についても、従来は「労働者に占める身体障害者の割合」を指していたが、「労働者に占める身体障害者または精神薄弱者の割合」とされることになった。
昇格
昇格とは、職員の職務の級と同じ給料表の上位の級にあがることをいう。例えば、行政職給料表適用職員が6級から7級にあがる場合などである。昇格と類似の意味合いとして「昇任」があるが、これは任用上の概念で、現在より上位の職(例えば係長から課長補佐)へ変更されることを意味する。昇格は、昇任と同義に使われることもあるが、本来は給与上の概念である。職務の級はその職務の内容に応じて決められているので、昇任と昇格は同時に行われることもあるが、現行制度では一つの職務が複数の級に格付けされていることもあり、必ずしも昇任イコール昇格という実態にはない。
昇給
昇給とは、給料表の同じ級内において現に受けている号俸より一号俸以上の上位の号俸になることである。
昇給延伸
勤務成績が良好であるとの証明が得られなかったり、勤務日の6分の1以上を欠勤したり、戒告以上の処分を受けた場合などのいずれかの条件に該当する者は、昇給期間が延伸されることになる。この場合の延伸期間については、特に定めはないが、負傷または疾病等による休職・休暇の場合には復職時に昇給の調整が行われる。
昇給短縮
昇給は、普通12月経過したとき1号俸上位になるが、この昇給期間を短縮することをいう。その具体的な方法としては、3月(3短)、6月(6短)、9月(9短)というように3月きざみで実施される。国や殆んどの自治体では人事院が作成した給料表やこれに準じた人事委員会が作成した給料表を使用しており、公務員労働者の賃金引き上げの手法の一つとして、昇給短縮の取り組みを進めている。
小集団活動
特にJR職場で行われている、職場グループでの業務改善提案活動。自由参加となっているが評価制の下、実質強制的な参加形態をとる。労働強化や職場の仲間意識の分断など、当局にとって都合のいい制度。
上申闘争
要求書を各職場(支部)所属長に提出するが、所属長段階で解決できない事項を上部機関に働きかけさせる方法をいう。
小選挙区
1選挙区において1名当選する選挙方法。当選人の得票数に対し、落選者への投票数が多くなる「死票」の問題がある。
常任幹事
労働組合役員の名称であるが、青年部・女性部・各評議会など補助組織において使われる。各支部から選出される一般役員。
情報公開
広義には、国や自治体の行政機関が保有する情報を外部の者に提供する一切の行為をさすが、現在問題になっているのは、一定の非開示情報を除き、外部の者が請求した場合に、その情報を開示することを政府機関に義務づける制度を設けること。住民の知る権利を保障し、開かれた政府の実現を目指すもので、国は行政改革委員会が遅ればせながら情報公開法要綱案をまとめ、1998年通常国会に提出したが成立をみなかった。自治体では98年7月現在、すべての都道府県・東京特別区のほか533市町村で条例または要綱を制定している。合計は580自治体で全自治体の2割弱にとどまっているが、制定自治体では教育、環境、医療、首長の交際費、入札など幅広い分野で情報の公開・請求が行われている。しかし、都道府県の公安委員会、多くの議会が公開の対象外であるほか、国の指示や行政の円滑な遂行を妨げるという理由で非開示になったり、自治体によって開示、非開示の判断が分かれることもあり、首長の交際費、教育情報などの非開示に対して訴訟にもち込まれる例が増えている。
書記
組合の運動、日常業務、共済活動を役員と共に行っている組合に雇用された職員。自治労には全国に約2,700人の書記がいる。
書記局
組合の自営業務の処理のため、執行委員会のもとに設置された事務機関。書記局は、会計監査を除く役員、スタッフ、職員(書記)などで構成される。組合員全員の名簿、各機関や組織の状況、組合活動の記録、組合財政の管理、調査統計資料、図書等を整備し、管理している。
職能給
職能給は、労働者の職務を遂行する能力を基準に定められた賃金であり、職務給や職種給がそれぞれ職務や職種の価値を基準にしているのに対し、職能給は、一人一人の労働者の職務遂行能力を基準とする。職務遂行能力の評価は、当該の職務においてどの程度の仕事をしているかという顕在的な能力と、各人が持っている能力でどの程度の仕事をこなすことができるかといった潜在的な能力を総合評価することになる。具体的には、顕在的能力は、査定給や出来高払いであり、公務員給与制度上は「成績率」を除いて具体的基準はない。後者の潜在的能力は個々の労働者の熟練度で表されるが、公務員給与制度上の具体的基準は経験年数のみである。
職務給
職務給とは、職務に応じて支払われる賃金で、職務の価値の高低に対応して定められるものである。職務の価値の高低は、客観的職務評価に基づいて決定されるべきものであるが、日本では職務評価にあたり、労働以外の要素(例えば、学歴・会社への忠誠度など)で主観的職務評価が行われている例が多い。国公法では、給与制度の根本基準として、職務給の原則を定め、「職員の給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなす」(62条)と規定している。ここで明らかなように、国公法上の職務とは、「一職一級」のような職階制を前提としたものとなっているが、その職階制は現在に至るまで制定されておらず、昭和23年以来、給与法による職務分類を当面援用するとしている(29条5I頁)。一方、給与法では、職務について「その複雑、困難及び責任の度合に基づきこれを俸給表に定める職務の級に分類する」(6条3項)として、いわゆる級別標準職務表(規則9−8第3条)を定めている。この級別標準職務表は、「一職三級」のように幅を持ったものであり、標準的尺度としての代表官職例を例示しているに過ぎない。職務給の決定の主要な要素となる職務の格付けは、①級別標準職務表、②級別定数、③級別資格基準=経験年数によって決定されるが、上記のとおり、①は標準的尺度を定めたもので職階制というには程遠く、②はそもそも職務給決定の基準とは成り得ない。このため、国公(公務員)給与制度上、職務給決定の唯一の基準が③の経験年数となっている。すなわち、公務員給与制度上の職務給は、年功賃金制との妥協の産物であるといえる。
女性差別撤廃条約
「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」の略。1979年第3回国連総会で採択された。日本では条約に合わせて国籍法、男女雇用機会均等法、教育における男女平等など国内法を整備し、85年に批准した。
女性参加推進計画
75年メキシコで第1回世界女性会議が開かれ、その後に続く国連の運動で、女性の地位向上を目指す世界的な流れが始まった。あらゆる分野への女性の参画により、男女共生社会を実現するための行動計画が各国で作られ、日本でも2000年までに3割の女性の参画を目標とする行動計画が作られた。4割の女性組合員を擁する自治労も、組合運動への女性の参画を積極的に進め、男女で自治労運動を担って行くことを決定した。構成人員に応じた参加・参画を目標としながら、当面2割の女性の参加を2000年までに達成しようと女性参加推進に取り組んでいる。性別役割分業の社会的意識として現存する中での女性の参加推進は様々な障害がある。男性の理解と協力なしには達成できないことであり、女性参加推進は男性の問題でもある。
初任給
新しく職員に採用されたとき、最初に支給される賃金(給料)のことをいう。初任給は、まず採用された職種によって適用する給料表がきまり、次に職務の内容と資格によって級が決まり、さらに採用前の経験年数によって号俸が決定される。職員の給料は、初任給を基礎として行われる昇給、昇格の積み重ねによって決定されていくことから、初任給決定は職員にとっては非常に重要である。
新・新行革指針
1997年11月、自治省が出した「地方自治・新時代に対応した地方公共団体の行政改革推進のための指針」のことをいう。①行政のスクラップ&ビルド②定員適正化計画の数値目標の公開、現行の行革計画の見直し③給与の適正化④民間委託等の推進⑤人材の育成と確保⑥公正の確立と透明性⑦広域行政の推進と事務の委託などが柱。
新ガイドライン関連法
新しい日米防衛協力の指針(ガイドライン)問題は、1997年9月、日米両国が合意した内容が公表された。日本の安全保障と直接関わりのない周辺有事の際に米軍への後方支援体制を組むことは、憲法や安保条約の範囲を超え、日本を直接戦争に巻き込む危険があるとして野党や市民団体などが猛反対したが、政府は、自自公体制の下、1999年5月、周辺事態関連法(別称「新ガイドライン関連法」)を成立させた。
新ゴールドプラン
ゴールドプラン(高齢者保健福祉推進10ヶ年戦略、1989年12月策定)を見直し、94年12月にサービス整備目標値の引き上げ等を行ったもの。93年度末までに完了した全国自治体の老人保健福祉計画の集計値がゴールドプランの目標値を大幅に上回ったためである。この修正により、90年から目標年の99年までの総事業費は9兆円を上回ることになった。その財源については、96年4月に実施された消費税率の引き上げ等によって措置される。介護保険における主要なサービスの基盤整備にとって、このプランの目標値の99年度末までの達成は不可欠とされるが、多くのサービス特に在宅サービスの目標達成はきわめて困難であり、介護保険が実施されても「保険あって介護なし」の状況、また市町村による整備状況の格差が懸念されている。
新再任用制度
高齢者再任用(退職後の再雇用)を行うための新たな制度。内容は「高齢者再任用」を参照。
人事委員会(勧告)
地方公務員は、地方公務員法第37条で争議権が全面禁止されている。また、非現業公務員は団結、団体交渉は認められているものの、第55条において団体協約を締結する権利が認められていない。これらの代償機能として、都道府県・政令指定都市は、地公法第7条で、人事委員会の設置が義務づけられている。
人事異動三原則
①人事異動にあたっては、民主的に事前に本人と十分話し合いをする。②任地における公宅は、必ず確保する。③組合規約に定められた組合役員については、組合と事前協議を行う。…の3点が当局との間で確認されている。
人事院勧告
「人勧(ジンカン)」と略して使用されることが多い。人勧は労働基本権に制限が加えられている国家公務員の給与その他の労働条件を確保する代償措置として1948年に設けられた。しかし、この制度には、①労働者の参加がない、②作業を行う者は政府が任命する、③常に民間賃金の後追いになる、④政府はこの勧告を遵守する法律的義務はないといった欠点があり、真の「代償措置」とは言い難い。自治体の賃金決定は、大筋国家公務員のそれに準拠しているところが多いため、自治労では毎年人勧の改善点について完全実施を政府に要求する運動を行っている。この勧告をする国の機関を人事院という。過去において、人事院の給与引き上げ勧告が政府によって値切られたり、凍結されてきた事実も、代償措置といえないことを実証している。
人事評価制度の4原則2要件
自治労は、新たな人事評価制度を導入する動きにに対し「4原則2要件」①公平性・公正性、②透明性、③客観性、④納得性の4原則を具備し、①評価制度の設計・運営への労働組合の関与、②評価への苦情を解決する制度の要件を設けることを提起している。
人種差別撤廃条約
国連第20回総会が、65年にあらゆる種類の人種差別の撤廃と人種間の理解促進を目的として採択した条約。加盟国は95年9月現在142ヶ国であるが日本は参加していない。個人、集団、公益団体が人種差別の行為・慣行に従事しないようにし、また国や地方公共団体がこの義務にしたがって行動し、立法を含むあらゆる適切な手段により人種差別を禁止し、終らせることを約束している。
新昇格制度
92年度から4年間の経過期間を経て、96年度から実施された新しい昇格制度のこと。その内容は、一定の級以上へ昇格する場合、従前位置付けられていた昇格基準よりも1号俸上位に決定するというもの。
信賞必罰
2001年3月27日に政府が公表した「公務員制度改革の大枠」の内容で使われた言葉。「優れた能力を示し大きな業績をあげた者は高く処遇される一方、組織に安住し職務を全うしなかった者は厳しく処遇される」の意。
シンパ
同調者、同情者の意味。運動に積極的ではないが、その主旨に共鳴し、援助する人々をさしていう。
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スクラップ・アンド・ビルド
毎年、各省庁は予算の概算要求を大蔵省主計局に提出すると同時に、組織、定員の増設、増員要求を総務庁行政管理局へ提出する。行政管理局長のもと、この審査の中心的基準をスクラップ・アンド・ビルドという。組織の新設(ビルド)にあたっては、同等の組織の廃止(スクラップ)を条件とし、純増を認めないという等価交換による組織管理(膨張抑制)の手法である。なお、この言い方は国庫補助金の抑制策にも使われている。
ステイトメント
声明あるいは声明書のこと。労使関係では使用者側または組合側が公式に一定の方針、見解または措置を発表する形式をいう。
スト批准
自治労が春闘時から確定期にかけて行う産別統一ストライキについて、その指令権を自治労中央闘争委員会に委譲することについて、組合員の了承を求めるもの。
ストライキ
憲法第28条では「勤労者の団結・団体交渉・団体行動(争議権)」するいわゆる労働三権が保障されている。労使の利害の対立が団体交渉などによって調整されない場合、労働者はギリギリの手段として団体行動権(争議権)を行使し問題の解決を図るため労働の提供を労働者の共同行為として停止する。このことを通常ストライキと呼んでいる。公務員は、このストライキ権が剥奪されているが、世界の趨勢からみてもストライキ権は付与されるべきである。
