2月11日、札幌市・北海道教育会館で「第36回紀元節復活反対2.11道民集会」が開かれ、約200人が参加した。
はじめに、主催者を代表して、札幌北光教会・後宮敬爾さんが「この国は末期的状況にある。アベノミクスに踊らされている間に心が失われている。戦争をしない国になっていくために、これからも集会を続けて行こう」と呼び掛け、あいさつした。
その後、「日本型<民主主義>の迷走」と題して、薬師院仁志・帝塚山学院大学教授が講演した。
薬師院教授は「なぜ、民主主義(『民主政』)を『勝ち負け』と勘違いするのか。とんちんかんな対立や議論が何十年も続いている。議員は数で数決こそ正義と思っている。そんな思考では、『民主政』は生まれない」と述べた。また、「『民主政』とは、統治形態のひとつ。統治形態は統治者の数で①君主政(一人による統治)②貴族政(代議士政)③民主政(全員による統治)がある。日本国憲法には『民主』という文字はない。選挙と議会という形式手続きだけ。『民主政』は勝ち負けではなく、合意形成の手段。だから少数意見もくみとる必要がある。『民主政』には十分な議員定数が不可欠。議員定数の削減は非民主化と同じ。市町村合併で議会が減り、議員数が減るのも非民主化している」と述べた。さらに、「日本人は『民主政』の解釈を誤解している。議員定数の削減が支持されるのは、多くの民意を議会に届けるな『民主政』はいらないと主張するのと同じ事。公務員の数を減らせというのは、『自分たちを私的(私企業)な支配の下に置け!』と同じ事。『民主政』対国家権力という図式は、『民主政』=民主的な公権力(国家権力を作ること)による私的な支配の排除。公権力こそもっとも民主的。民間にまかせるのは非民主的。そのためには、十分な議員数、十分な数の公務員(全体の奉仕者)が不可欠」と述べた。最後に、「日本は自由に意見を言える環境ではない。敵と味方(勝者と敗者)に区別される環境。自由に意見を言える環境があって初めて、双方の討論ができ、合意形成ができる。日本は「民主政」の土台が完成していない」と批判した。その後、自治体首長要請文、集会宣言確認した。