北海道平和運動フォーラムは10月24日、10回目となる「憲法問題連続講座」を開き、約150人が参加した。

 

「憲法24条が狙われている~家族条項は美しい?」と題して、清末愛砂・室蘭工業大学大学院准教授が講演した。

清末准教授は「憲法24条は平和主義を構成する重要条文だ。しかし、24条の改悪はあまり注目されていないが、保守政党や『日本会議』が中心となって組織的・計画的に進められてきている」と述べたうえで、「24条改悪の狙いは、行き過ぎた個人主義・利己主義を排除し、社会連帯・共助の観点を盛り込むべきとして、家族や共同体を重視させ自己責任を重視すること。家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成することと理論づけている」と述べた。

また、「家族が一方的かつ『一律の集団単位』とみなされることで、個人の意思がないがしろにされる危険性があり、立憲主義に反している」と問題点を指摘した。

最後に「『家族による助け合い』は美しいものではない。ジェンター差別や社会保障の削減などをもたらしかねない。憲法に『家族のあり方』という価値観を規定することは極めて問題がある。憲法24条は9条改悪に反対する護憲運動と共闘して取り組んでいかなければならない」と締めくくった。