スローガン
自分たちが主張していること、考えていることを簡潔に力強く文章化したもの。政党や労働組合の大会や大集会では必ずといっていいほど事前に用意し、掲示する。スローガンは、1本だけでなく何本か並列することも多いが、あれもこれもと網羅すると参加者の注意が散漫になるので、多くても10本以内にすること、長さも1本40字以内にすることが必要である。そのなかでもとくに大きくアピールしたいものをメインスローガンといい、それ以外のものをサブスローガンという。
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生活の質(QOL)
qualityoflifeの略。生活の質を高くするという観点からの施策。介護や保健などの分野でもと入りれられている。
生協
生活協同組合の略。1948年に成立した消費生活協同組合法に基づき運営されている組織体。特定の職場を中心にした「職域生協」と地域的に組織された「地域生協」がある。
政策提言運動
地方分権時代が進展する中、現場で業務に精通した組合員が考えている制度・政策的な課題を労働組合の要求に反映する取り組み。自治研活動(地方自治研究活動)がその中心となる。よりよい仕事となることを実現させ、それが地域の本当の利益になる業務ならば、地域も職場も守っていくこととなると考えられる。
政治闘争
公務員の賃金・労働条件や生活環境の問題は最終的には議会で決定される。また、税制や福祉・保健・医療、年金などの政策・制度のあり方など、労使関係や労働組合の力のみをもって解決できない政治的課題が多数存在する。そこで私たちの主張を理解し、これを代表する議員をつくることがどうしても必要になってくる。そのため、選挙へ支援や政策討論などを議員や政党と行うことなるが、これらの取り組みを一口に表現している。
精神保健福祉士
精神病院や精神保健福祉センターでの、精神障害者の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決のため相談、助言、指導に応じ、社会復帰の促進のための援助を行う精神科ソーシャルワーカー(PSW)のこと。
成績主義の原則
「成績主義(メリット・システム)」とは、本来、「猟官制(スポイルズ・システム、公務員の任用を党派的情実により行う政治的慣行)」が行政の公平・公正かつ能率的遂行を損ねることから、これらを確保するために導入された制度で、実力や実績によって公務員の任用や昇進管理を行う制度である。したがって、成績主義は実力や実績が客観的、公正に評価されることが条件となる。
製造物責任法(PL法)
1994年6月国会で可決され成立。95年7月1日から施行。この法により、消費者が欠陥製品による被害にあった場合、製造者に故意・過失があったことを立証しなくても製品の欠陥を証明できれば、損害賠償を受けられるようになった。
性的権利(セクシュアル・ライツ)
「性的権利(セクシュアル・ライツ)」は、性的なことに関連した諸問題において、強制・差別・暴力を受けずに、自由で、責任を持ってコントロールする権利のこと。「性的権利」概念は、再生産の権利を含む広い概念だが、「再生産の権利」を含めて「性的権利」をとらえるためには、性に関してだけでアプローチすることは十分ではない。「性的権利」の考え方は、性や再生産においてのカップルの平等な関係には、性行為とその結果に、相互の尊重、合意、責任の共有があるべきということを示している。「性的権利」概念は、中絶問題、同性愛者の権利、売買春(性的搾取)問題、夫婦内暴力、性的虐待、レイプなどの性犯罪の問題、ダイエットや拒食症/過食症問題などにもかかわる重要な概念である。
青年共闘運動
共闘とは、2つ以上の組織が共同して闘争することをいう。青年部においては、連合青年委員会や平和運動フォーラム、社会主義青年同盟などを中心とした共闘体制の中、春闘、反戦平和運動、選挙闘争などに取り組んでいる。
政府・独占資本
政権党である自民党とその支持団体として一体となり、膨大な富と市場を独占している一部の大企業、経営者団体をいう。また、その利権や利益の収奪構造をいう。
声明
団体として内外に表明する意思。緊急の事態などに発せられる場合が多い。
生理休暇
生理日において、勤務することが困難(=苦痛)な女性職員が請求した場合、与えなければならない休暇。1日を単位として1回につき3日まで休むことができる(有給)。
政令指定都市
本来は政令で指定する人口50万人以上の市を言うが、実際には自治省では、一定の要件を備えた人口100万人以上の市のことを言い、札幌、仙台、千葉、川崎、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、北九州、福岡が該当する。
世界遺産条約
「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」の通称。世界的に重要な自然、文化遺産を保護するため、72年のユネスコ総会で採択された。エジプトのピラミッド、中国の万里の長城、ガラパゴス諸島などが登録され、日本では屋久島(鹿児島)、白神山地(青森、秋田)、法隆寺地域の仏教建造物(奈良)、姫路城(兵庫、滋賀)、白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜、富山)、原爆ドームと厳島神社(広島)が登録されている。
世界の失業者
国際労働機関(ILO)の発表によると、94年初めの時点で、失業中か最低生活水準を満たす程度の仕事についていない不完全雇用者は世界で8億2千万人で、全労働人口の30%になるという。経済協力開発機構(OECD)加盟の先進25ヶ国の失業者は3,500万人で労働力の8.5%にあたるという。
セクシュアル・ハラスメント(性的いやがらせ)
男女雇用機会均等法第21条では職場におけるセクシュアル・ハラスメントの概念について、「職場において行われる性的な言動に対するその雇用する女性労働者の対応により当該女性労働者がその労働条件につき不利益を受けること」(いわゆる対価型)又は「職場において行われる性的な言動により当該女性労働者の就業環境が害されること」(いわゆる環境型)の二類型に分けて規定している。
全共闘(世代)
68年から69年にかけ、全国の大学で次々と繰りひろげられた校舎のバリケード封鎖、ヘルメットにタオル・マスクの学生たちの群れ、デモ、座り込み、特に東大安田講堂“落城”時の学生と機動隊との攻防戦は全国民をテレビの前にクギづけにした。学生運動は初め、日本共産党色が強かったが、60年安保闘争を契機に代々木(日本共産党系)反代々木系に別れ、佐世保などベトナム戦争をめぐる一連の反戦闘争と世界的な反体制学生運動と連動しながら複雑な広がりをみせた。68年ピーク時には、全国大学の8割に当る165校が紛争状態に入り、その約半数の70校でバリケード封鎖が行われた。これまでの、セクト色の強い運動から「授業料値上げ反対」など各大学それぞれの問題をきっかけとしながら、各学部を横断した学生有志の自主的な、自然発生的な大衆闘争だったことに特色がある。しかし、各大学での“闘い”は警察力によって次第に鎮静化されていき、学生運動は再び党派組織に吸収再編されていく。全共闘から70年安保と、学生時代の実体験がその後の社会人としての生き方に少なからず影響しつづけた世代を『全共闘世代』という。
全国医療
全国医療等関連労働組合連絡協議会。医療労働者の全国ネットワークと医療労働運動の新たな構築をめざす「連絡・調整・協議機関」。現在、民間病院、公的病院、職域病院関連労組(日赤労組、全済生会労組、自治労、全電通、全逓、全たばこ、全印刷、全国一般)と県組織(北海道、青森、秋田、福島、宮城、新潟、群馬、東京、茨城、神奈川、岐阜、京都、福井、兵庫、山口、岡山、広島、烏取、徳島、大分、長崎、熊本等)が結成されている。友好と連帯のための交流活動、情報・資料提供、対政府・自治体交渉などを推進。医療と施設関連労組の都道府県組織づくりを展開中。
戦後補償問題
戦争中の強制連行、徴用、徴兵など、個人に及ぼした被害の補償をする事を戦後補償という。これまで日本は、かつて日本の植民地とされた台湾や朝鮮半島、第二次世界大戦で日本の侵略を受けたアジア諸国の人々などを戦後補償の対象としてこなかった。これらの人々から日本の戦争責任を問い、様々な補償要求が提起されている。
専従役員
組合員が自治体職員の仕事から離れて、専ら組合活動に従事すること。自治体職員としての身分のある「在籍専従」と身分を離れた「離籍専従」に分かれる。ILO87号条約の批准に便乗した関係国内法改悪によって、在籍専従役員の在籍期間が5年以内に制限された。これにより5年を超えて専従役員になる場合には離籍しなければならない。97年4月1日より7年に延長された。
善処
①最も良い方法で処理すること。②政治家達の間では、さしあたって何の処理もないことの表明に用いられる。役所では、無理だと分かっていても言えないとき、取りあえずその場を逃れるとき、問題をうやむやにしたいとき等に用いられる。言う側には大変便利な言葉であり、また、言われた側にもはっきりだめだと言われるより響きの良いファジーで耳に優しい言葉である。
選対
選挙対策本部の略語。
全面スト・部分スト・指名スト
ストライキに際し、一つの労働組合で全組合員がストに入る場合は全面ストという。同じ労働組合でも、一部の職場だけがストに入る場合を部分ストという。部分ストは、一部職場のストによって、企業の業務全体を阻害し、しかも他の職場の組合員は就労不可能な状態になっても、なおかつ賃金カットを免れるというもの。指名ストは、部分ストをもっと縮小し、特定組合員のみを指定してストに入る場合をさす。
戦略ミサイル防衛(TMD)構想
偵察衛星やイージス艦を利用して、海上と地上からミサイルを迎撃するシステムを開発・配備する構想。アメリカのほか日本、台湾が開発に参加しているが技術的に難しいことと開発・配備にあっては、日本も数兆円の負担が求められることが予想される。また、中国、ロシア、朝鮮半島における平和攻勢のもと、根拠が失われてきている。
前歴換算
学卒後、なんらかの前歴を有している中途採用者の初任給決定にあたっては、その前歴が評価されるが、前歴を有している者とそうでない者との初任給を同一に取り扱うことに対し、職員間の均衡上問題があるとし、前歴については一定の基準で職員としての経験年数に換算し、調整する。前歴の評価基準としては「経験年数換算」と「経験年数調整」という2段階を経て初任給が決定される。「経験年数調整」は94年に若干改善されたが、民間前歴を長く有するほど不利な制度となっており、毎年改善を求めている。
全労連(全国労働組合総連合)
共産党系の労働組合の中央組織。1989年に作られた。自治労が加盟している連合に対し、「政府・資本家と闘わない」などと批判するが、全労連としては政府と交渉すらできずにいる。
全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会の略語)
営利を目的としない共済事業団体。自治労とタイアップして火災共済、交通災害共済を扱っている。掛け金が格安。個人でも手軽に利用できる。
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総括
ばらばらのものを整理して、一つにまとめること。さまざまな取り組みの後、成果と課題を確認し、次につなげていくためにまとめられる。「総括答弁」「取り組みの総括」などと使われる。
総決起集会
闘争のはじめに全組合員の総結集で意識を鼓舞するために開催される。内外に対する強い意見・意思表明とアピールの意味もある。
早朝集会
闘争時に朝から行う集会。始業時までに終わるのは早朝時間外集会。始業時以降までやるのが早朝時間内喰い込み集会。
総評(日本労働組合総評議会の略語)
50年7月に組織され、連合結成前までの最大の全国労働団体。「昔陸軍、今総評」と評された組織力で、労働運動のみならず戦後日本の反戦・平和運動の牽引車の役割を果たした。
ソーシャル・クローズ
一部の途上国で、労働基本権の抑圧や強制労働、低賃金労働、児童労働などが深刻化している現状を解決すべく、国際自由労連(ICFTU)がかねてより取り組んできたテーマで、ILO87号やILO98号などILOのコア条約に示される最も基本的な国際労働基準を「社会条項」(SocialClause)として国際貿易の基準に結合しようという取り組みのこと。これにより、世界貿易機構(WTO)に加盟する各国は貿易に関する取り決めとあわせて基本的な国際労働基準の遵守が義務づけられ、違反があれば制裁発動もありうることとなる。しかし、「社会条項」の設定が経済成長への阻害要因となるとの観点から、途上国政府からの反発が強いことなど、実現に向けて取り組みの強化が求められている。
組織化
労働組合へ加入すること。ただし、ある一定のグループに対して表現する場合に使うことが多い。
組織内候補
組合の推薦を受け、議員に立候補した組合員。「政治闘争」参照。
組織率
雇われて働く雇用労働者に占める労働組合員の割合で、労働運動の社会的影響力を示すバロメーター。労働省によると、94年6月現在、雇用労働者は、約5,279万人、労組数は約3万2,600組合員は1,270万人で、推定組織率は24.1%。13年連続で史上最低を更新した。組織率は、戦後まもない49年に55.8%と最高を記録したが、以後は漸減傾向をたどり、53年から30%台、83年以降は20%台で推移している。
