戦後71年を迎えた8月15日、札幌市・自治労会館で「不戦の日!8.15北海道集会」が開かれ、市民ら300人が参加した。

「慰安婦バッシングと闘う元記者の報告」と題して、元朝日新聞記者の植村隆さんが講演した。

植村さんは、記者時代に慰安婦問題の記事を書き、脅迫状が送られてきたことなどの体験にふれ「歴史の事実を書き換えようとする勢力から、『記事はねつ造だ。国民に謝罪せよ』とバッシングされ続けたが、さまざまな方々に応援をいただき、裁判で勝訴した」と述べ「日本の言論の自由度がどんどん下がってきているというのが国際的な評価。メディアの委縮が進んでいる」と強調した。

さらに、「ソウルの街を歩いていたら『記憶されない歴史は繰り返す』という看板が出ていた。慰安婦問題の本質は『名誉回復』と二度と繰り返さないという『記憶の継承』だ。私は、河野談話を高く評価している。談話では『歴史研究・歴史教育を通じて長く記憶にとどめ二度と繰り返さない』と決意し、それを国際社会に約束したのに、守っていないのは日本。だから韓国や韓国以外の慰安婦人らは怒る。慰安婦問題を書く記者をバッシングしてメディアを委縮させるという構図が出来上がっており、非常に危険な状況にある」と述べた。

また、「慰安婦問題の本質は『名誉回復』と二度と繰り返さないという『記憶の継承』だが、慰安婦問題を書く記者をバッシングしてメディアを委縮させるという構図がある。私は今後も『記憶の継承』に力を入れていく。日本人の心の中にも慰安婦問題の『記憶を継承』していかなければ歴史は繰り返されてしまう」と締めくくった。