11月10日、環太平洋連携協定(TPP)承認案と関連法案が、衆議院本会議で自民、公明党、日本維新の会により強行採決された。それに伴い、連合北海道が「環太平洋連携協定の衆議院承認強行採決に抗議する談話」を発出しましたのでお知らせいたします。

なお、参院は11日に本会議で安倍晋三首相が出席して趣旨説明と質疑を行う。承認案は憲法の規定により衆院通過から30日目の12月9日に国会が開かれていれば自然承認される。

 

2016年11月10日

 

環太平洋経済連携協定締結の衆議院承認強行採決に抗議する談話

 

日本労働組合総連合会北海道連合会

                   事務局長 杉山  元

 

本日、政府与党は衆議院において、環太平洋経済連携協定(TPP)締結の承認案及び関連法案を強行可決した。

まずもって、数の「おごり」を背景とした国会運営と、民主主義を否定する強行採決に断固抗議する。

11月4日のTPP衆議院特別委員会での強行採決に対して、連合北海道は「TPP参加のメリットやデメリット、影響の試算などの情報開示と説明責任も無く、幅広い国民的議論も無く、本質的な国会審議も無い、TPP協定および関連法案の国会承認に断固反対する」との談話を発表した。

まったく変更は無い。断固抗議する。

新たに第45代アメリカ大統領となったドナルド・トランプ氏が、TPPからの撤退を名言し当選を果たしたこのタイミングで、安倍首相、政府与党がTPP承認を強行するのは不可解で有り、自身のアベノミクスの破綻を隠蔽するためでは無いかと思わざるを得ない。

TPP協定は太平洋を中心とする12ヶ国で、モノやサービスを売ったり買ったりする「約束事」だ。人口の合計は7.7億人、GDPの合計は25兆米ドルに及ぶ。発効すれば世界の4割を占める自由貿易圏が生まれる。

そこで、「GDPが増える」「雇用が増える」「輸出が増える」「企業内貿易が効率化する」「農業が壊滅」「食の安全が脅かされる」「医療保険が自由化される」「混合診断が解禁される」等々、様々に言われている。他にも「金融サービス」「投資」「知的財産」「環境」「労働」などもTPPの内容であり、国民の誰もが仕事や生活で必ず影響を受ける。

だからこそ、多くの国民が心配し、その徹底した情報開示と国会審議を強く求めてきた。

しかし、政府与党が開示したのは黒塗りの資料であり、試算の調査データーは開示せず、約束していたテーマ別の集中審議は行わず、中央公聴会は開催されていない。国会に提出された協定は合意文書の全体ではなく、それも誤訳や脱落などが次々に明らかになっている。これで「熟議」は不可能だ。

我々は、改めてTPP参加のメリットやデメリット、影響の試算などの情報開示と説明責任も無く、幅広い国民的議論も無く、本質的な国会審議も無い、TPP協定および関連法案の国会承認に断固反対し、今回の強行採決に断固抗議する。

 

以  上