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第三セクター
政府中自治体(第一セクター)と民間(第二セクター)とが共同出資して設立する経営組織体をいう。自治省はこうした第三セクターを地方公社とよび、そのうち自治体による25%以上の出資法人については定期的に実態調査を実施している。1991年の地方自治法改正によって、自治体は公の施設の管理を第三セクターに委託できるようになった。第三セクターへの自治体職員の派遣について、それを公務と同視すべきではないとする判決(上尾市)と、必ずしも違法ではないとする判決(茅ヶ崎市)が東京高裁で示され、最高裁に係属していた茅ヶ崎市の件に関する判決は、違法事由はないとした東京高裁判決を破棄、差し戻しにした。
第9次長期計画
「組織強化委員会」を参照。
ダイオキシン
有機塩素化合物で、ポリ塩化ジベンゾダイオキシンの略称。塩素の数によってさまざまな異性体があり75種類にのぼる。なかでも2・3・7・8−4塩化ダイオキシンは発がん性、催奇形性を有し、皮膚、内臓障害などをもたらす史上最強の毒性物質といわれている。ベトナム戦争のとき米軍が使用した枯れ葉剤の中に含まれていた。戦争終結後のベトナムでの奇形児について、これとの関連が指摘されている。毒性が似たものにポリ塩化三ジベンゾフランや、ポリ塩化ビフェニール(PCB)のうちのコプラナーダイオキシン類がある。日本でもゴミ焼却場からの灰やパルプ工場の漂白過程でダイオキシンが検出されている。
ダイオキシン汚染
物の燃焼等によって生成される210種類の有機塩素化合物の総称。急性毒性、発がん性、催奇形性などのある猛毒である。排出量の約9割は廃棄物燃焼施設から。小規模炉で発生しやすいといわれ文部省は97年7月、学校内のゴミ焼却を抑制・廃止を通知した。
ダイオキシン削減緊急対策
1997年1月、厚生省が発表。ごみ焼却工場からのダイオキシン発生量を削減するために、緊急対策として恒久対策を行う。全国1,641ヶ所の焼却場を調査。80ナノグラムを超える焼却工場については、①焼却温度を80℃に保つために24時間連続運転を行う、②集じん器などの設置による排ガスの管理、③施設の改築・改善を行う。また、恒久的な対策として、①リサイクルによるごみの分別の徹底、②広域化による高度施設の建設、③焼却灰の溶融固化による再商品化、④ごみのRDF化による燃料管理と余熱活用などを示している。厚生省は6月24日の時点で1,496施設を調査。13の施設が休止、改築中。9の施設が廃止もしくは廃止を予定となっている。
大会
組合の最高議決機関。大会では、運動方針、予算、決算、規約・規程、の改正等を議決する。
大会書記長
議長団の大会運営を補佐する役割で執行部がその任にあたる。
大会役員
議長団をはじめ、大会書記長、議事運営委員、資格審査委員など、大会時のみの任務を与えられた役員のこと
代議員
大会で議決権を有する者。
大衆運動
組織・未組織の区別なく、労働者階級の人々全体の取り組みのことをいう。組合内のみで使われる場合は、役員だけの取り組みではなく組合員全体の取り組みであることを指す。
体制的危機・体制的合理化
資本主義体制下において、企業は限りない競争下におかれる。限りない生産性の向上が必要とされ、技術革新・大規模大量生産とともに限りない合理化が求められる。また、拡大した生産力に比べ、消費は拡大しないという矛盾を常に抱えている。常に赤字・倒産・経済破綻・社会混乱の可能性を抱えていることを表現する。
多国籍企業
国連の定義によれば「2ヶ国以上の国にまたがって事業活動をしている」世界企業を意味する。1960年代にはいって、米のゼネラル・モーターズ(GM)、エクソンなどの巨大企業は欧州を始めとする海外に積極的に進出、拠点を広げた。日本企業もその後、積極的に海外展開をしているが、その分、国内の生産が減り、雇用も少なくなるという空洞化の問題を生じている。
タスクフォース
行動委員会・特別行動委員会・プロジェクトチーム・対策本部のこと。
WTO
世界貿易機関。ガット(GATT)が発展的に解消し、95年に81の国・地域が参加して結成された国際機構。関税その他の貿易障害を除去し、輸出入制限を軽減することなどで加盟国間の自由で円滑な貿易関係を促進することが目的。95年末までに併存するガットが扱わなかったサービス貿易や知的所有権などに関しても監視対象とし、紛争処理機能も強化され、より大きな調停能力をもつ。本部はジュネーブ。95年8月で106ヶ国加盟。
団結ガンバロー!
大会はもちろんのこと、その他種々の集会の最後に必ず行う。「団結ヨーイ」で左手を腰にかけ、右手のこぶしを耳のあたりに置き、「ガンバロー!」の合図と共に右手のこぶしを天に向かって突き上げるのが一番ポピュラー。
団結集会
春闘における青年部層の総決起集会。各単産・単組においては、この時期、春闘学習会や春闘討論会を開催するが、単産・単組の枠を越えた共闘態勢の実行委員会形式で開催される。学習と交流を機軸としている。
団交(団体交渉の略)
労働組合が使用者と労働条件に関して交渉すること。憲法28条で唱われている。使用者が正当な理由なくこの交渉に応じないと不当労働行為となる。
単産
産業別単一組合の略語。産別と同じ意味として用いる。私たちの組織でいえば自治労。
短時間公務員制度
自治労は、雇用環境の実態と変化を踏まえ、臨時・非常勤・パート職員の権利拡充と均等待遇を確保し、パート労働者の権利保障や労働条件確保等に関する国際労働基準を定めたILO175号「パートタイム労働に関する条約」をみたす「同一権利・均等待遇」の原則の確立を求めている。
男女がともに担う自治労北海道計画
1996年に「男女がともに担う自治労計画」が決定され、道本部でもこの計画が策定された。あらゆる協議・決定機関に女性を配置することや活動分野への女性の参加などを決定している。
男女共生社会
男女がともにお互いをパートナーとして認め合う社会。あらゆる形態の差別をなくし、真の男女平等が実現される社会。
男女共同参画社会基本法
男女共同参画社会の形成についての基本理念を明らかにしてその方向性を示し、将来に向かって国、地方公共団体及び国民の男女共同参画社会の形成に関する取り組みを総合的かつ計画的に推進するため1999年6月23日施行された。
男女雇用機会均等法
正式には「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉増進に関する法律」1986年4月施行。日本が女性差別撤廃条約を批准するための整備として、勤労婦人福祉法を改正したもの。95年秋から婦人少年問題審議会で見直しをはじめ、97年6月改正均等法が成立、99年4月から施行。
男女雇用機会均等法の改正/改正男女雇用機会均等法
労働省の婦人少年問題審議会(労相の諮問機関)は、1995年10月より均等法の見直し作業を行い、97年6月改正均等法が成立した。99年4月施行。主な改正点は、①募集・採用、配置・昇進について男女の均等な取り扱いを努力規定から禁止規定に、②調停制度について一方申請の場合の他方当事者の同意要件を廃止、③均等確保のために事業主の講ずる措置(ポジティブ・アクション)に対する国の援助、④セクシュアル・ハラスメント防止に関する配慮義務、⑤差別禁止規定に違反している事業主が労働大臣の勧告に従わないときは企業名公表などである。同時に、労働基準法の女性保護規定(時間外・休日・深夜労働の禁止)を廃止することになった。小学校就学前の子どもの養育あるいは家族介護を行う男女労働者は深夜業免除を申請できる。98年9月、時間外労働は上限基準を年間360時間、激変緩和措置として家族的責任のある女子の上限は一定期間、年間150時間とする労働基準法改正案が衆議院で可決された。
単組
「単位組合」の略語。自治体別(企業別)に組織された労働組合であり、上部団体に加入している。また、単組の規模が大きい場合には、下部機構として支部・分会等をもつことがある。
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チェックオフ
組合員本人に賃金を渡す以前の段階でその賃金から組合費等を差し引くこと。
地区労(地区労働組合協議会の略)
全国の各地域に組織された横断的な労働組合の連合体であり、旧総評運動の財産といえる。
地公三者共闘
全道庁・自治労道本部・北教組で構成。
地公法
地方公務員法の略。
地方移管
国費職員・職場を完全な地方公務員・地方公共団体の職場とすること。「身分移管闘争」参照。
地方行政改革
「新・新行革指針」と同意。参照。
地方交付税
国税である所得税・法人税・酒税の合計額の一定割合及び消費税の5分の4の29.5%、国のたばこ税の25%を、自治体の一般財源として配分する税である。自治体間の財源均衡と自治体に必要な財源を確保するために設けられた地方財政調整の仕組みで、自治体が標準的な仕事をしていくうえで必要な一般財源と、普通の状態で集まると見込まれる税収額の一定割合を計算し、必要一般財源が税収額を超過した場合、その差額(財源不足類)に応じて交付する。交付税には普通交付税(総額の94%)と特別交付税(総額の6%)の2種類がある。
地方公務員法第22条(条件付採用及び臨時的任用)
人事委員会を置かない地方公共団体においては、任命権者は、緊急の場合又は臨時の職に関する場合においては、6ヶ月を超えない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合においては、任命権者は、その任用を6ヶ月を超えない期間で更新することができるが、再度更新することはできない。
地方公務員法第52条5項
警察職員および消防職員に団結権を否認する内容の条項である。消防職員に団結権を認めないことは、ILO87号条約に抵触している。消防職員委員会制度が1996年より導入されたが、団結権が付与されたわけではなく、依然として条約に抵触していることに変わりはない。
地方債
自治体が賃金調達のために負担する債務をいい、その返済が一会計年度を超えて行われるもので、普通は政府や銀行などの金融機関から借り入れる。地方債を起こすことを起債とよび、自治体が地方債を発行してもよい事業を適債事業という。
地方財政計画
内閣は毎年度、その翌年度の自治体全体の歳入歳出総額の見込額に関する書類を作成し、国会に提出するとともに一般に公表しなければならない。この自治体の歳入歳出総額の見込額を地方財政計画といい、自治省が作成し、地方財源の保証、国の施策実施の見通し、自治体の行財政運営の指針、個々の自治体に対する財源措置の役割を果たすものとされる。地方財政計画は年度当初の収入見込額を示した参考資料であるが、自治体の予算編成と財政運営の指針を示したもので、自治体の行財政運営に対する国の指導、統制を行う役割も果たす。1998年度の地方財政計画は、歳入・歳出規模で87兆964億円、前年度比0.0%増と財政構造改革に沿って実質マイナスとなった。
地方自治法
日本国憲法の地方自治に関する規定に基づき、都道府県・市町村をはじめとする地方自治体の組織・運営全般について定めた基本法。1947年に制定され、憲法と同時に施行された。市町村が中央の下部行政機関と位置づけられていた明治憲法下の旧制度とは大きく異なり、地方自治は、知事・市町村長の直接公選、公民の直接請求権、地方議会の権限強化など、地方自治体の自律性・自主性を担保し、住民による自己統治を保障している。しかし、この地方自治の原理は、国による介入・干渉をはじめ、中央集権的な支配体制強化の動向にしばしば脅かされている。
地方事務官制度
「国費労働者」を参照。
地方分権一括法
1997年7月に成立し、2000年4月1日から施行された「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」の俗称。機関委任事務が廃止され、法定受託事務の新設により、地方公共団体の権限が強化されたが、財政的裏付けが希薄という問題がある。
地方分権推進法
国と地方の役割を見直し、国から地方への権限と財源の委譲を目指す法律で、5年間の時限立法。1995年5月15日成立。第三者機関として総理府に地方分権推進委員会を設け、その勧告を受けて政府が地方分権推進計画を策定することになっている。委員会は7人で構成され、委員会事務局が補佐する。
地本
「地方本部」の略。自治労北海道本部においては、道内14地域(支庁区域とは違う)の区分で地区本部があり、その範囲で各単組が結集している。
中央委員会
大会に次ぐ議決機関。付議される事項は、大会決議事項の運営、大会から付議された事項などを議決する。
中央行動
春闘、人勧前などの交渉時、「日比谷野外音楽ステージ」あたりで集会が開かれ、そのあと国会や新橋駅方面にデモが行われる。
中央本部
自治労本部(全日本自治団体労働組合)のこと。地区本部や都道府県本部などと混同しないようにこう呼ぶ。
中核市
従来の政令指定都市に加え、規模が大きな都市(人口30万人以上、面積100平方キロメートル以上で、かつ人口50万人未満の場合は、当該地域で中核的な機能を有しているという要件)について、事務配分等の特例を設け、保健所設置、都市再開発等につき、政令指定都市に準じて事務を委譲する制度。都道府県の監督が残り、財政上優位性がないことが問題点として指摘されている。
中労委(中央労働委員会の略語)
使用者側による不当な差別や首切り等に対し、労働組合が交渉を行い、更に不誠実な対応の場合等やむなくストライキに入り、労使間では問題の解決に至らない場合、これを解決する機関として、労働組合法第19条で労働委員会の設置が定められている。労働委員会には、中央労働委員会、船員中央労働委員会、地方労働委員会、船員地方労働委員会がある。中央労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員で組織されている。その権限は、国営企業職員の労働関係に係る事件の斡旋、調停、仲裁及び処分について専属的に管轄するほか、2以上の都道府県にわたり、又は全国的に重要な問題に係る事件の斡旋、調整、仲裁及び処分について、優先して管轄することとなっている。また、地方労働委員会の処分を取り消し、承認し、又はその処分に対する再審査の申立てを却下することができる。
地連(自治労地区連絡協議会の略語)
全国を9つの地区に分け、地区ごとに事務局を設置している。県本部の活動を助け、地方的問題の共同解決を図る。地連の地区割りは、北海道地区(北海道)、東北地区(青森、岩手、宮城、福島、秋田、山形、新潟)、関東甲地区(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨)、北信地区(長野、富山、石川、福井)、東海地区(静岡、愛知、岐阜、三重)、近畿地区(滋賀、京都、大阪、奈良、和歌山、兵庫)、中国地区(岡山、広島、山口、鳥取、島根)、四国地区(高知、愛媛、徳島、香川)、九州地区(福岡、佐賀、長崎、大分、宮崎、熊本、鹿児島、沖縄)。
地労委(地方労働委員会の略語)
地方労働委員は、都道府県の機関として都道府県ごとに置かれている。その権限は、労働争議の斡旋、調整及び仲裁を行う。地方労働委員会は、使用者委員、労働者委員、公益委員で組織されている。
賃上げ
「賃金引き上げ」の略。
賃金確定闘争
「秋闘」参照。
賃金闘争サイクル
当初予算闘争・春闘から人事院勧告期・秋闘へと続く一連の賃金決定に係る動きの順序をいう。
賃金補償
組合の諸活動に参加したことを原因とする、賃金の減額支給による組合員の損害を補償することにしている。主にストライキによる賃金カットの補償であるが、組合活動参加による欠勤が生じたときも補償することになる。
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通信傍受法
組織的犯罪に対する捜査の必要性から第145国会に上程された組織的犯罪対策3法(1999年8月成立)の1つ。電話、インターネット、電子メールなどの通信傍受を捜査機関が合法的に行えることから、盗聴法だとして強い反対が起きたが、政府の自自公体制の下、強行採決された。対象犯罪が限定されたが、予備的傍受(13条1項)、別件傍受(14条)、事前傍受(3条1項)の容認、第三者立ち会いの実効性、更には組織犯罪対策としての有効性などの問題が存在する上、通信の秘密に対する侵害、表現の自由に対する萎縮効果、憲法35条の令状主義の形骸化など、憲法上の問題もはらんでいる。
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DPI
DisabledPeoples'International(障害のある人々の国際連帯組織)とは、1981年シンガポールで設立された障害種別をこえた障害者の国際的NGO(非政府組織)で本部はカナダ。福祉・人権・環境・平和などの分野で活動している。2002年10月の第6回札幌大会には、世界100ヶ国から、2,000名以上の障害者が参加する。この大会は、「障害のある人も、ない人もすべての人々は、ひとしく価値ある存在であり、すべての人々が尊重される社会の実現」をめざして開催される。
DPI日本会議
「障害者が障害者をたすける」セルフヘルプの団体。国連の経済社会理事会・世界保健機構、ユネスコの顧問として参加。DPI日本会議は、シンポジウムや学習会の開催、国会や官庁への要請など障害者への正しい理解を深めるための活動をしている。
定員モデル
自治省に設けられた地方公共団体定員研究会において開発された、住民基本台帳人口や世帯数、面積、事業所数など、行政需要に密接に関係すると考えられる指標と各地方公共団体の職員数との相関関係を多重回帰分析の手法により分析し、これに基づいて各地方公共団体が定員管理の適正化に向けた取り組みの参考とする職員数を自ら算出することができる計算式。
定期昇給
年に1度、決まった時期に1号俸アップすること。
定期大会
年に1度開催する方針決定を計る最大の決議機関。
定住外国人の地方参政権
1992年2月28日、最高裁判所は「定住外国人への地方参政権付与は憲法上禁止されていない」旨の判決を出し、立法政策の問題であるとの判断をくだした。判決を受け、各政党が議論を開始したが、当時の村山政権の与党である社会党、新党さきがけは積極的な姿勢を示し、与党3党の協議機関である政治改革協議会で具体的対応を求めた。
しかし、自民党が「相互主義」などを主張して譲らず、結局9月の政治改革協議会で先送りすることが決定された。日本に定住する外国人市民は、社会の構成員として納税の義務を果たし、地域社会の一員としての役割を担うとともに、日本の社会、文化、経済などの多くの分野で活躍している。
これらの外国人市民の間でも地方参政権を求める声が日増しに高まっているところであり、住民生活にかかわりの深い地方自治体の選挙に参加することを当然の権利として要求している。海外では、北欧諸国やオランダで選挙権・被選挙権とも認めている例もある。
定年
会社・官庁などで、退職・退官するよう定められている年齢。
デポジット制
商品を売る時に預かり金を上乗せし、空き容器や使用済み製品が戻ると、その分を返す制度。ドイツでは飲料容器、洗剤などに、スウェーデンでは車などに実施するなど、欧米では普及している。
国内での試みは、ほとんどが外部と仕切られた島や公園、観光地だったが、東京都は1994年10月から、缶ビールや清涼飲料の缶やペットボトルにシールを貼り、預り金5円を上乗せして販売、容器と引き換えにお金を返す実験を始めた。
メーカーや流通業界の団体は、売り上げが落ちたり、回収の手間がかかったりするため、制度に反対しているところが多く、91年にできたリサイクル法には、環境庁が検討したデポジット制を盛り込むことができなかった。
デモ
デモンストレーションの略語。特に示威行為を言う。野外集会の場合、集会終了後、地域を1列4人あるいは6人でデモ行進する。ジグザグデモは、決められたコースを超え、ジグザグに動くこと。そのためしばしば機動隊と衝突することがある。
フランスデモは1列ずつ手を広げて握り道路一杯に広がってやるデモのこと。フランスの学生が編み出した戦術と思われる。反戦闘争の華やかなりし頃は、青年層のデモは、ジグザグ、フランスデモの繰り返しであった。
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統一応募用紙
行政、企業の差別採用選考を排除するために、73年労働省、文部省は、①社内紙の拒否、②本籍は県名にとどめることなどを柱とする統一応募書類を使用するよう通達を出した。あわせて、戸籍謄(抄)本の提出義務や身元調査をなくすよう指導した。しかし、行政、企業の統一応募書類に対する認識は十分とは言えず、今後の運動のいっそうの強化が重要である。
統一行動
労働組合、政党、市民団体などがそれぞれの団体のイデオロギー、立場などの相違をこえて要求を統一して、一致した要求で一つの行動をとることをいう。ただ、自治労の場合には全国統一行動として、中央本部、都道府県本部、各単組が一斉に同じ行動を起こすことを指す場合が多い。
統一要求
自治労または自治労北海道本部全体としての要求。単組独自の問題解決のための事項は付加要求となる。
動員
会議、集会の時などのために、参加者を組織的に集めるよう呼びかけること。集会の参加には動員がつきものである。
当局
その時々の政治の枢要な地位にあること、または、その人。労働運動で「当局」というと、賃金や労働条件などの交渉をする相手方の総称。
東西問題
第二次大戦後の冷戦(米ソを当事者とした熱戦に至らない政治、軍事、経済、イデオロギーなどさまざまな局面の対決)時代は、アメリカを頂点とする西側資本主義陣営とソ連に率いられた社会主義陣営とのブロック対立にあった。東西問題は主として北半球の問題であったが、それぞれの陣営に引きつけるための労財援助競争が南半球の発展途上国を客体として展開された。日本は日米安保体制下、西側陣営に位置したが、様々な局面での東西対決が国内政治にも大きな影響を与えた。
当初予算闘争
年度分の予算は、その年度の始まる前の1月末〜2月初旬に第1回定例道議会で議決される。この予算に組合としての要求を予算化させるためにその前1年間において要求のとりまとめや要求書の提出・各交渉を配置し、たたかいを進めている。この一連の動きをいう。
闘争
組合活動で一番使われる用語。賃金闘争、病院闘争、選挙闘争という具合に運動課題に付けて使う。同じ言い方として「○○のたたかい」というのがある。使いすぎると、何が一番のポイントになる運動か解らなくなる。
闘争費
組合費の一つ。闘争ごとの動員費、行動費、当該闘争にかかる資料、消耗品、通信運搬費、会場借り上げなどに対応する経費。
盗聴法
「通信傍受法」を参照。
同盟(全日本労働総同盟組合会議の略語)
64年11月全日本労働組合会議(全労会議)と日本労働組合総同盟(総同盟)が総合して結成。「自由にして民主的な労働組合」を旗印に国際自由労連の動きと相まって総評との対決姿勢を深めた。民間産業のかなりの分野を組織していたのが特色。運動路線も「会社あっての組合」として労使協調をべースに産業民主主義、政治的民主主義、国際民主主義の三原則の推進を目標としていた。
独自の削減措置
「人件費削減攻撃」参照。
特殊勤務手当
著しく危険、不快、不健康または困難な勤務に従事する職員に支給される手当。地方自治体で、特定の職種を対象に一般的に支給されているものとして①税務事務②社会福祉事務③職業訓練事業などがある。
独自要求闘争
当初予算闘争において、青年部や女性部、現評、非常勤連絡会など、各層において独自にとりまとめた要求に基づき各層が当局とのたたかいを進めることをいう。また、この取り組みについては、ただ単に要求の実現を求めることのみを目的にしておらず、その課程における理論的な学習効果や組合活動への結集を図ることによる組織的運営の強化をねらいとしている。
特別会計
「一般会計」を参照
特別休暇
特別休暇制度は、職員が、各自治体の休暇制度においてあらかじめ定められた特定の事由に至った場合に、所定の手続きを経て勤務義務を免除される制度である。勤務時間法上の特別休暇の種類と期間は、人事院規則15-14第22条で、15種類の休暇とその期間が定められている。
特別昇給(特昇)
特昇は、職員の勤務成績が特に良好である場合など、一定の要件を満たすときに行われる。しかし、国家公務員の特昇制度をみても、各省庁とも特定職員のみ反復適用することはできないので、勤務年数に応じた輪番制が事実上確立されて、定期昇給のほか、1号俸(給)の特別昇給が行われている。
泊原発3号機増設問題
泊原発の3号機増設に対しては、道主導の「道民の意見を聞く会」が道内5カ所でアリバイ的に強行され、多くの反対意見が出された。北海道平和運動センターが中心となり、道民投票を求める100万人署名なども取り組んできたが、最終的に2000年9月、堀知事は、道民の意見を無視して受け入れを容認した。また、道民投票についても否定的な態度に終始した。3号機増設は、周辺自治体や漁協・農協などへの懐柔が着々と進み、着工への基盤は整いつつある。
都道府県代行制度
過疎市町村では下水道事業などを行う財政力・技術力が乏しいため、改正された「過疎地域活性化特別措置法」に基づき、市町村の代わりに都道府県が根幹的施設を建設する制度。91年度に創設され、財政力指数や人口規模、環境要件などの対象基準がある。
ドナー休暇
骨髄の提供などに際して、ドナー登録や移植のために必要な検査・入院などについて必要な期間に認められる休暇制度
泊原発
泊村に建設された道内初の原発。建設・稼働をめぐっては、道民投票条例の制定を求めた署名活動や抗議行動が労働組合を中心に大々的に繰り広げられたが、強行された。
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内部留保
企業が利益金から税・配当金などを差し引いて、残りを企業内に蓄積すること。社内留保ともいう。
ナショナル・センター
労働組合の全国中央組織をいい、加盟単産間の調整を図り、統一行動で労働者全体の権利と生活を守る。日本では連合のこと。
南北間題
60年代、主として北半球に位置する先進工業国と南側に位置する発展途上国との所得格差が南北問題として注目された。その後南北格差の是正や、経済的自立をめざす南の諸国への支援など、南の要求に北が応じるという国際的合意の下で、様々な取り組みがされたにもかかわらず南北格差は広がっており、貧困、飢餓、累積債務、環境問題などへの取り組みも遅れている。又近年、NIES(新興工業経済地域)の台頭により、南側諸国の中にも豊かな国とそうでない国の南々格差が広がりつつある。北の先進国に対する南の従属関係、反対に多数派である南の諸国の数に対する北の抵抗という問題もある。
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日米安保(条約・体制)
51年、サンフランシスコでの講和条約調印と同時に日米間に締結された条約。日本の再軍備までの「暫定措置」として米軍は、日本に駐兵権を持ち、「極東における平和と安全の維持」に必要な場合、日本国内の内乱や騒擾の鎮圧、日本が外部から武力攻撃を受けた場合に出動できるとしている。
60年に「日米両国防衛義務の明確化」や「極東における紛争に対しても基地提供」などを主な内容として「改定」が行われたが、「新条約」は「極東の範囲」や「事前協議」について不明確で、米軍の軍事攻撃に自動的に巻き込まれる恐れがあり、社会党、共産党、総評などによる安保改定阻止国民会議が結成され、国会周辺では連日集会、デモが行われた。
「新条約」は自民党の単独採決によって承認されたが、国民的な反対闘争は、米アイゼンハワー大統領の訪日を阻止し、岸内閣を退陣に追い込んだ。安保条約は経済、政治面の協力も規定しており、また自民党政権の国内政策や外交が日米安保条約を基本とされてきたことから「安保再定義」が国会での論議なく、日米首脳会議で確認された。
冷戦構造の崩壊や沖縄事件で明らかになった「地位協定」の問題など改めて「安保体制」の見直しが求められている。「アンポフンサイ・トウソウショウリ」は長い間、反戦デモの際の掛け声であった。
日米防衛協力のための指針(ガイドライン)
96年4月の「日米共同宣言」による、「日米安保再定義」に続いて、「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)の見直しが安保問題の次の焦点になっている。
ガイドラインは、日米防衛協力の具体的中身である共同作戦計画づくりの基礎となるもので、78年に作られた従来のものが、日本有事に重点をおいているのに対し、今回の見直しでは、朝鮮半島など日本周辺有事に日米がどのように協力して当たるかが課題となる。
その際問題となるのが、米軍の武力行使との一体化である。戦闘への参加など「一体」と見なされる行動は、集団的自衛権の行使にあたり、憲法では許されないというのが現在の政府の見解。
日経連
日本経営者団体連盟の略称。1947年5月に設立した日本経営者団体連合会が、翌年改組して発足した。経団連が主として経済問題分野で活動する事業者団体であるのに対し、労働問題対策を目的にして活動する経営者団体。毎年、春闘前に「賃金白書」を出し、経営者側の見解を主張し、具体的な争議対策を行っている。
2・8(体制・闘争)
ニッパチと呼ぶ。2・8体制とは、医療職場における看護職員の夜間の勤務体制のことで、勤務は2人で、1人月8日以上夜間勤務しない体制をいう。2・8闘争とは、それまで劣悪な労働条件で勤務していた看護職員の勤務体制の改善をめざし、69年2月から4月にかけて闘われた新潟県職労傘下の県立病院で「2・8体制」を勝ち取ることができたことから「2・8闘争」として、全国に広がった。
日本社会主義青年同盟
反独占・反合理化闘争を進め、社会主義の実現をめざす青年政治同盟。独自活動では、経済、情勢学習による思想性の確立を図ることとし、実践においては、労働運動の強化へ向けた活動を行う。
入国管理法
正式には、「出入国管理及び難民認定法」。1989年12月に改正され、翌年6月に改正法が施行された。この法律の施行にともない日本で働くことが法律上許されていない外国人を故意に雇用、斡旋するなど不法就労を助長した者に3年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられることになった。
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濡れ落ち葉
樋口恵子が命名した言葉。定年退職後の夫が、家の中で暇をもてあまし、妻にまとわりついていることのたとえ。
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根回し
①大木を移植するとき、一、二年前にその周辺を掘って樹根の大部分を切断しておき、ひげ根を多数生させて、移植を容易にすること。②ある事をなし遂げるために、あらかじめ関係方面に依頼したりして準備しておくこと。
年間賃金闘争サイクル
「賃金闘争サイクル」参照。
年金制度改悪
厚生年金など、公的年金制度について、将来の保険料負担が過重にならないために給付水準を抑えるという内容の年金制度改正法が5年に1度財政再計算を行う年度の2000年3月に成立した。その5年前には、年金給付年齢の65歳への引き上げ改正が既に行われている。
年金の一元化
全国民レベルでの公的年金制度の給付と負担の公平化を図ること。61年4月に実施した国民皆年金体制は、職業や職域別の制度の分立を前提にしたもので、支給要件、年金額、保険料負担等において不均衡があった。そのため85年改正では二階建年金に再編成し、一階の基礎年金部分に関しては完全な一元化を達成し、二階部分も厚生年金に準拠する形で共済年金の給付を組み替えた。
年次有給休暇
毎年一定期間の休暇を有給で与えることによって、労働者に安心して休養をとらせ、心身の疲労を回復させ、ひいては労働力の維持培養を図ることを目的としているもので、労働保護上重要なものとされている。そのため、理由は問われることなく、どんな理由でとってよい。
年齢別最低保障制度の確立
年齢別最低保障制度には、年齢別最低初任給の役割と在職者の調整ルールの役割の2つがある。その水準は、「最低の生計費をまかなう賃金水準」か「ゆとり豊かさを実現できる賃金水準」のいずれかが求められる。自治労の目標は、高校卒(18歳)初任給を起点に35歳時点で標準入職者の賃金の80%の確保をめざすことである。当面の目標を在職者調整ルールの確立に置き、順次その水準の引き上げをはかるとともに、年齢別最低初任給についても、若年労働者の減少や就業意識の変化に積極的に対応し、人材確保の観点からその確立に努めることが重要である。
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納税者番号制度
課税の適正化を図るため、納税者に番号をつけたうえで、コンピューターを利用してさまざまな取引を管理しようというもの。株主売却益や預貯金の利子などの資産性所得を給与所得などと合わせて課税する総合課税化の制度的前提としてその必要性が指摘されている。政府税制調査会(首相の諮問機関)の利子・株式等譲渡益課税小委員会は1992年、「国民の理解を深める努力を続けていく必要がある」と制度導入に前向きな考え方を示したが、一方で個人のプライバシーを侵害する懸念も表明した。また、1994年9月の与党税制改革大綱でも、「公正・公平な課税の実現のために有効な手段」と位貿づけ、「21世紀初頭をめどに、コスト、経済取引への影響、プライバシーの問題等について具体的な検討を行い、国民の理解を得つつ、導入に向けた積極的な取り組みを行う」としている。これと似た制度としては、1980年に預貯金の名寄せを行うグリーンカード制度(少額貯蓄等利用者カード)の法律が成立したが、自民党などの反対で廃止になったことがある。
ノーマライゼーション
障害者中高齢者など、社会的不利を負いやすい人が、一般の社会の一員として存在することが通常の社会であり、この様な人たちを隔離的に処遇するのではなく、家庭や地域社会で、日常生活ができるような社会にしようという考え方。元来は「精神遅延者に普通に近い生活を確保する」という意味で使われたが、デンマーク、スウェーデンなど北欧の国々で発達し、精神遅延者に限らず障害者全体を対象とする社会福祉の理念となった。81年の国際障害者年のテーマとしてとりあげられ、日本でも浸透、定着化しつつある。
ノンバンク
バンク(銀行)でない金融機関、という意味。日本では「預金等を受け入れないで貸付業務を営む会社」とされており、リース、信販のほか、住宅金融専門会社(住専)クレジット、消費者金融等多種多様。
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パート労働と103万円の壁
給与所得の年収が103万円以下の場合、基礎控除38万円と給与所得控除65万円の合計103万円の所得控除が受けられ、さらに既婚女性の場合、夫の収入から配偶者控除が受けられる。ところが妻の収入が103万円を超すと配偶者控除がなくなり、夫の手取りが減少することがある。また、夫の勤務先からの家族手当がカットされる場合もあり、夫婦の合計所得が減少することがある。このため既婚女性の多くが年収103万円の範囲で働こうとする傾向がある。これは、妻=被扶養者という社会システムの上での制度であり、女性の経済的自立を阻害する壁になると同時にパートタイマーの労働条件の低さの原因になっているとする議論がある。
パート労働法
93年6月に成立した法律で、正式には「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」とよばれる。短時間労働者とは「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者に比し短い労働者」のことを指す。法律の目的は、労働条件の適正化、教育訓練の実施、福利厚生の充実、職業能力の開発・向上などを図ることである。
廃棄物処理センター
1991年の廃掃法改正の際に、産業廃棄物と適正処理困難物、特別管理廃棄物の処理・処分のために第三セクター方式で設立できるようになった。出資比率を50%ずつにすることで議会報告を義務づけ、公共関与することが必要。現在8県が設立。
廃棄物処理法
正式名は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」。1961年の公害国会で公害関係法案の一つとして制定。この法律は廃棄されたものの処理についてのみ対象としており、問題になっているごみの減量、資源化、リサイクルなどについて何らふれておらず、91年通常国会に「一部改正案」が提出され、同年10月に成立した。
旗開き・旗納め
「旗開き」は組合の年始め、「旗納め」は組合の年納め。
8時間労働制
働く時間の最高限度を1日8時間に制限する制度のこと。1日を週休日とし、1週間の最高労働時間を48時間とする概念から生じた制度。1919年、ILOが第1回総会で第1号条約として宣言し、労働時間立法の目標とされた。
鉢巻
ねじり鉢巻と向う鉢巻があるが、組合で巻くのは、受験生や駅伝ランナーと同じねじり鉢巻である。以前は闘争時はひんぱんに鉢巻姿が見られたが、ファッション的に人気がないのか、近年は、確定闘争の最終交渉とか最重要場面でしか見られない。鉢巻に染められた文句には、「要求貫徹」と「団結」が多い。
バリアフリー
障害者や高齢者などが社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去すること。施設や設備における段差解消のハード面だけでなく、障害者の社会参加を困難にするあらゆる場面での障害の除去を含んでいる。
反核・反原発
自治労の取り組みの主要な課題のひとつ。青森県六ヶ所村の核燃サイクル建設反対、福井県敦賀の高速増殖炉「もんじゅ」運転反対のほか、核燃輸送の監視、追跡行動などを各地で市民団体と共同してとりくんでいる。
反核平和の火リレー
ヒロシマの平和の火をトーチで走り継ぎ、ヒロシマ・ナガサキの惨禍を伝えるとともに、全世界からの核兵器の廃絶をめざして世論の喚起と自治体の「非核平和宣言」・平和行政の推進を求める取り組み。1980年代はじめにヒロシマの青年たちがはじめた。
反合
反合理化の略語。反合闘争と賃金闘争が日本の労働運動の主要な課題とされてきた。
反合理化職場闘争
職場における労働者の権利を守る又は拡大するとき、資本の競争原理に従えば必ず代償として何らかの合理化が求められる。この合理化を身近な環境から跳ね返していくたたかいをいい、労働者の働く権利拡大の基礎となるものである。
反帝連帯
帝国主義という用語は、1870年代に英国において植民地支配を強化し、「帝国」の一体化を推進する政策に使われた。転じて、資本主義による独占資本や金融資本の支配に抗して、全ての国の労働者とともにたたかうことをいう。
反動化・反動的
歴史の流れに逆らう保守的な傾向。非民主的なことをいう。
反独占
「政府・独占資本」を参照
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B&G財団
ブルーシー・アンド・グリーンランド財団の略。モーターボート競争法制定20周年を迎えた1971年に日本船舶振興会が記念事業として発足させた。海洋性レクリェーションなどの実践活動を通じて青少年の心と体を育むことを目的とし、プールなどスポーツ施設設置や指導者の養成を行っている。創始者は笹川良一。
PSI・国際公務労連(PublicServicesInternational)
1907年に結成。世界131ヶ国、499組合、2,000万人を組織しており、日本からは自治労、全水道、国公総連、国税労組、政労連、全駐労が加盟している。世界各国の公務労働者の利益を擁護し、その経済的、社会的地位の向上を図るための活動を行っている。
PSI教育モジュール
国際公務労連(PSI)が作成した労働組合教育のためのトレーニングマニュアル。「労働組合とは何か」「労働組合の強化」などの基礎的なテーマ別に構成されており、すべて参加型教育方法でつくられている。参加型教育法では、従来の詰め込み式の講義型学習とは異なり、小グループでの気軽な形での討議を基礎に、誰もが積極的に参加でき、テーマについての理解を討議を通じて深めることができる。
PFI
従来、公共部門が実施していた社会資本整備などの公共サービスを民間部門の資金を導入して、民間事業者を中心に実施する方式。
PKO/PKF
平和維持活動。第二次世界大戦後の米ソ対立によって、国連憲章第7章で唱えられた集団安全保障が実現されなかったため、紛争の平和的解決をめざして考え出されたもの。主たる活動は、紛争の拡大の防止、停戦の監視、選挙の監視、非武装の監視団と軽火器類を保有する平和維持軍(PKF)である。この派遣には、紛争当時国の同意または要請(同意原則)、自衛以外の目的での武力の使用禁止(非強制の原則)、国連事務総長の指揮下における中立性(中立の原則)の3原則が必要。ただ近年、予防展開型のPKOや平和執行部隊のように従来のものと様相の異なるPKFも展開され、問題も多く、課題を残している。
ピースカンパ
自治労道本部青年部の平和運動の取り組みのひとつであり、歴史に学ぶ目的の訪中団「侵略を記憶し語り継ぐ平和の旅」「自治労青年女性オキナワ平和の旅」への派遣カンパ。
非核国連合(新アジェンダ連合)
核軍縮を推進する国家グループ。ブラジル、エジプト、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、スロベニア(後に離脱)、南アフリカ、スウェーデンの8カ国。1998年6月「核兵器のない世界へ−新たなアジェンダの必要性」という共同宣言を発表。核不拡散の義務を果たしている非核保有国の立場を代表、核保有5カ国と事実上の核保有国の印・パ・イスラエル3国に対し、核軍縮を具体的に進めるよう要求。同内容を98年12月国連総会に提出、採択された。2000年5月の核不拡散条約再検討会議では、「核保有国による核廃絶の明確な約束」を盛り込んだ最終文書の作成に貢献した。
非核自治体宣言
地方自治体が議会を通じて、反核の意志を非核宣言として表明するもので、1958年6月、愛知県半田市が最初に行った。1980年11月、英国マンチェスターの市評議会が非核宣言を出して以来、この運動は世界中に急速に広がり、それが日本に逆輸入された形で国内の非核自治体宣言都市の数は急増した。
ピケ(ピケッティングの略)
ストライキを実行する場合に、ストライキを破る者を見張ること。
非拘束名簿方式
2001年の参議院選挙の比例代表制に導入された方式。党名または比例代表候補者名簿に登載された個人名で投票する方式であり、当選順位は、個人得票順となる。森内閣当時の自民党が絶望的な内閣支持率を背景に起死回生策として導入した。旧全国区の復活ともいわれ、有名人人気を当て込んだ党利党略のために導入した選挙制度。
被爆者援護法
原爆投下直後から、69年の葬祭料創設以前に亡くなった被爆者の遺族のうち、自身も被爆者である人に対して、一人10万円の特別葬祭給付金を2年間の記名国債で支給する。対象者は20数万人と推計されている。「放射線による健康障害という特別な犠牲について被害相応の補償を認める」という考え方に立つ。前文で「国の責任において総合的な援護対策を講じ」とあるが、戦争責任論や謝罪はなく、戦争に対する国の責任は暖昧なままになっている。
評議会
組合の補助機関。組合の運動方針に基づき、各職種特有の問題を中心に、組合執行部との連携のもと当局交渉などの活動を行う。各評議会別に三役体制がある。
標準労働者
連合賃金政策(93年)では、「標準的に昇進昇格した基幹労働者」または「学卒直入の勤続者」と定めている。自治労は「標準的に昇進昇格した行(一)表適用一般職の高校卒直採用者」とし、勤続・年齢別では、18歳初任給及び35歳のポイント賃金を設定している。
ビラ
主に宣伝用、アピール用につくる小さな印刷物で、不定期に発行するものをいう。「ちらし(散らし)」と同じ意味。ビラは労働組合の教宣活動の手段であり、機関紙・誌の補助的役割を果たしているが「教育」「宣伝」という面より「扇動」の役目を強く持っている。
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VDT管理基準
作業労働衛生管理基準のこと。VDTはビジュアル・ディスプレイ・ターミナルの略。VDT作業とは、CRTディスプレイ、キーボード、プリンタ及びその周辺機器により構成されたVDT機器を使用してデータの入力・検索・文章の作成・修正及びプログラミング等を行う作業をいい、この作業に係る作業環境管理、作業管理、健康管理等について必要な事項を定め、従事する職員の健康と安全の確保を図ることを目的としている。
VDU作業
VDUは、ビジュアル・ディスプレイ・ユニッツの略。「VDT管理基準」と同じ。参照。
フェニックス
大都市は人口、産業が集中し廃棄物も多く排出されている。しかし、一方で土地の高騰、住民運動、費用問題などで処分場の確保は極めて困難となっている。特に、個別の自治体では限界に近づき、適正処理を維持できないような状況ももたらしている。そのため、自治体が協力し合い、共同で海上に最終埋め立て処分場を建設し、廃棄物を長期安定的に適正処理することを目的に作られた。現在、運営されているのは、近畿圏の廃棄物を受け入れている「大阪湾フェニックス計画」。1995年の阪神・淡路大震災の時は、災害廃棄物を受け入れた。
フェミニズム
女性尊重の風潮。男女同権論。男女同権主義。女性解放論。女権拡張論。かつては女権拡張運動を意味したが現在は女性解放論と訳すのが一般的となった。近代以降の欧米を中心としたフェミニズム運動は大きく2期に分けられる。第1期は19世紀半ばから20世紀初頭にかけて起きた運動で、女性参政権獲得運動に代表される。制度的な男女平等、女権の拡張をめざした。第2期は1960年代後半から70年代初頭のウーマン・リブに端を発し、欧米から世界各地へと広がっていった。依然として存在する家庭や職場における性差別からの解放をめざす思想・運動となった。
附加要求
「統一要求」参照。
福祉八法
90年6月「老人福祉法等の一部を改正する法律」が制定され、関係する福祉八法(①老人福祉法②社会福祉事業法③児童福祉法④身体障害福祉法⑤精神薄弱者福祉法⑥母子及び寡婦福祉法⑦老人福祉法⑧社会福祉・医療事業団法)が改正された。このことにより特別養護老人ホーム等への入所決定権は都道府県から市町村へ委譲され、在宅福祉サービスの推進、老人保健福祉計画の策定など、住人に身近な施設福祉サービスは市町村で一元的に提供するとされた。そのため福祉事務所には業務見直しと人員配置の見直しが提案され交渉の結果、一部人員削減と同時にそれまでの単法担当制から地域総合型担当制へ移行した。
双子・三つ子
双子とは、2つの号俸から同一の号俸に昇格する場合で、昇格前のこの2つの号俸のことをいう。また、三つ子とは、3つの号俸から同一の号俸に昇格する場合で、昇格前の3つの号給をいう。双子または三つ子は上位号俸に行くにつれ多く設けられており、昇任の差による賃金格差を広げる制度と言える。
普通昇給
普通昇給とは、現に受けている号俸を受けたときから12月を下らない期間を良好な成績で勤務したとき1号俸上位の号俸になることで、定期昇給ともよばれる。例えば行政職給料表で3級3号俸の発令から12月経過したとき3級4号俸になるような昇給を言う。普通昇給の実施時期は、毎年1月、4月、7月、及び10月の各月の1日と定められている。
不当労働行為
使用者が労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権の労働三権を侵害する行為をいう。我が国の不当労働行為制度は、憲法第28条の労働基本権保障を具体化したもので、労働者の団結権の積極的な保護措置として定められた。労組法が不当労働行為とするのは、①組合活動への参加を理由とする一切の不利益待遇、②組合加入をさまたげる行為、③団体交渉の拒否、④組合結成、運営に支配介入すること、等々。労働組合(または労働者)から不当労働行為の救済申立があったとき、労働委員会は審査をし、使用者側にその事実が認められたときには救済命令を発する。そして、労働者を不当労働行為がなかった状態にもどさせ、使用者に対し、謝罪及びこれを繰り返させない旨誓約を公示させる。
プラカード
スローガン(目標あるいは要求する項目)などを書いて持ち歩けるようにした“動く看板”で、労働運動などのデモでよく使う。
フリースクール
フリースクールは子供の学ぶ自由を基にした学校である。欧米を中心に「サマースクール」「シュタイナー学校」「フレネ学校」など様々な発想と実践が積み重ねられている。日本では、不登校問題などを契機に公教育の枠外で実践される学校をフリースクールとして考える傾向がある。子供の学ぶ自由の実現の問題は「学校を作る自由」の中にもある。
ブルーバード・プラン
日経連が1998年12月に発表した欧米的な所得格差や雇用問題を引き起こさずに国民生活の質的改善をめざす方向を探求、いわば「日本的モデル」を模索するといった提言。「国際競争力の維持・強化」を図り、「雇用の安定」と「国民生活の質的改善」を実現することを目標にしている。
プルサーマル計画
余剰プルトニウムを処理する方法のひとつとして、熱中性子(サーマル・ニュートロン)を利用する軽水炉などで、ウランとプルトニウムの混合酸化物でつくった「MOX燃料」を燃焼させようとする計画。この方法はプルトニウムの利用効率としては最低といわれており、コストも極めて高くなることが予想されている。また、安全性についても、重大な原子炉事故が発生する可能性を増大させる点など、問題点が指摘されている。
ブレインストーミング
自由討論方式で多くの意見を出しあい,独創的なアイディアを引き出す集団思考法。
フレックスタイム制
総労働時間の短縮や公務員労働者の福祉の増大などを目的に、①コアタイムを設けたフレックスタイム制、②職種は原則として研究職、③清算期間は4週間を主たる内容としている。
フロシキ残業
サービス残業の一種。書類等を自宅等に持ち帰って仕事をすること。古い時代は、風呂敷に入れて持ち運んでいたが、今は、紙袋やカバンが多い様である。また、ワープロ、パソコンの普及と相まってフロッピーによる作業も多く、中にはワープロ、パソコンを下げての出勤者も見かける。
分煙
喫煙区域と禁煙区域を分けたり、喫煙タイムを設け、喫煙者と非喫煙者の共存を図ろうとする措置。禁煙や嫌煙よりもソフトに煙を拒絶してすみ分けを目指す運動としてオフィスや公共の場では着実に広がりを見せている。分煙の方法には、①時間的分煙、②空間的分煙の二つがある。時間的分煙には禁煙タイムの設定、禁煙日を決める、会議中の禁煙の三つがある。
分権市民フォーラム
分権市民フォーラムは、市民自治の原則にたった分権社会の実現を目的として、篠原一(東京大学名誉教授、川崎市民アカデミー)、原輝恵(日本婦人有権者同盟)を代表呼び掛け人とし、黒沢丈夫群馬県上野村長(全国町村会会長)、山内徳信沖縄県読谷村長をはじめとする呼び掛け人で発足した市民団体。自治労とは提携関係をもつ。1995年12月発足。これまで、国会議員の分権度調査、自治体の分権度チェックを実施してきた。地方分権推進委員会に対しては、自主条例、立法統制、自治体責任という自治3原則を尊重すべきとする「第1次勧告に対する私たちの要望」を取りまとめ(96年11月14日)、また、地方自治法を市民自治、地方分権に相応しく改正すべきとする「地方自治制度改革の提案」(97年3月18)を提出した。
分限処分(地公法)
地方公務員法27条2項に基づく処分のこと。同条は自治体職員の免職・休職・失職・降任といった処分事由を明記している(たとえば刑事事件として起訴されたら休職になる)。この条文は、各自治体で処分事由を制限・緩和する条例の制定を認めているため、自治労は自治体職員の身分を守る運動として、各自治体に対し条例の制定を進めている。
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ベア(べースアップの略語)
春闘時に一番登場する用語。物価の上昇や生産性の向上等を反映させ、また、労働者の生活向上の為に給料表を改定(引上げる)することをべースアップという。
ペイオフ
1971年に預金保険法により、破綻した金融機関の預金者を保護し、1,000万円を限度として預金者に預金を払い戻すこと。
米本土ミサイル防衛(NMD)
米国へ飛来するミサイルを迎撃するシステム。配備目標は、2005年度。しかし、ロシアや中国が対抗する核開発を進めることが予想され、新たな核軍拡につながることが懸念されている。
平和運動フォーラム
民主党の結成により政治活動分野は、連合として取り組まれることとなり、平和運動センターの役割が一定程度終えたことから、各平和団体、市民グループとともに護憲・平和と民主主義、反核、反原発などの問題に取り組む組織として2000年に結成された。
平和友好祭(平友祭)
1947年プラハで第1回が開催され、現在に続いている平和を訴える祭典。第2次大戦の中、ドイツファシズム打倒のため戦う中で生まれた世界青年協議会がルーツ。
へき地医療支援機構
国の第9次へき地保健医療計画において示された組織であり、へき地医療従事者の研修計画策定、総合的な診療支援事業の企画調整等を実施するものとされている。
北京行動綱領
1975年の国際女性年から20年後の95年、北京世界女性会議では2000年までに実現すべき課題を絞り込んで、12の重要問題領域が行動要領として採択された。それぞれ「戦略目標と行動」が示され、各国政府は「行動と資源を集中し」「戦略的行動をとるよう」迫られている。日本政府も①女性のエンパワーメント②女性の人権の尊重③女性と男性、NGOと政府、国境を越えたパートナーシップを誓約した。
北京女性会議(第4回世界女性会議)
1995年に開催された。NGOフォーラムをあわせて空前の人々が集まる会議となった。検討された行動綱領案は、貧困、教育、健康、女性に対する暴力、紛争下の女性、経済、権力・意思決定分担における男女の不平等、女性の地位向上のための仕組み、人権、女性とメディア、女性と環境、少女など12の問題領域を含む。リプロラクティブ・ヘルス/ライツや、「紛争下の女性」に関連して「従軍慰安婦」問題などが大きな論争の一つになる。フォーラムでもあらゆる形態の「女性への暴力」に関心が集中した。
変形労働時間
1988年の労働基準法改正に伴って導入された制度で、法定労働時間が予定する所定労働時間の形の変形を認める制度。サービス経済化などの社会・経済状況の著しい変化に対応するとともに、労使が労働時間短縮を自ら工夫しつつ進めることが容易となるように、業務の種類、繁閑に応じて労働時間の配分を可能にさせることを目的として導入された。単位となる期間における所定労働時間の合計が当該期間の法定労働時間の総枠の中であれば、1日、1週の所定労働時間が1日、1週の法定労働時間を超えても、所定労働時間の限度で時間外労働の取扱いをしないとする制度。変形労働時間制の主な種類は、1ヶ月以内の短期間単位と1年以内の長期間単位。立法過程において制度の乱用の危険性が論議されたが、本来の目的は労働時間短縮を実現しやすくさせることにあり、その成果は、労使の理解と努力にかかっている。
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保安要員
元来は、鉱山で保安業務に従事する者という意味で、スト規制法により、争議行為への参加を禁止される場合がある。転じて、ストライキの時、業務の都合上、スト対象者からはずす者を指す。
包括的核実験禁止条約
1996年9月10日、国連総会は包括的核実験禁止条約(CTBT)を採択した。この条約は核兵器の実験をはじめとするあらゆる核爆発を禁止するともに、その順守を確保するための検証手段を定めている。しかし、実際の核爆発を伴わない未臨界実験などが禁止対象になっていないため、これらの技術を持っている国は、依然として核兵器の性能の維持・向上を図ることが出来るという問題もある。
法定受託事務
「地方分権一括法」参照。
北東アジアの非核地帯化
1996年4月、カイロでアフリカ大陸とその周辺の島々を非核地帯とする「アフリカ非核地帯条約(ペリンダバ条約)」が結ばれた。これにより、1967年キューバ危機に触発されて結ばれた、世界最初の非核地帯条約である「ラテンアメリカ非核地帯条約(トラテロルコ条約)」や、1985年に結ばれた「南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約)」などによって、地球の南半球の陸地は全て非核地帯となった。アジアにおいては、95年12月、バンコクで「東南アジア非核地帯条約」が東南アジア諸国連合(ASEAN)が中心となって結ばれている。北東アジアの非核地帯の実現は、非核地帯を北半球に広げるのに大きな役割を果たすことになる。南北朝鮮の間にある「朝鮮半島非核化共同党言」や日本の非核三原則などは極東地域を国際的非核地帯としてつなぐ基礎となるものである。
ポジティブアクション
「アファーマティブアクション」参照。
北海道グリーンファンド
意思ある市民が省エネ・節電することで節約した電気料金の一部を「基金」に拠出し、自然エネルギーの普及・拡大を図ることを目的として、1997年7月17日NPO法人「北海道グリーンファンド」が設立された。月々の電気料金の5%を上乗せして電気料として支払い、上乗せ分を「グリーンファンド」として運用を図ろうというもの。
幌延問題
動力炉・核燃料開発事業団(動燃・当時)は、幌延町に高レベル核廃棄物貯蔵及び貯蔵工学研究所の建設を計画したが、反対行動により頓挫。現在、深地層研究所を建設することとして、「核廃棄物は持ち込まない」といっているが将来持ち込みへの布石ではないかとの疑念がもたれている。毎年11月23日の反対行動(11.23幌延デー)は、動燃が反対を無視して現地調査を強行した日に由来する。
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マスタープラン
都市計画に関する基本方針(いわゆる都市計画マスタープラン)の策定は、1993年6月に施行された改正都市計画法で市町村に義務づけられた。その地域の土地利用や都市施設の構想、開発、または保全などの方針を定め将来像を描くもの。都市計画法18条の2第2項には、市町村が都市計画に関する基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずることと、市民参加を義務づけている。
マニフェスト制度
産業廃棄物の適切な処理、処分と不法投棄防止のためのシステム。マニフェストとは伝票形式の積み荷目録のこと。廃棄物を出した排出事業者が廃棄物の種類、量などをまず複写式の伝票に記載し、収集業者や処理・処分業者が一枚ずつ保管し、最後の業者が適切に処理したことを証明するために残りの伝票を排出事業者に返送して廃棄物の流れを明確にする仕組み。
まんが集団・文芸集団
自治労組合員による文化活動の一環として、「まんが集団」や「文芸集団」を組織し、毎年全国的な作品発表の場を設け、互いの交流活動を行っている。
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未加入、未加盟、未組織
未加入とは、組合が組織され自治労にも加盟しているのに、組合に入っていない人のこと。未加盟とは、組合が組織されているのに自治労に加盟していない組織のこと。未組織とは、いまだ組合が結成されていないこと。
身分移管闘争
「住民に身近な行政は地方自治体で」という地方分権の主旨から国費職員・職場を地方へ移管させるたたかい。国費職員の労働条件向上、中央集権を阻止、地方自治拡大、社会保障充実、反戦・民主主義擁護など大きな意義をもつ。「地方移管」参照。
未臨界(臨界前)核実験
核兵器は、高性能爆薬を爆発させることで、高濃縮ウランやプラトニウムの核分裂反応を引き起こすことを基本原理としている。この核分裂エネルギーを兵器として使うのがいわゆる原爆で、さらに核分裂エネルギーを使ってトリチウムなどの核融合を起こすのが水爆だ。この最初の過程のうち、核分裂反応が始まる時点(臨界点)寸前までを実験しようというのか未臨界実験である。
民間委託
「事務事業の民間委託等に関する方針」参照。
民間準拠
民間を基準として決定されるシステムのこと。地方自治体職員の給与の決定にあたっては、①生計費、②国及び他の地方公共団体の職員の給与、③民間事業所の従事者の給与、④その他の事情の4つの要素を考慮して、それぞれの地方自治体ごとに条例で決定しなければならないとされている。人勧での賃金決定の根拠。人事院が国家公務員の賃金に関する勧告を行うのは、毎年、物価・生計費ならびに民間賃金の動向などを調査し、民間賃金との格差が5%以上あった場合とされている。
民主党
1996年9月、社会民主党、新党さきがけが、1998年4月、新進党の大半が合流して結成。生活者の立場を代表し、自民党に対抗する政権党をめざす。
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無報酬労働(アンペイドワーク)
家事、育児など報酬に還元されない労働のこと。これらの労働は社会的な評価をされない労働として価値の低いものと見なされてきた。そしてこの労働を担うのはほとんどが女性であり、それが女性の労働全般への評価ともなり、女性の経済力の弱さとともに女性問題となっている。シャドウワークともいわれる。
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メーデー
毎年の5月1日、全世界の労働者が、団結の力と国際連帯の意思を示す統一行動日。1886年5月1日、アメリカ・シカゴで8時間労働制を要求したゼネストを記念し、1889年、第2インターナショナル創立大会で、毎年5月1日を8時間労働制などを要求する「国際労働示威の日」とすることを決定した。第1回メーデーは1890年で、その後今日まで続いている。日本では、1920年、第1回メーデーが東京・上野公園で5,000人の参加をもって開催され、第二次世界大戦をへて、1946年、17回メーデーから復活した。社会の安定化に伴い「労働者の祭典」の色彩が強くなった。
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モデル事業
①事業の普及を図るために実験的に実施される事業のこと。②写真モデルのようにカメラマン(国)から細かく注文をつけられることからその名がついた。
モデル賃金
モデル賃金とは、一般に学校卒業後直ぐ企業に就職し、同一企業に継続して勤務している労働者、標準的な昇任・昇格をした場合を想定した賃金を示したもの。モデル賃金は、性別、年齢別、学歴別、職種別(これをモデル条件という)に調査集計を行ったもので、次の3種類がある。①理論モデル〜標準労働者が企業の賃金表に基づいて標準的に昇任・昇格したときの賃金。②実在者モデル〜標準的に昇任・昇格していく場合のモデル条件ごとに実在者を探し、その賃金を年齢別に表示したもの。③実在者賃金〜標準的に入社した者全てを対象に、その年齢に該当する者の平均値、並数値または中位数値をとったもの。
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矢臼別演習場
地元の反対にも関わらず、沖縄米軍の県道104号越え実弾演習訓練の本土移転先5カ所の1つに指定された。1997年から2000年まで唯一4年連続で実弾演習が実施され、また、約束違反の夜間演習や酪農家の被害、民間航空機の使用など、さまざまな問題が生じている。
野党
「与党」参照。
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UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)
51年に設立された国連の補助機関で、難民の保護と救済援助活動を行っている。本部はジュネーブ。
有給教育休暇
ILO140号条約(74年採択、未批准)では、職業上必要な技能の修得、地域社会活動への参加、労働者の人間的・社会的向上等を目的として、労働組合教育や社会教育などについて、労働時間中に労働者に付与される休暇で、十分な金銭的給付をともなうものとしている。
有効求人倍率
労働市場における需給状況を総括的に示す指標のひとつ。公共職業安定所における新規学校卒業者を除いた有効求人件数を有効求職件数で除した比率。この率が1より大きいか小さいかで、労働市場の需要超過、供給超過の状況を知ることができる。
ユニオン・ショップ
労使間の協定(労働協約)により、会社が雇用する労働者に組合加入を義務づける制度。会社は組合に加入しない者や組合から除名された者を解雇することを義務づけられる。労組法(7条1号ただし書き)は、組合が従業員の過半数を占めている場合に限り、この協定を適法と認めている。
ユニバーサルデザイン
一般的に(バリア)となりうる要因を設計段階から取り除き、障害者や高齢者等に関わりなく、すべての人が利用しやすくするため、物や住居などをデザインするという考え方。
指曲がり症
学校給食現場をはじめ、民間職場も含め、指先に強い力の加わる作業に長時間従事してきた労働者に発生した労働災害のひとつ。指の骨と関節が変形してきて痛みが生じ、更には関節が動かなくなるというもの。労働者と医療関係者による様々な角度からの研究の下、労働と症状との因果関係が明らかになり、92年10月、24人が公務災害として初めての認定をうけた。
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容器・包装リサイクル法
1995年6月9日に成立した廃棄物減量促進のための法律。近年、ごみ量の増大と最終処分場不足に伴い、資源化できる廃棄物をできるだけ再生利用する事を目的に、国民には分別排出を、自治体には分別収集を、事業者にはその回収と再利用を義務付けたシステム。対象となる容器・包装材は全ての包装材であり、その施行は1997年4月、実施は5種7分別で、2000年4月からその他全ての容器・包装材が対象となる。
溶融固化
清掃工場でごみを焼却したあとの焼却灰を1,600度以上の高温で熱することで溶かし、灰を再減量・再利用するための手法。砂状に変え、それを固めて煉瓦など製造し活用する。ダイオキシンが含まれている焼却灰の処分・活用方法として厚生省が指導している。
与党
国・地方議会において首長を選出(推薦・支持)している党派をいう。他党派は野党となる。
四役
組合では、委員長、副委員長、書記長、書記次長。三役(書記長まで)の場合もある。組合活動全般に責任を持つ立場の役員をいう。
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ライフスタイル
従来、生活様式と呼ばれてきたが、衣食住だけでなく、交際や娯楽なども含む暮らしぶりを指す、さらに、生活に対する考え方や習慣など、文化とほば同じ意味で使われることもある。
ライフプラン
就職・結婚や住宅取得など半ば画一的なライフイベントを基に、設計されるものをライフプランという。これに対し、世の中の変化を見据えた上で、自己の価値観に沿った人生を自らが積極的に創造し、実現させていくことをライフデザインという。その為には社会環境をはじめとしたさまざまな外的要員を的確にとらえつつ、経済面・健康面・時間面を複合的に設計し、自分自身の将来像をしっかりと描いていくことが必要となる。
ラスパイレス指数
地方自治体の職員構成(学歴別・経験年数別構成)が国と同一であると仮定して、その団体の平均給与を求めたうえで、国の平均給与額を100として算出した指数。自治省は毎年自治体職員の給与水準をこのラスパイレス指数のかたちで発表している。
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リストラうつ病
企業や官庁に残った勤労者にもリストラの名の下での「人減し」「合理化」の圧力が強い。これは、①退職を迫られる不安、②閑職におかれての「荷おろし状況」、③職場に人がいなくなり、残った者が過労により燃えつき症候群に陥り、「精神的過労死」とでもいえるような自殺をとげるもの、の三つの類型のうつ状態を引き起こしていることをいう。
離籍専従
「専従役員」参照。
リフレッシュ休暇
勤続年数に応じて、長期連続休暇を付与する特別休暇制度。民間においては、功労的性格も含まれ、特別手当があわせて支給されることもある。公務員連絡会は、1O年目に5日、20年目に10日、30年目に15日を要求している。
リプロラクティブ・ヘルス/ライツ
「性と生殖に関する健康と権利」と訳される。身体的、精神的、社会的に良好な状態にあり、安全な性生活を営み、子どもをいつ何人産むか、または産まないかなどを、当事者である女性に幅広い自己決定権を認めようとする考え方で、妊娠、出産、中絶に関わる女性の生命の安全や健康を重視している。
臨時行政調査会
1981年3月に内閣総理大臣の諮問機関として設置された、行政改革のための審議会。62年から64年に、池田内閣の下に設置された臨時行政調査会と区別するため、第2(次)臨調と呼ばれる。設置の背景に日本が極度の財政危機に陥ったことがあり、財政再建の方策を審議するところにあった。財政支出の削減を中心とする事務事業の見直しを図るという方向が示された。この答申をもとに国鉄・電電・専売の政府公社の民営化が強行された。
臨調行革
「臨時行政調査会」を参照
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レイオフ
不況で操業を短縮する場合、企業側は労働組合との協約に従って、就業順位の遅いものから、将来の再雇用を約束して一時解雇する制度。再雇用する場合、就業順位の早いものから復職する。主に米国で行われている。終身雇用制の日本型労使慣行ではなじまない制度とされている。雇用調整助成金の対象となっている一時帰休をレイオフということもあるが、こちらは雇用契約は継続している。
レディス・ステップアップ・プラン
連合で策定された女性の積極的参画をめざすための計画。
連合(日本労働組合総連合の略語)
わが国最大の労働団体(ナショナルセンター)。89年11月に発足、初代会長は山岸章。1998年747万6千人で、全労働組合員数の61.8%となっている。地方組織として各県連合、その下に地域協議会(地協)などがある。
連合官公部門連絡会
連合加盟の公務員組合の共闘組織。政府等との交渉窓口としては、4現業国公の国営企業部会と、非現業の公務員連絡会に分かれているが、官公労全体の課題については全体で取り組む。
連合教育文化協会
連合の構成団体等によって1995年に設立された社団法人。組合リーダーの育成のためのセミナーや研修会、専門講座の開催、出版活動、文化イベントなどの事業に取り組む一方、労働者教育に関する調査研究、講師の紹介などの情報サービスを行っている。
連帯活動
同意・賛同できる活動に支援・同調すること。
連立政権
政策合意に至った複数党派により形成された与党会派のこと。政策合意のない場合は単なる相乗り。
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労金
労働金庫の略称。労働組合や生活協同組合が資金を出し合ってつくった協同組織の金融機関。非営利を原則に運営。ほとんどが勤労者対象の営業。北海道労働金庫の自己資本比率8.33%、不良債権0.02%。
労使(資)
労働者と使用者。労資となると労働者と資本家。
老人虐待(シルバーハラスメント)
東京・共栄学園短大の田中荘司教授のグループが、全国の特別養護老人ホームにアンケートを出し、デイケアに来ているお年寄りの虐待例を調べたが、日本では、介護の放棄や拒否による虐待が6割近くを占めていることが明らかになった。虐待する人の3割が嫁、2割が配偶者となっており、介護者の負担が虐待の大きな原因であることがうかがえる。アンケートでは、デイケアに来ているお年寄りだけが対象なので、家庭内ではもっと多くなりそうだ。家族介護に頼らない公的サービスの強化が必要だ。①貧困と人口問題、消費形態、②資源の保護と管理、③女性と青年、子供、先住民、NGO、地方自治体、組合、企業の役割、④実践としての資金、技術と訓練、法制度、国際機関等、持続可能な開発の視点から今後の課題が整理されている。これを受けた自治体の行動計画をローカルアジェンダという。
労働三法
労働法の基本となる労働基準法、労働組合法、労働関係調整法の三つの法律をいう。労働基準法は憲法27条2項により、労働時間、賃金、休日、安全、衛生、災害補償などの最低基準を設け、それ以上の労働条件を事業者に義務付けた(72年安全・衛生部分が独立し労働安全衛生法へ)。労働組合法は労働者の団結権、団体交渉権、争議権を具体的に保障するために制定された。労働者の組織、使用者による不当労働行為、正当な組合活動の民事上・刑事上の免責、労働協約の在り方などが規定されている。労働関係調整法は争議行為等の調整を目的とするもので、労働委員会による、斡旋、調停、仲裁等を定めている。日本における労働三法は戦後の民主化政策の中で制定されたが、法における労働者保護にいたる過程では大変な労働者のたたかいがあったことを忘れてはならない。
労働安全・衛生委員会
労働安全衛生法、同施行令、同規則に基づき、各業種ごとに常時使用労働者数に応じて最低設置義務が定められている組織。主に労働者の危険防止対策を審議するのが安全委員会であり、主に労働者の健康障害防止対策を審議するのが衛生委員会である。両方の機能を兼ね備えた安全衛生委員会として設置することもできる。委員の半数は労働者の代表でなければならず、毎月1回以上の開催が義務づけられている。
労働安全衛生法
労働災害、職業病の増加に対応し、労同基準法の「安全・衛生」の部分を、独立拡充して災害防止対策を強化するため、1972年4月に制定された。88年には中小企業、高齢者についての災害発生率の高さ、ストレスによる職場不適応などに対処する改正が行われた。1992年には「快適な職場環境の形成」が盛りこまれ、個人差への配慮、不快なものにも対策するなどの改正が行われた。
労働基準法
略称を労基法という。本法は、労働者の人間としての生存権を保障する事を原則とし、戦後の民主化政策にもとづいて1947年に制定された。労基法制定の本旨は、①労働条件に一定の最低基準を設けてそれ以下への低下を防ぐ、②労働関係に残存する封建的慣行の除去、③職場生活以外の使用者の支配、介入の排除、の3点からなっている。
労働基本権
憲法28条「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」を労働基本権と言い、「団結権」「団体交渉権」「争議権」の三つに区分される。
労働金庫(ろうきん)
労働組合、生活協同組合その他労働者団体が組織する金融機関。労働金庫法(1953年制定)に基づいて、加入団体が行う福利共済活動資金や団体員の生活資金の貸し出しを主な業務としている。
労働組合費チェックオフ
本人に賃金を渡す以前の段階で組合費を差し引くことをいう。自治体によって協定、慣行等により行われているところもあるが、組合活動の保障の一環として位置付けられるものである。これらの協定等を打ちきることは、組合弱体化を目的とする不当な行為といえる。
労働組合法
労働者の基本権として団結権の保護を目的として1946年3月1日施行された法律。労働組合の資格を定め、使用者が労働者の団結の侵害、団体交渉の不当拒否などを不当労働行為として禁止している。また、組合活動・争議行為の不当な刑事・民事責任の免責を定めている。
労働権
労働能力と労働意欲をもっている者が、労働する機会を社会的に要求しうる権利のこと。憲法第27条1項は、「すべての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」と定め、勤労権(労働権)を保障している。しかし現実には、それを具体的に保障する法的措置はない。
労働災害
労働者が業務上負傷し、病気にかかり、または、死亡する事故をいう。これが発生した場合には、労働基準法は使用者に被災害労働者に対する無過失の補償責任を負わせている。ただし、実際の保障は、使用者が加入強制する労災保険制度によってなされる。建設業を中心とする旧来の労働災害のほかオフィス・オートメーション、VDU業務増、コンピューターリゼーションなどの技術革新は新しい災害(OA病、ハイテク労災)をうみだしている。
労働者自主福祉活動
労働者の経済的、社会的地位の向上を図ることを目的にした労働運動の柱のひとつで組合員、その家族の福利厚生(預金・貸付・保険など)に関する活動。自治労では自治労共済・事業本部をはじめ、ろうきん、住宅生協運動などを推進している。
労働者派遣法
人材派遣業は、自己の雇用する労働者を他企業に派遣し、そこで業務を処理させるという形態をとっており、職業安定法の禁止する労働者供給事業に類似するところがあった。さらに、労働者についてみると、派遣先、派遣元のいずれに使用者責任があるのか不明確であった。そのため、これらの労働者は使用者との雇用関係、就業条件などが不安定となり、厳しい労働実態が発生した。これらの問題に対応するために、86年に労働者派遣法が施行されたが、その後業務の効率化のために人材派遣の自由化を望む企業の圧力と雇用対策の面から99年12月に法改正が施行され、港湾運送、建設、警備など一部を除き原則自由化された。ただし、企業が人件費を圧縮しようと社員を必要以上に派遣労働者に置き換える動きを抑止するため、派遣期間を1年に限定するなどの制限がある。
労働分配率
国、特定の産業、企業における所得または付加価値の総額に対する労働者の賃金の割合をいうが、算定方法はさまざまである。国民所得の総額に対する給与所得の割合でみると、ここ数年間70%台の後半を推移しており、むしろ低下する傾向にある。90%程度の西ドイツをはじめ欧米諸国との格差は縮まっていない。
労働問題研究委員会報告
財界の労働者対策部門の役割を担う日経連が、毎年春闘時期前に発表している。いかに日本の労働者を都合良く使用するか、賃金を押さえ込むかを中心に理論が展開されている。研究委員会とは、どこかの専門研究機関ではなく日経連そのものであることを理解する必要がある。
労働協約締結権
労働組合と使用者との間で労働条件等について集団的協定を結ぶ権利。労組法では締結された協約の条項のうち「労働条件その他の労働者の待遇」に関する基準より低い条件を内容とする労働契約を無効とし、協約の基準どおりの内容に引き上げる努力を求めている。地公労法が適用される公企・現業職員には保障されている。
ローカルアジェンダ
92年、「環境と開発に関する国連会議」でリオ宣言とともに合意された行動計画。
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ワーカーズ・コレクティブ(労働者生産協同組合)
組合員が共同出資して経営者となり、労働にも従事して報酬を得る組織。
ワーカホリック
働き中毒。仕事中毒者。WORKとALCOHOLlCの合成語。
ワーキング・ホリデー制度
特定の国々と相互理解を深めることを目的に、日本と相手国内で双方の青少年が施行の費用を補う範囲内で働くことを認め合う制度。雇用問題に影響を与えないよう年齢などの制約がある。
ワークシェアリング
仕事の分かちあいのこと。失業者の多い経済の中で、労働時間の短縮(時短)によって、より多くの労働者に職を保障しようという考え方にもとづく。このなかには、1週あたりの時短の他に、高齢者の早期退職制度(生涯的な労働時間の短縮)中長期ボランティア休暇などいろいろな方法が含まれる。1989年11月、労働省に設置された「ワーク・シェアリング政策に関する研究会報告」が発表された。これは最初に述べた意味の「短期的な」ワーク・シェアリングはヨーロッパで有効果がなく日本でも必要がないとしている。しかし、経済成長の過程で、時間短縮を適切に行えば、消費拡大や省力投資による雇用拡大もありうるとしている。また、勤労者の多様な働き方を可能とするような、労働と余暇の配分のため、労働時間政策がとらえ直されるべきであるとも提唱した。
枠外(枠外昇給)
級の最高号俸を超え、給料表に金額が定められていない所に昇給することをいう。その場合の間差額(号俸間同士の差)は最高号俸とそのすぐ前の号俸の差だけ順次加算していくことになる。
腕章
集会や行事の時、左腕につける微章、飾章。労働組合は赤というのが世間一般に認められた色。連合になり、赤以外の腕章にする組合も出てきた。闘争時、腕章を巻いて仕事をする腕章闘争という戦術がある。交渉集会時、参加者が着けている。
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